Shirakuのモノローグ

矢坂芝楽の日々あれこれを綴ります

桜と雪

2018-04-11 22:18:00 | 日記
今から20数年前になると思いますが、彦根市の鳥居本で飛鳥時代の製鉄遺跡が見つかり、調査がされました。
この時は、私は鳥居本の方との付き合いはなく、この事を後に知りました。

そして2年半前、この遺跡発掘調査を元にしたお芝居であります「龍人の樹」を劇団すずまるで上演させて頂きました。

稽古の合間に、その時のカンパニーで、今は埋め戻された遺跡があった場所を訪れ、その後で鳥居本から約10㎞ほどある山の上の比婆神社へ行きました。

この時、私は二度目でしたが、以前に訪れた時も、この時も神秘的な感じに思えました。
古代より「山には神が宿る」と言われておりますが、やはり山へ登ると、本当にそんな気になります。

「龍人の樹」では、特に舞台となった場所の地名は出しておりませんでしたが、モデルとなったのは確かに鳥居本でございます。

で、先日の日曜日、筍掘りに行った後、友人の提案で比婆神社へと行きました。
雪解け後の荒れた狭い山道を車で上って行きましたが、助手席に乗っているだけでも生きた心地がしませんでした。
ですが、比婆神社へ着くと、やはりその神秘性に心を奪われてしまいます。

社殿へと向かう鳥居の手前には桜が花を咲かせておりまして、見上げておりますと、上からチラチラと何やら降ってまいりました。
「花弁が散っているな」と思いましたが、何かちょっと違う。
冷たい……



よく見ますと、降っていたのは、なな何と……
雪であります。



この日は寒い日ではございましたが、まさか雪が降るとは……

神秘的な場所で、更に神秘的な出来事。
桜と雪を同時に見る事など、生まれて初めての事でありました。
この光景に出逢えた事は、私にとっては奇跡の様なものでありました。
この光景は、おそらく生涯忘れる事はないでしょう。



「龍人の樹」には“龍人”と呼ばれる命の精霊が登場します。
物語の中では、その“龍人”は古代において人間と共存していたという設定でした。



自分が書いた脚本ではありますが、何となくこの光景は“龍人”からの贈り物だったのかなと思ってしまいました。

私も来年は50歳になりますが、いくつになっても心の中にファンタジックなものを持って生きていきたいと思います。