燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医徳田安春の最新医学情報集。問診、フィジカル、医療安全、EBM、臨床研究に強くなれます。

皮膚と指

2022-10-17 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。     糖尿病性リポイド類壊死症をラテン語ではNecrobiosis Lipoidica Diabeticorumという。   糖尿病に特徴的な下腿前面の皮膚病変。   境界線が明瞭な、どす黒い色の平坦な硬い病変として始まる。   その後、徐々に光沢を帯び、萎縮する。 潰瘍を形成するものもある。 & . . . 本文を読む
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アジソン病の皮膚

2022-10-14 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。     アジソン病では、粘膜の色素沈着を認めることがあるので、口腔粘膜、特に頬の粘膜をよく観察するとよい。   手術痕などの瘢痕部にもよく色素沈着をきたす。   複数の手術を過去に受けていた患者で、1つの手術痕のみに色素沈着が認められた場合にはアジソン病の発症は色素沈着をきたした手術痕に関連する手術の前後であったこと . . . 本文を読む
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内分泌疾患の皮膚

2022-10-13 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。     原発性甲状腺機能低下症の皮膚は荒くて乾燥している。   対照的に下垂体前葉機能低下症による甲状腺機能低下症の皮膚は細かい。   タバコ紙のようにシワがよってみえることもある。   50歳未満の甲状腺機能亢進症では暖かくて細かい皮膚をみる。   これは湿った皮膚でもあり、赤ん坊の肌に . . . 本文を読む
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呼気臭

2022-10-12 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。   糖尿病性ケトアシドーシスの特徴的な呼気臭である。   飢餓性のケトアシドーシスでは脂肪の十分な燃焼がないためにアセトン臭はきたさない。   純粋なアセトンの香りは果物様ではないが糖尿病性ケトアシドーシスの呼気臭は果物様である。   純粋なアセトンの香りはネイルサロンで用いられるネイルカラーの脱色剤(除光液)の香りで . . . 本文を読む
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体型と財布生検

2022-10-11 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。   慢性的な体重の増減については患者さんのベルトを観察するとよい。   これをベルト徴候と呼ぶ。   ベルトに新しい穴ができている場合や、使用されてる穴が変化している跡がないかどうかを確認する。   クッシング症候群の特徴的な体型は中心性肥満とバファローハンプ(首の後ろのこぶ状隆起)である。   赤紫色の . . . 本文を読む
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内分泌疾患のフィジカル診断

2022-10-07 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。   内分泌疾患疑いの患者さんでは全身を診察する。   頭髪や眼、口の中、頸、そして指の長さなど、診断のための貴重なヒントが隠れていることがある。     患者さんの財布の中身もみる。   お金ではなく昔の写真をみて、現在の顔貌などと比べるのだ。   これを財布生検とよぶ。   & . . . 本文を読む
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平静の心

2022-10-06 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。     メタ認知機能の活動条件は、感情的興奮や疲労困憊のない状態であり、約100年前にオスラー先生が医師の最高資質として述べた「平静の心」(aequanimitas)である。   これはスポーツ心理学で言うところの「ゾーン」、禅における「不動智」だ。   「メタ」とは「上位の」「上級の」という意味。   . . . 本文を読む
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メタ認知(metacognition)

2022-10-05 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。   臨床現場でエキスパートはどのように診断推論を行っているのであろうか。   直観的推論を主体として、必要に応じて分析的推論を行っているという二重推論が作動していると考えられている。   しかし、最新の脳科学では、脳内に管制官的なコントロール室があり、推論方法の使いわけを指令していることが示されている。   これはメタ . . . 本文を読む
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分析的思考のやり方

2022-10-04 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。   代表的なものに、「解剖×生理マトリクス(行列)法」と「条件付き確率法」がある。   前者は、症状がある部位の臓器リスト(行)と病態生理リスト(列)による行列を作成することで網羅的な鑑別診断を挙げることができる。   この方法に慣れてくると、脳内思考プロセスでこの行列を想起して、鑑別診断を次から次へと挙げることが可能と . . . 本文を読む
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分析的思考(analytical process):システム2

2022-10-02 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。明日3日は午前中に所用ができましたので、この時間にお届けします。   直観的思考はシステム1とも呼ばれ、迅速で芸術的であるが、時にバイアスがかかる危険性がある。   バイアスとそれによる推論の早期閉鎖(premature closure)は診断エラーの主要な原因である。   バイアスを避けるために勧められている思考として、分析的思考( . . . 本文を読む
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