本が好き 悪口言うのもちょっと好き

読書日記です。っていうほど読書量が多いわけではないけれど。。。

7年目のセキララ結婚生活 けらえいこ メディアファクトリー

2005-09-11 | エッセイ
 ウチはもう何年も読売新聞なんですが、その理由が2つあります。人生相談と、日曜版の漫画、”あたしんち”(けらさんの作品)です。この本は随分前に友人に貸してもらった事があったのですが、古本屋で400円で見つけてつい買ってしまいました。またちょっと前に新婚の頃の話を書いた”セキララ結婚生活”が文庫で出ていたので買ったのですが、7年目となると、よりパワーアップしていて面白かった。

 最近では小栗佐多里さんの”ダーリンは外国人”が、家庭の中の異文化ってことで生まれてくる日常のコメディで笑わせて頂きましたが、このセキララ結婚生活を読むと、たとえ相手は日本人でも、男と女が生活すればそこは異文化が触れ合う場所なのねと思いました。 ちなみに、ウチもダーリンは外国人ですが、本を読んで”あるある”って思ったのは、ダーリンは外国人よりセキララ結婚生活のほうでした。
 
 やっぱり、女の方が家の中をコントロールしたいっていう気持ちが強いのかなぁ。だから相手のやることがちょっと信じられないわって腹をたてたりしている。でも実は男もそうなんだけど、コントロールしようっていう意識が低いから、まあ見逃してくれてるのかなと思ったりしました。とにかくこの夫婦がおかしい過ぎるのではなく、日常生活ってホントコメディなのよね。

 

バカのための読書術 小谷野敦 ちくま新書

2005-09-11 | 評論

 

 楽しめました。著者が想定しているバカとは、”哲学とか数学とか、抽象的なことが苦手な人たち”です。この本を立ち読みした時に、「それって私のことじゃない!」と思って買いました。が私はまだまだこの著者の想定しているバカのレベルにも達していないようで、まだまだ手の出そうもない本もかなり紹介されてはいました。

 とはいえ、この著者の圧倒的な読書量は、尊敬に値するし、自分自身の価値観を明確にもって、これまで”名作”、”まずは読むべき本”とされていたものを、バシバシ切り捨てるその切れ味は読んでいて心地よかったです。もちろん、かなり辛口で、ひねくれ者にも見えますから友達にはなりたくないタイプですね。

 例えば、”書評を信用しないこと”とあります。もちろん私自身も新聞や雑誌の書評は見ますが、さほど信用してはいません。とはいえ何故信用してはいけないかという説明が面白い。

「今谷(書評をした人)は、以前から井上(書評をされた本の作者)の書くものを面白いと思っていて、どこかで、どこかで褒めたいと思っていた。書評委員をやっていたときにたまたま出版されたのが『狂気と王権』だったので、この本の出来はともかく、井上を褒めたい一心で絶賛書評を書いてしまった」

 言われて見れば、そういうこともあるのかと納得してしまいます。またやはり新刊本の書評はあまり悪いことをかくと、売り上げに関わるから、やはり同じ物書きとして、そいういうことはしたくないというのも理解できますね。 また、ブックガイドなど新刊に限らず自由に推薦できるものは、まだましだけれど、推薦者が実は一般の読者よりも、同業者や専門家の目を意識してしまって、「変に奇を衒ってしまう」ということがあるのだそうです。これも、納得。

 最後にざっと推薦書を年齢、男女別に書きあげられていますが、この部分はホント、順番に読んでみようかなと思われるほど、そこそこ有名な人たちのさほど難解とは思われない作品が、並んでいて嬉しくなってしまいます。この手の本なら結構、古本屋などで安く入手できたり、図書館でも簡単に見つけられたりしそうで、お財布にも嬉しいです。

 なんか今読んでいる本とは違うジャンルのものを読んで見たいけど、何を読めばいいのかなと思うときには、このの本の一番後ろの部分を本屋で立ち読みしてみるといいんじゃないでしょうか。