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慢性蕁麻疹に対してのルーチンの血中総IgE値や特異的IgE検査は勧められるか?

2021-03-31 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。

 

前回クイズの答え:1
 
 
ポイント:特発性の慢性蕁麻疹に対してのルーチンの血中総IgE値や特異的IgE検査は勧められない。
 
 
解説:ほぼ毎日出現し6週間以上続く蕁麻疹を慢性蕁麻疹という。
 
成人女性に多い。
 
 
90%以上が原因アレルゲンは不明であり、これを特発性蕁麻疹という。
 
 
心理的および身体的ストレスが誘因となることもある。
 
自然軽快することが多く、3050%は1年以内に消失する(平均2~5年)。
 
 
慢性蕁麻疹において、病歴で疑われていない抗原について特異的IgE検査で陽性となっても、それが原因であるとはいえないことが多い。
 
そのため、ルーチンの特異的IgE検査は勧められない。
 
 
血算とその分画およびESR(赤血球沈降速度)は鑑別診断に有用である。
 
好酸球増多症があれば、寄生虫疾患やアトピー性疾患の可能性を考える。
 
ESRの上昇があれば、膠原病とその類縁疾患などの炎症性疾患を考える(表)。
 
 
表:慢性蕁麻疹でESR上昇があるときに追加する検査
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
クリオグロブリン
 
B型肝炎HBs抗原
 
HCV抗体
 
補体
 
血漿蛋白電気泳動
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 
 
蕁麻疹性血管炎や全身性エリテマトーデスなどでも蕁麻疹様皮疹を呈することがある。
 
 
甲状腺疾患が関連していることもあり、甲状腺刺激ホルモンの検査を行うことを勧める専門家もいる。

 

 

写真:南城市

 

 

 

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