廣い 野原の 眞中で、
たつた一人、
さゝやかな 小川の 白い流を前にして、
私は この朝に たゝずんでゐる。
このやうな瞬間だ。
人間に生きることを教へるのは――
見渡すかぎりの擴がりは
光と露にみちてゐる
私の喜びは 光となつてもつれ、
私の呼吸は 微風となつてそよぐ。
恐ろしい昨夜の回想よ、
火と煙と呻吟と沈黙と・・・
然したつた一夜の廻轉(かいてん)は
地球をこんなにも美しく飾る。
私がいま生きてゐるといふことが
どう考へても不可解だ。
世界がこんなに整つてゐるといふことは
奇蹟のやうに不可思議だ。
それにしてもあの阿鼻叫喚の中で聞いた赤坊の泣聲は・・・
時は七時―――
泉のやうに湧きあがる生命感と
流れてゆく白い水と・・・
たつた一人、
さゝやかな 小川の 白い流を前にして、
私は この朝に たゝずんでゐる。
このやうな瞬間だ。
人間に生きることを教へるのは――
見渡すかぎりの擴がりは
光と露にみちてゐる
私の喜びは 光となつてもつれ、
私の呼吸は 微風となつてそよぐ。
恐ろしい昨夜の回想よ、
火と煙と呻吟と沈黙と・・・
然したつた一夜の廻轉(かいてん)は
地球をこんなにも美しく飾る。
私がいま生きてゐるといふことが
どう考へても不可解だ。
世界がこんなに整つてゐるといふことは
奇蹟のやうに不可思議だ。
それにしてもあの阿鼻叫喚の中で聞いた赤坊の泣聲は・・・
時は七時―――
泉のやうに湧きあがる生命感と
流れてゆく白い水と・・・