The Girl with the Dragon Tattoo Quercus Publishing Plc このアイテムの詳細を見る |
スウェーデン初の話題のミステリー、3部作の第一巻です。
7月にオーストラリアに行ったときに、知り合いが、目をキラキラさせて推薦してくれたので、帰りにゴールドコースト空港で購入しました。
もともとスウェーデン語で書かれていて英語版は翻訳なんだから、英語で読むこともないんだろうけど、日本語版になると上下巻で各1700円だし、この本は25ドルくらいでかったから、安かったという事でと自分を納得させていました。が、Amazon.co.jpで買えば1000円以下じゃないですか。12,13ドル・・・う、日本で買ったら半額で済んだのね・・・。
ま、それはそれとして、物語です。
ある財界人のスキャンダルをあばいたため、名誉毀損で有罪判決を受けた経済ジャーナリストのミカエルの元に、スウェーデンの大財閥の元オーナー、ヘンリック・ベンゲルからある依頼が舞い込みます。
それは、1966年に突然消えた孫娘(正しくは彼の兄の孫娘)ハリエットについての調査だった。
40年たっても何の音沙汰もないことから彼女は殺害されたと思われるのだが、いつどうやって、そして死体はいったいどこにあるのか全くわからない。
途中から、リズベス・サランダーという謎めいた女性と協力し、このなぞに挑んだミカエルが、真実に少しづつ近づき始めるのですが・・・・。
話は想像通り、だんだんオドロオドロシくなっていくのですが、そうなるとやっぱり出てくるのが、”聖書”・・・。そして、”ナチ”。ヘンリックの兄弟二人は、かつてはナチのメンバーで、戦後もその精神を持ち続けていたのです。
このキリスト教とナチズムというのは、ヨーロッパ人の精神を理解するうえではキーになるものなのかもしれません。
どちらも恐怖で人の心を支配する。
そして、それを信じる人間には、信じない人間を罰する権利があるのだと容易に信じこませてしまうのですね・・・。
実はここがこの本のダヴィンチコードよりも面白いと私が感じたポイントでした。
そして、その上、セックスとか、株の世界なんかの現代的な要素も織り交ぜて、もう本当に、お腹いっぱいになりそうな構成です。
登場人物もとても個性的でストーリー展開だけでも十分面白いのですが、そういう背景的なことを感じられると、(英語のため)読むのに3週間もかかってしまったこの時間も決してもったいなくないかなと思えた1冊でした。
ところで、スウェーデン語の名前や場所をどう読むのかわからず、なかなか頭に入れるのに困りました。それに、ハヤカワなんかだと必ずある、登場人物とかのリストもないし(いや、一応本文中にあるにはあるんですけどね。名前だけなので・・・)。場所の位置関係もよくわからなくて、まあとりあえず気にせず読み飛ばしましたが、読後にグーグルマップで調べてみても、HedestadとかHedeby Islandなんかが見つからず、存在しない場所なんですかね。
(そして、つい続きを買ってしまったため、またこのブログの次回の更新までに時間がかかってしまうかもしれません)