放浪日記

刮目せよ、我等が愚行を。

モグモグ隊台湾遠征 第8話

2017年04月03日 | モグモグ隊

モグモグ隊台湾遠征メンバー
(を):をきな氏
(や):やはぎ氏
(に):にいや


(や)の鍵紛失未遂事件によって、大幅に朝食時間が遅れてしまった。
こんなときは、いつにもまして美味しい飯をかっ食らい、1日のスタートとしたい。

昨日、宜蘭の市場を探索していた際に、気になる店を見つけていた。





一香飲食店
http://www.1812.com.tw/ixiang/

昨日の昼、薄暗い市場の狭い通路には、地元の人が行列をつくっていた。
ただ、あまりの人の多さで並ぶのを諦めたが、きっと美味しいに違いない。
朝から営業していることは昨日店の前に書かれていたので、本日の第一食はここに決まり。

宿から徒歩10分。市場に到着。
まだ午前中とあって市場は本格稼動していたが、我々の目的は市場にはない。
行列の店の前に着くと、まさかの満席。行列はないものの、席には着けず、行列の先頭となって大人しく前へならえで列を作る。
昨日は確認できなかったが、どうやら店のメニューは餛飩(ワンタン)と麻醤麺(特製芝麻醤を使ったまぜそば)しかないようだ。店の中の人すべてがそのどちらかを食べている。
昨夜のローカルファストフード店とはえらい違いで、待つこと数分で着席。回転率もよい。これこそが台湾のファストフードではないか。

当然、看板メニューの両方を注文。

まずはワンタン麺。



ワンタンがとってもジューシー。
塩ベースでしっかりと出汁がきいた薄味のスープは胃にもやさしく、朝食にピッタリ。
「ナイスチョイス!」
「んめーーーー!」
オッサン三人が丼を奪い合いながら麺をすすり、ワンタンを喉に流し込む。
一杯のかけそばであればお涙も頂戴できるかもしれないが、一杯のワンタン麺となれば畜生の所業。周りの迷惑を顧みず、いまはただ眼前の丼と対峙するのみ。

そして、続いて麻醤麺も到着。




混ぜる前

混ぜた後





「ガッ!」
一口食べた(を)が謎の悶絶。そして以降何も発することなく、ひたすらに麺を貪り食った。
(や)も(に)も、(を)のまさかのジャイアン的一人占めに驚愕。
かわいい後輩二人を前にして、占有するとは、よっぽど美味しいのだろう。
しかし、食べられないほどに食べたくなるのは人の性。(を)が満足して食べ終わる頃には、もう麺が残っていない可能性大と素早く判断し、もう一杯の追加注文。
地元客の見よう見まねで、しっかりと芝麻醤を麺に絡め食べてみると、口の中に芝麻醤のコクと旨味が広がった。
これは美味い。確かに一人占めしたくなる気持ちも分かる。
(や)と(に)が碗を交換させながら麺をすすっている目の前で、すっかり食べ終えた(を)が爪楊枝をくわえながら二人を見て、「まさにモグモグやな」と一言。
あんたのせいでこうなってるんやで。


その後ホテルに戻り、チェックアウト。
宜蘭駅へと向かった。




駅の裏側は、台湾のどこにでもある駅舎の風景。

今日は、まず礁渓温泉に行き、ひとっ風呂浴びたあと、港町・基隆に向かう予定。
宜蘭から礁渓温泉までは鉄道で30分程度。バスも頻繁に出ているようだったが、温泉街は鉄道駅の正面にあるということだったので、鉄道をチョイス。





台湾では駅のホームのことを「月台」と書く。
どことなく風情を感じますな。

三者三様の愉しみ方をしながら月台で汽車を待つ我々。
電車好きの息子を持つ(を)は、愛息のためと、やたら電車の写真を撮りまくっていた。
軍事マニアの(や)は、人気の少ない駅や線路をしみじみと眺め、日本統治時代が云々とひとりごとをつぶやいていた。
これまでに何度も台湾鉄道に乗ったことのある(に)は、木のベンチに座り、二人の様子を介護士のようなまなざしで眺めていた。

