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読書日記です。っていうほど読書量が多いわけではないけれど。。。

プリオン病の謎に挑む

2009-04-11 | その他
プリオン病の謎に挑む (岩波科学ライブラリー(93))
金子 清俊
岩波書店

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 とても分かりやすく書かれていました。

 

 ただ、私にわかりやすいということは、物知りのかたには少し物足りないのでは、と思います。

 

 

 著者は、カリフォルニア大サンフランシスコ校で、プリオン研究の第一人者であるプルシナー教授の研究室で5年間研究された方です。(どこえいっても、そう、紹介されることが著者の一番の悩みと本文中にありますが・・・・)

 

 

 細菌やウィルスによる感染は、細菌やウィルス自身のタンパク質が人の体内でつくられてしまい、それらが人の細胞に悪い影響を与える。しかし、プリオン病では人の正常なプリオンタンパク質から異常なプリオンたんぱく質が複製されるのだという。

 

 

 素材は同じ、組み合わせ方も同じ、だけれども折りたたまれ方が違う。この異常な折りたたみ方になるためには、一旦正常に折りたたまれたものがプロテインXと呼ばれているが未だ誰も確認できていない物質によりほどかれるという仮説が現在ほぼ、定説になっているようです。

 

 

 また、防御型プリオンタンパク質というのもあり、これがあると、プロテインXをつかんで離さなくなるので、感染型プリオンがあってもプリオン病にはならないということで、これは日本人に多い遺伝子タイプなのだそうです。

 

 

 前に読んだ、”眠らない一族”では日本人はプリオン病にかかりやすい遺伝子を持っている人が多いと書いてあったと思ったのだが、全く逆のことが書いてありました。私の記憶違いでしょうか・・・。

 

 

 また、”眠らない一族”では、かなり批判的に描かれていたプルジナー教授と親しかった著者は、彼のことを、別の視点から見ておられて、”人間”って本当に面白いなぁと思いました。

 

 

 ”岩波科学ライブラリー”という新書よりももう少し硬めな、教科書的な読み物シリーズなのだけれど、科学や医学の世界で生きる研究者の、本音がチラチラ見えて、その部分は読み物として楽しむことができました。

 

 

 私のように、興味津々だけど基礎がない人間に、こんなシリーズをたくさん出してほしいなぁ・・・。(でも、図書館で借りて読むタイプの本で、あまり売れそうにありませんけどねぇ)

 



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