Rain Rain Drops

本、音楽、映画など。発作的に書いています

OKSの恐怖 その2

2007-08-27 09:57:01 | 音楽

孤高のライブアルバム、OKS・CD。
映像だとどうしても音が貧弱だし(いいスピーカーでもつなげてれば違うのでしょうが)、何よりついその麗しい姿に目をうばわれて気もそぞろ、なかなか音だけに集中できません。
やはりCDです。

今まで、弾き語りのギターと言えば、アルペジオとか、ストロークとか、スリーフィンガーとかいうのもあったな、それらの組み合わせ、応用、それくらいしか無いものと思いこんでいました。
あくまで伴奏、歌を支えるだけの補助的なもの。と。
その認識は、このCDにカンペキひっくりかえされました。
カルチャーショック (死語?)
彼のこのギター演奏。補助なんてものじゃない。
これは、歌とギター、ふたつの独立したすさまじく高度な演奏のコラボじゃないですか。

そこにもうひとつ、ハープが。
最強のみつどもえ。
おそろしいほど絶妙のタイミングで入り、とどろきわたるハープの音の伸びといったら…もはやこの世のものとも思われず。
どの曲も皆すばらしいですが、特に「月明かりに照らされて」のハープ。
勢いと、妖しさと。
どこから出てくるのかこんなに深く力強く不思議な音が。
これが若干20何歳の若者が出せる音か…若いから出せるのか。わからない。

「アレルギーの特効薬」。
あれはいったい途中で何本ギター替えてるんでしょうか。
だって違うギターの音がするし。
硬質に刻んでた音が途中、いきなり深く響く音に変わるし。
ぞくっとします。あの一瞬。
そして皆を歌わせる時には、突然メカニックなパーカッションの音になる。

…替えてないのね!
同じギターなのねっ!?

! (ビックリゲーション)
? (オッタマゲーション)
!? (シンジラレネイション)
…って、昔大島弓子の漫画にあったっけ。好きなのこれ。

とにかく、音色が自由自在に変わる。
だから音楽全体に大きな大きな立体感が出るのですね。

おりしも先日、ピアノのレッスンに行ったところ、いつものことながら私のあまりの一本調子の演奏ににごうを煮やした先生に、こう言われました。

 指だけで弾いてたら絶対音色は変わりません。
 腕の筋肉、それから背筋を使わなければ音色は変わらない。
 背筋から出す信号を手首で止めてしまったら、だめなんです。

ああそうか。ピアノもギターも同じなんだ。
背筋なのね。要は。
わかった。…頭では。
でも…でも、んーなこと言われたって、どうやったら背筋から出す信号を指につたえられるんでしょうか! 
指で楽譜通り音とるだけで精一杯なのに!
…練習あるのみなのね。しのごのいわず。とほほ。
子供の頃習っていたピアノを再開してはや5年、道は遠いです。

もうひとつ。先生に聞いたこと…
  ピアニストがよく体を揺らして、はいりこんでるような感じで弾いていることがあるけれど、あれはパフォーマンスでやってるわけではなく、自分の出したい音色を出すために一番効率のいい体の動きをしているのです。と。

OKSは、背筋から腕から、全身フルに使って音楽を創り出す、稀有なるお見本だと思います。素晴らしい。
おお、シンジラレネイション!

コメント (8)

OKSの恐怖

2007-08-21 22:27:24 | 音楽

数ヶ月前、2000年OKSのライブ映像を見てドツボにはまった私ですが、そのCDは映像ビデオと同じ音源、と思い込んでいたため聴いておらず、最近聴いてのけぞってしまいました。
ああ、私はまだ甘かった。
ここまでのめって、けっこうわかったようなつもりになっていて、まだまだ彼の凄さを甘くみていたと…

OKS・CD。
なんなのこれはいったい!
あんまり驚き、あまりに感動すると、言葉って出てこないんですよね。
「言葉にならない」
これが最高の賛辞の言葉なのかも。
でもなんとか言葉にしたい。せっかく書き始めたんだから。
がんばってみます。

