6月に入って太陽を見たのは何日になるだろうか。リラ冷えの寒さに加えて、連日の鬱陶しい気象が続いている。梅雨がないというのが北海道の常識ではあるが、実は蝦夷梅雨と呼ばれる独自の呼び名がある季節でもある(2012年7月6日のブログ参照)。いまはまさに蝦夷梅雨の真っ最中なのだ。道東の山々は蝦夷梅雨に濡れて季節の時を刻んでいる。寒さは別にして、この湿り気は山の自然には大切な栄養剤。彼らの日々の成長にはやはり欠かせない。立ち込める濃霧、降り注ぐ小雨、人間には不向きな気候だが、これはこれで意味のある自然現象なのだ。しかし、ちょっとばかり寒い。
夏至も過ぎた。道東の夏はこれからが本番。台風4号が去った後、真夏日にうだる関東地方の人には信じられないだろうが、いまの道東は最高で13度。朝晩は7度ほどしか気温はない。涼しいを通り越して寒い。今年のリラ冷えはちょっと長いようだ。
(上左:カラマツソウ、上右:ヤマブキショウマ、下左:コンロンソウ、下右:トキワハゼ)
雨の切れ間に山へ出かけてみた。長雨で傷ついたのだろうか、エゾカンゾウの花弁が裂けるように割れていた。蕾には雨に滴が光って流れていた。これが自然のままの美というのだろう。咲き誇る花々の美しさとは、別の姿を見せているかのようだ。
雨にぬれた自然の姿もいいものだ。コリンゴの花弁が散って、フキの葉の上に。まるで舞い落ちる花びらを大きな腕を広げて受け止めているようにも見える。
白い花々が緑の中で声をあげているかのようだし、黄色い花はちょっとおしゃれなレディにも見える。適度な湿り気は山の自然をいっそう賑やかにしていた。
(上:ミヤマガラシ、中:レンガツツジ、下:クサノオウ)
季節外れの寒さや長雨の鬱陶しさにクレームをつけるのは人間だけだな。文句など言っちゃいけないよ、と、野花に言われたようだ。
今年は太陽活動が不活発だそうで、「その分地球に宇宙線が降り注ぎ、結果として雲の製造が活発になってる」
そんな科学番組を池上彰が解説してました。
蝦夷梅雨、文字面と響きはいいですが、勘弁してほしいなぁ。
あ、ところでカメラは退院してきましたか?オイラのは入院が必要のような、そうじゃないような…。
カメラは無事退院しました。いつでも山に行きたいのですが、天気が悪く、思うように写せません。残念です。
今週末、天気が良ければ川湯のイソツツジをと思っているのですが、だめかも。今年としてはたぶん最後のチャンスなのですが。