蕎麦

田舎に帰ると、必ず行くお蕎麦屋さんがある

帰っている間の、ささやかな楽しみ

ふたりともここのお蕎麦が大好きで

時間があると行っている

「美味しいものって・・・」

やっちゃんが言った

「蕎麦の種を自分たちで撒いて育てて、それをその日の分だけ轢いて
　手間暇かけて作る・・・
　ここの蕎麦は、だから美味しいんだと思う」

「本当に美味しいものって、そういうもののことだと思う」

そんな風にポツリといった

手間暇惜しまず、丁寧に作る
それが本当に美味しいものになる

野菜と蕎麦だけの食卓

だけど記憶に残る美味しさ

どうして美味しいのか、分かった気がした



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