ポケットの中で映画を温めて

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『上海から来た女』を観て

2018年07月25日 | 戦後40年代映画(外国)
『上海から来た女』(オーソン・ウェルズ監督、1947年)を借りてきて観た。

宵のニューヨーク・セントラルパーク。
散歩中のマイケルは馬車の女性エルザを見そめる。
その直後、マイケルは彼女の悲鳴を耳にし、駆けつけて暴漢をやっつける。
彼が助けたエルザは、弁護士で資産家のバニスターの妻だった。

マイケルが船乗りであると知ったエルザは、自分の船で働いてくれないかと頼む。
エルザの申し出を断った翌日、仕事斡旋所に来ていたマイケルのところにバニスターが来て、結局マイケルは雇われる。

豪華なヨットは、カリブ海からパナマ運河を抜け、メキシコ沿岸からサンフランシスコへと航海する。
そしてその途中で、グリズビ-と名乗るバニスターの同僚も乗り込んでくる・・・

物語は、マイケルが自分の身に起きたことを語るナレーションで進み、
その当人のマイケルは、何故あんなことをしてしまったのかと後悔し、その内容が徐々に明らかになっていく。

その内容とは、ふとしたキッカケで殺人事件に巻き込まれ、その男がたどっていくサスペンス・スリラーの趣きである。
それは、マイケルたちがサンフランシスコに到着した以降に、明らかに事件としての様相を帯びてくる。

グリズビーが、マイケルに5000ドルで自分を殺せと持ちかける。
と言っても実際には殺した振りだけで、結果的に死体がなければマイケルの殺人は成立しないから大丈夫と言う。
それに、保険を掛けているグリズビーの方も、別れないという妻から開放されると、誤魔化す。

それを承諾したマイケルだったが、そのグリズビーが実は死体で見つかったことで、殺人の嫌疑で裁判に掛けられていく。
この裁判でマイケルの弁護人を務めるのがエルザの夫バニスターで、彼はマイケルが妻を好きだということが解っていて、内心マイケルを有罪にしたがっている。
そのためマイケルは、益々不利な状況になっていく。

製作・監督・脚本はオーソン・ウェルズ。
オーソン・ウェルズといえば、当然『市民ケーン』(1941年)。

結末としてのジョージ殺しの犯人の動機にイマイチ納得できないが、不幸なことにこの作品は、会社の意向によって1時間もカットされズタズタにされてしまったと言うから、正当な評価はやはりできないのではないか。

しかし映像的な魅力でいえば、水族館を背景としたシーンとか、特にラストの遊園地でのクレイジー・ハウスから鏡の部屋の、そこに展開される映像マジック。
この「鏡の部屋」のシーンは、ブルース・リーの『燃えよドラゴン』(1973年)のあの鏡の間の対決シーンへと引き継がれていく。
そのようなことを考えれば、やはりこれは偉大な作品であることに間違いない。
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