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遺言。 養老孟司

最寄駅の商店街に本屋さんがオープンして1か月。売り上げに貢献したいと思うのだが、単行本は申し訳程度に20冊くらいしか置いていないし、文庫と新書も本当に小さな棚が2つだけなので、なかなか買う本が見つからずに苦慮している。そうしたなかで見つけたのが本書だ。1冊だけしか置いてなくて、しかもカバーに大きなシミがいくつもついていて、普段なら絶対に買わないのだが、売り上げに協力しなければと目をつむって購入した。題名の「遺言」とは全く関係ない話題に終始している。著者によれば、80歳になって思うこと伝え残したことを、家族旅行の空いた時間を利用して執筆したものとのこと。内容は、感覚的に捉えられる様々な事象を「同じもの」として括るということの意味を考察したもののようなのだが、思考の痕跡である記述が飛んでしまっていてその論理展開にほとんどついていけない。著者によれば「久しぶりに口述筆記でない本を書いた」とのことで、やや語弊があるかもしれないが、筆記者や編集者の有り難さが良く分かる一冊だ。(「遺言。」  養老孟司、新潮新書)

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