総合診療医からの健康アドバイス

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インフルエンザ迅速抗原検査の弱点とは

2018-05-23 10:43:25 | 医療情報
 皆様こんにちは。総合診療医からの健康アドバイスの時間です。
 今日の沖縄は晴れ時々曇り。気温は30度と真夏日です。予報だと午後から雨だそうですが、そんな気配は感じられません。よく晴れてます。しかし、学生が記者会見を開くような世の中になってきたのですね。大人は何処へ行ったのでしょうか。では、本題へ。
 
 
 
 
 日本におけるインフルエンザ患者の受診理由には、もう一つ問題があります。
 
 
 
 
 検査目的の受診です。
 
 
 鼻の奥に綿棒を挿入して鼻汁を採取して行う、インフルエンザウイルス迅速抗原検査です。
 
 
 
 
 しかし、この検査には欠陥があります。
 
 
 検査の感度が低く、偽陰性(見逃し)の割合が多いということです。
 
 
 これまでの臨床データによると、感度は60から70パーセント程度という結果が出ています。
 
 
 すなわち、この検査では30から40パーセントのケースはインフルエンザ診断が見逃されるのです。
 
 
 
 
 多くの職場でこの検査で陽性結果が出なければ病気休養を取れないというルールを設定しています。
 
 
 このルールには2つの点で問題です。
 
 
 
 
 一つは、インフルエンザにかかった可能性がある健康な人々を医療機関に行かせることで二次的な感染拡大を促している点。
 
 
 
 
 そして二つ目は、この検査で偽陰性結果(見逃し)となった人々に病気休養を与えずに職場での勤務を続けさせ、職場内の他の人々にも感染拡大を広げてしまう点です。

 

 

こんないい天気の日のクルージングは最高でしょうね

 

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