続・弓道の極意

私が一生をかけて極めようとしている弓道について、日々の気づきを積み重ねていくブログ

息合いを自然に行うこと

2010年11月03日 | 積み重ね
よく高段者の体配の稽古において見られる光景が、息合いのタイミングを体配に合わせようとしている光景である。

例えば、本座に向かって歩いていく際に、吸って、吸って、吐いて、吐いて、というようにリズムをとって行うように。

初段者の型稽古としては重要な稽古であろうが、高段者となってもこのように、体配に、息合いを合わせるやり方はうなずけない。

正しくは、息合いに、体配を合わせるのである。

なぜ息合いに合わせるのかといえば、呼吸こそ自然のものであり、生命の源であるからである。

当然のごとく、それを止めることはできないし、いわんやスピードをコントロールすることも生命のエネルギーを妨げる要因となってしまう。

したがって、息合いは深い息合いを自然に行い、それに体配、すなわち身体の動きを全て合わせていくのである。

こうすると、息合いの深さによって個人差が出るのは当然のことである。しかし、こういう息合い先行の稽古を続けることで、息合いが深くなっていき、誰もが同じようなタイミングに近づいていくのである。

最終的には、身体的な動きは全て無意識になり、呼吸だけを行って弓を引くような境地にまでなるという。

そういうところを目指すのが弓の道といえよう。