精神科医はいらない (文芸シリーズ) 下田 治美 角川書店 このアイテムの詳細を見る |
下田治美さんは、前回「読んだやっと名医をつかまえた」で、「愛を乞う人」からは想像できないすごいパワーのある女性だなと驚いたのですが、今回は、彼女がもう何年もうつと付き合っていると知り、またまたびっくりです。
つい先日まで読売新聞の私のお気に入りのコラムのひとつ、医療ルネッサンスで、「シリーズこころ これ、統合失調症? 」というテーマで、精神科の医療過誤の多さに驚いたのですが、それでもこの本のタイトルを見たときには、それはちょっと言いすぎでは・・・と思いました。
しかし読んでみると、うーーーん
どこまで信じてよいかと思いながらも、自分や家族が心を病んでも精神科に安易に行きたくないなと思いました。
本書にもあったし、先日読売新聞にもでていたが、日本の精神科の平均入院日数が500日で、諸外国に比べて考えられないほど長いそうです。それは社会的入院(家で面倒をみない)ということもあるのでしょうが、医療(医師)の問題もあるんだなぁ・・・ということをひしひしと感じました。
確かに、精神を病んだとき、それが医者にかかっても治らなかったとしても、治りませんといわれても、それが医者の技量のせいだとなかなか思わなかったでしょう、この本を読むまでは。なのに、薬を処方されればきっと飲んでしまいますよねぇ・・・。それに、精神科では医療過誤というのも殆どおきない(おきても患者の方がおかしいということにされて終わりでしょう・・・)から、努力をしなくてもあまり目立たない。
麻生総理大臣のように医者が非常識とは思いませんが、他の職業の人たちに比べて努力家が多いなんていうのも幻想ですよね。精神科に限らず、学校で習った知識とその後の経験だけで、漫然と医者をされてる人もいて当然です(会社だって同じ。いったい何人の人が最新情報に常にアンテナを張っているでしょうか?)。
やはり患者が医者を選ばないとだめなんだなぁ。