オメガねこ

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「自由」 と 「不自由」 Ⅱ

2020年07月03日 | 思想・思考
 【ネタ切れに付き、過去記事の「編集・加筆」です。】

 「自由行動」の時間でも「自由に行動」すると大抵は制裁を受け、「自由」が他人の「倫理観」と自分の「道徳観」に拘束されていて「不自由」である事が判ります。

フリーダム:自分自身に対する(自然からの)積極的な自由で、解放された状態。
リバティ :他人(体制)に制約されない(人工的な)、消極的な自由。
リベラル :因習や体制に制約されない、積極的な自由。

 Free(自由)は上記の解釈とは別の意味が与えられています。

 フリーフォール(自由落下)は、見た目は「自由」に落ちているようにも見えますが、実際には重力に拘束されて落ちる(引き寄せられる)現象であり、地上では空気の質量(粘性)の影響で減速します。方向も決定づけられていて、極めて「不自由」な状態とも言えます。

 自由貿易(フリートレード)のフリーは「自由」を意味している様にも見えます。この意味からすると関税も「自由」にかけられそうに思えますが、自由貿易の意味は主に「Taxfree(無税)」を意味し、関税によって国内産業の保護を認めない為、脆弱な産業は衰退し社会保障の負担が増加します。つまり、強い者は「自由」を得ることが出来ますが、弱いものは「不自由」を強いられる事が「自由」の意味になります。

 「隠れキリシタン」に関係する例では、ポルトガル人が勝手に長崎を「イエズス会領」にし、キリスト教に改宗しなかった日本人を、キリシタン大名の協力を得て、奴隷として「自由」に輸出もしていました。この事を知った豊臣秀吉が「伴天連(宣教師)追放令」を出し、イエズス会による貿易の独占を禁止し、他の商人もイエズス会の支配を受けないで「自由」な貿易が出来るようにしました。勿論、伴天連の往来は、宣教をしない事を条件に認められていて、これは今で言う「自由貿易特区」です。地域限定で「自由貿易」を認めると云う事は、他の地域に対しては「不自由」を強いる結果になります。また、「不自由」な隠れキリシタンも誕生しました。

 TPP(Trans-Pacific Partnership Agreement)は環太平洋パートナーシップ協定と訳され「自由貿易」を意味する訳では有りません。加盟国が協定を結び、協定外の他国企業を排除しやすくする為に結ばれるブロック経済協定です。個人や企業が自由に貿易が出来る「自由貿易」ではなく、これは「不自由」な貿易協定なので「地域限定無関税貿易」と言うべきです。米国のTPP不参加を「米国の保護主義」と言われましたが、トランプ大統領は「自由」に貿易関税をかけています。

 アメリカにある「自由の女神像」は、英語では「Statue of Liberty(自由の彫像)」で、女神かどうかは判りません、キリスト教の神は唯一神ゴッドであり、女神は存在しません。「自由」を象徴する彫像ですら、その命名は「不自由」です。

 自由民主党は英語で「Liberal Democratic Party of Japan」です。自由民主党自身は体制の主体でありながら、党名は「体制に制約されない自由」を標榜しています。リベラルは進歩的と言う意味もあり、政党名からすると保守政党ではない事は明らかです。自民党の中には「保守」を自認する人も見られますが、「保守」はリベラルではなく「conservative(コンサーバティブ)」です。

 自由民主党以外の日本のXX民主党は、進歩的かどうかは判りませんが「体制に制約されない自由」を満喫して、メチャクチャやっています。党名を入れ替えた方が良いと思われます。

 ある人の「自由」は、他人の「不自由」があってこそ成り立つので、「自由」を主張する人は謙虚でなくてはなりませんが、謙虚な人は「不自由」を強いられます。




2 コメント

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Unknown (katumoku10)
2020-07-04 17:05:49
土曜日は魚河岸も休みですから(*^▽^*)
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Unknown (yk-soft-85)
2020-07-04 21:18:21
休みの日は、休みを強制される、不自由な日です。
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