八咫烏神社 ときどき社務の備忘録

旧大和國宇陀郡伊那佐村鎮座・八咫烏神社から発信。
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本殿遷座祭

2010年11月17日 | お祭り
先日、伊那佐山の頂に祭られている
都賀那岐神社のご祭神を
本殿の修理のため
臨時に麓の遥拝所に
遷座したことを書きました。

その続きの話なのですが、
過日、本殿に遷座するお祭りを
滞りなく斎行することができました。

当日は天候が危ぶまれる曇り空のもと
神社の役員さんほか計6名に参集いただきました。

先日の仮殿遷座祭では
2名の役員さんと共に
神様にお移りいただく手助けをしてもらったのですが
いかんせん
本殿内の神様は想像以上に多く重たく
たいへんなご負担をかけてしまいしました。

それで今回は声がけしていただき
6名参集いただいた次第です。

本来、遷座祭といえば
宵闇で行い、ご祭神の影も人目に触れさせない
厳粛なお祭りであるべきものですが、
登山をともなう参道を行ったり来たりすることは
本来的なお祭りの大きな妨げになります。

何より、神様を無事に遷座させることを第一に考えると
ムラの役員さんたちの協力なしに成し遂げられません。

そんな訳で麓の遥拝所で
午後3時前に
ひとしきり行事をおこなった後、
皆で山頂の本殿へと参進(登山)しました。

相変わらず下駄で登山の僕を見て
役員さんたちは「神主さん、すごいな!」と
お褒めいただいたりするわけですが
なんのなんの。
本当にすごいのは、この下駄です。
とりわけ、登り道はスニーカーなんかより
よほど具合がよろしい。
一歩足を進めるごとに
大げさながら「先人の叡智」を感じてしまいます。

さて、本殿前に到着の後
休憩もそこそこに役員さんたちは境内を清掃。
その間、僕は神饌を整えました。
そして、いよいよ本殿遷座祭を斎行しました。

今回、臨時ながら遷座祭を斎行したことで
僕にとっても氏子さんたちにとっても
始めてわかったことや気付いたことが多々あり
ある種のトラブルによってもたらされた祭ながらも
とても有意義なことだったと思います。

これも神様の思し召しだったのかもしれませんね。