いきなりストレートな話になるのですが、まさよし君のあの筋肉。
手首から二の腕・肩・背中。あのスバラシー筋肉。
ワタクシは、あれらの筋肉は、ドラムやギターなどの楽器のたゆまざる練習鍛錬の結果生まれたものではないかと信じてうたがわないのです。
それほど練習してきたに違いないと。体変わってしまうほどに。
バレりーナやダンサーは、踊るため以外の余分な筋肉はけしてつけないのだとか。
まさよし君のそれも、音楽するための筋肉です。余分なものはない。
あそこから音楽が生まれる。すばらしい…

そんなふうに、常軌を逸するほどの執着で練習を続けられる、努力を続けられる才能がある、それが天才たるゆえんで、だからこそできる山崎まさよしの音楽。
…これまで、そんなふうに思っていたのですが、CD聴いて考え変わりました私。
これはそんなもんじゃない。
こんなこと、普通の人が150年生きてがんばってみたって、出来ないよ!
出来ないものは出来ない。

バイオリンにくわしいわけでもないんですが、前に葉加瀬太郎のライブ映像見て、あまりのパワーとテクニック、音の切れ方、うたい方、本当におっどろいて感動したことがありました。
比べることは出来ないかもしれないけれど、OKS・CDにはそれと同等のものを感じる…いやはっきり言ってあれ以上の凄さを感じる。
なにしろ単純なことだけとっても、バイオリンはバイオリン一本、こっちはギターにハープに歌にあれこれ、全部。
あれこれの、それぞれのクオリティの高さがもう普通じゃない。
それぞれが、その高い高いレベルでからみあうのです。キセキのように。

これはもう、努力だけでえられるものじゃない気がする。
ヘンな言い方ですが、なにか彼のまわりに「磁場」が出来ているかのようです。
月並みな言葉ですが、持って生まれた何か。
あらがいようもなく、あるのかもしれないですね。そういうのって。

彼は千里眼なのだと思う。
すべて見えてるのだと思えます。
どういう音が、どういう強さで、リズムで、どう重なってどう響いたら、聴く人にどんなふうに伝わるのか。
どんな音のつながりが、人の心をゆさぶるのか。心地よさを与えるのか。
全部わかってしまってる。見えてる。

そのわかっていることを、与えることができる。
それが天賦の才能ということなのかもしれないと思います。

こわいですね。全部お見通しなのですよ。
見通された上で、手玉にとられてます。
すべて手のひらの上です。
いいですね。
うっとりですね。。

これだけの至宝のライブやっても、まだ全部出してないに違いないと、私はひそかに考えるのでもあります。
彼がもしその気になって、その持てるもの全部出して大嵐吹きつけてきたら…想像するとゾッとします。
それはもう、聴いてる私たちの思考も何もめろめろにして、足腰たたなくさせるなんてことくらい、カンタンにできてしまうのじゃないだろうか。
だからそれはやめて、余力を残してるんだわきっと。
ライブ会場に来た人が、ちゃんと立って間違わずに電車に乗って家に帰れるように。
CD聴いた人が、聴き終わったらちゃんと普段の生活に戻って、包丁使ったりしてもあぶなくないように。ぼうっとして白菜を食器棚に入れたりしないように(←経験ずみ)。
良識的ですね。それが大人の良心というものです。

危険なり、OKS。
技術点・芸術点、最高点のワールドレコード。
これを超える人はいるのでしょうか。
やはり御本人が超えるんでしょうか…。

コメント (10)

たばこ

2007-08-04 18:39:39 | 音楽

   風の強い夜は怖い
   あなたの心がさらわれそうで
   思わず強く抱きしめる
   あなたが何も気にしないように
   思い出さなくていい後悔や悲しみが
   私たちを迷わせる
   約束を交わしましょう 今からの日々のため
   あのさよならにさよならを送りましょう
   嘆いてる時間などないから
  
           中島みゆき 「あのさよならにさよならを」から 



中島みゆきがせつせつと歌うバラードです。
色合いは違いますが、「あじさい」の逆バージョンのようにも感じます。
過去の悲しみをひきずる「あなた」と、それを見ている「私」。
せ、せつない……
中島みゆき、すばらしい。かれこれ20数年もファンです。
(このように何か昔からのことを言うとすぐ、十数年、何十年単位になってしまうのがこわい)

悲しみにとらわれている「あなた」は、このたばこの手の彼、と想像します。
とたんに妄想が走り、イメージに酔ってしまい、もうろうとしてしまう。まずい!





 

コメント (15)