現代視覚文化研究会「げんしけん」

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赤ずきん、ヴァル、明けない夜はないのだから・・・その笑顔を信じて・・・。

2007年02月04日 18時56分04秒 | アニメ・映像全般
 人はもっと優しくなれるはず。狼族も人間も命の輝きに何も変わりはない。背を向けたままの【赤ずきん】。【ヴァル】も今は何も語らない・・・。【赤ずきん】は、笑顔も、優しさも失って行く。そして、三銃士の絆さえも・・・。【草太】たちは、ただ待っているしかなかった。それだけに【赤ずきん】と【ヴァル】には重たい11年間だった。
 夕方。いつもならば楽しい食事の時間なのだが、【赤ずきん】も【ヴァル】もみんなから離れている。【りんご】と【白雪】にとってもはり合いのない食卓になる。【草太】は、そっと【ヴァル】の隣に座る。とても夕焼けが綺麗だった。【ヴァル】は語り出す。自分の出生の秘密。【ジェド】の屈折した誇り。ヴィーゼ村に母と身を隠した理由。【ヴァル】は全てが自分の責任だと言う。それは【ヴァル】と母親が村を訪れた時から・・・。村での楽しい生活。幼い【赤ずきゅん】との出逢い。生命の大切さ。【ヴァル】は自分の境遇を【赤ずきゅん】の笑顔に救われていたのかもしれない。しかし、その幸せな時は失われた。【赤ずきん】の母親の誕生日に起った。村から上がる火の手。逃げ惑う村人たち。【赤ずきん】は泣いている。無理もない、それだけ幼いのだった。状況を呑み込める訳がなかった。守れるのは【カイン】だけ、燃え盛る炎の中を抱かかえて進む。【カイン】は【赤ずきん】の両親、自分の母を助ける為に一人、村に戻る。泣き叫ぶ【赤ずきん】に言う。「お前の笑顔はお日様みたいだ」と・・・。必死に笑顔を作る幼き【赤ずきん】。村に着くと、すでに【赤ずきん】の両親は・・・。そして、聴こえる母の声。【ジェド】と対峙していた。【カイン】も銀狼となり、立ち向かうが力の差は歴然としていた。【ジェド】の汚れた正義の前に【カイン】は母と共に・・・。
 暗闇。「おおかみさん・・・」と優しく呼ぶ声がする。目を開けると、そこには【赤ずきん】がいた。村を襲われ、怒れる村人たちからかばってくれた【赤ずきん】は、泣きながらも笑顔だった。まだ、三歳で両親を失った悲しみ。それを背負っている笑顔。【カイン】は、ショックの為に人間の姿に戻れなくなってしまった。【カイン】は誓った。狼として、彼女のそばにいる事を・・・。この身に代えても守る事を誓った。【ヴァル】は、全てを語った。それは【草太】だから。【フェレナンド王】に似ている【草太】だから全てを話せた。

 『草太・・・お前になら・・・頼める。赤ずきんの事・・・』

本当に【赤ずきん】を支えられるのは【ヴァル】だけのはずなのに・・・【ヴァル】は【ジェド】との決着をつける為に死を覚悟していた。
 夜。【ヴァル】がいなくなる。全てに、【ジェド】との因縁に決着をつける為に一人で立ち向かう。【赤ずきん】を守る為に・・・。大切な存在がいなくなり、初めて気づく事もあるだろう。【ヴァル】は、いつもそばにいてくれた。いつも一緒だった。いつも一番に考えてくれた。だから、行かなくちゃ。【ヴァル】の想いに応える為に・・・。【赤ずきん】は【ヴァル】のもとへ走り出す。その表情は笑顔だった。
 傷つき倒れる【ヴァル】。そこに助けに入る【赤ずきん】。今度は【ヴァル】に追いついた。もう【ヴァル】だけで先に行く事は許さない。【赤ずきん】も一緒に進むのだ。【赤ずきん】は【カイン】も【ヴァル】も全てを受け入れた。今度は【赤ずきん】が【ヴァル】を守る。【赤ずきん】と【ヴァル】が揃えば【ジェド】にも負ける事はない。2人が揃えば、その力は何倍にも、何百倍にも、その可能性は無限大なのだからね。2人の想いの前に倒された【ジェド】は谷底に消えて行った・・・。
 見つめ合う。『一緒じゃなきゃ、嫌だよ』と笑顔だった。【ヴァル】に微笑みかける。【ヴァル】も『おう』と応える。【赤ずきん】が元気で、笑顔ならば、それだけで良かった。過去がどうであろうとも、大切なのは今なのだから・・・。【赤ずきん】と【ヴァル】の絆は、さらに固く。さらに強くなって行く。そして、明けない夜はない。もう大丈夫だろう。また、どんな悲しみの夜が来ても、【赤ずきん】は、【ヴァル】と、【草太】と、みんなと、一緒に乗り越えて行けるだろう。そう、願い続けるのだった。