そして汽車が定刻にやって来て、何の苦労もなく礁渓温泉に着いた。




礁渓駅のホーム。
雨が降ったりやんだり。




駅前の通りは、温泉街の情緒を醸す。
夏場であれば駅前に足湯があるとのことだったが、残念ながらこの時期は空っぽ。
すでに我々の頭の中は、温泉一色。




駅前からしばらく歩くと見えてくる温泉街の看板。
ホテルも多く、公園化している敷地の中には公衆浴場もある。
事前にネットで調べていた、こぎれいな温泉に行こうと探し歩いていたら、公園の一角にやたらオヤジたちが出入りしているところを発見。
何だろうと覗き込むと、コンクリートの壁の向こうには素っ裸のオヤジたちがわんさか。
みな至福の表情で湯船につかっている。
料金所なども見当たらず、どうやら無料の温泉のようだ。
有料と無料なら、そりゃ無料のほうがいいでしょ。ということで、我々も突撃。
まわりをうかがっていると、親切なオヤジ(全裸)が服を脱いで湯船につかるがよかろうと教えてくれた。
ありがたや、ありがたや。
素早くすっぽんぽんと我々は、パンツを放り出すや否や、プール状の湯船にドッボーン!

「あっつーーーーーーーーーー!!」
「熱!」
「聞いてないよーーーー!」

まさかの熱湯風呂三連コンボで、ゆでだこのオッサン三丁あがり。
それを見て、にやつく地元のオッサン(全裸)。
どうやら源泉をそのまま湯船に流しているようで、とんでもなく熱い。
45℃はあるんじゃなかろうか。
こんな熱さに耐えられるなんて、台湾人恐るべしと、風呂べりで真っ赤になった足をさすりつつオッサンどもを観察すると、ちょっと入っては出てを繰り返していた。
そういう入り方をするのかと納得し、我々も右へ倣えで、台湾オッサン式全裸入浴法を実践。
次第に身体も慣れてきて、少しずつ長湯ができるようになってきた。

「ええ湯やなー」と日本全国の温泉をバイクで巡った(や)は、早くも極楽モード。
「あ、ビバノンノ」と(に)もそれに応える。
そして我らがリーダー(を)は、


すでにパンツを履いて、帰り支度を始めていた。



「熱いやんか、ほんまに。無理無理」
温泉でテンション上がっていた先ほどが噓のように、光速で服を着て、そそくさと温泉から出て行ってしまった。
「俺、タバコ吸ってるから、ゆっくりでええで」


その後、言葉は通じないまでも、地元のオッサンと裸のお付き合い。
ついているモノは国境を越えても皆同じ。
すっかり地元民化した二人は、礁渓温泉を堪能したのだった。


そして、風呂上がりといえば、



おビール!




近所のスーパーに駆け込み、チンカチンカのルービーを瓶で3本。
生と書かれている台湾ビールは、製造18日以内のもので、正直これが一番おいしい。
そして風呂上がりという最高のシチュエーション。
これ以上の台湾ビールがあろうか、いやあるわけがない(反語)。
さらに(や)が、昨日酒蔵で購入してきたネギ煎餅を、惜しげもなく投入。ご当地スナックを肴にもう一本、もう一本と、スーパーの軒先に設けられたイートインスペースで、酒盛りを始める我々。

昼間から酒盛りを始め、日本語でご陽気に語り合うモグモグ隊の姿を、スーパーを訪れた地元の買い物客は冷たい眼差しで見つめるのだった。


(続く)

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2 コメント

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久しぶり! (町蔵)
2017-04-16 15:34:20
ふらりとブログのぞいてみたら
モグモグ隊の記事が大量にあったので
楽しく読んでおります。
これからの展開も期待しておりますよー。
返信する
Unknown (にいや)
2017-04-17 09:52:50
町蔵さん>
ご無沙汰しております。お元気ですか?
ひっそりとブログ継続しております。モグモグ隊は不惑を目前に膨満感との闘いになっておりますが。
またお時間ある際に覗いてみてください。
返信する

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