最初に農業生産法人 有限会社 神内ファーム21を視察しました。創業者の神内良一氏は、北海道の農業にとって、冬を克服し、夏を制することが重要な課題との理念のもと、北海道農業の改革、その一つの鍵が「農業の企業化」であると事業展開されました。地域・形態別の農業モデルをベースに食糧産業として生産から流通、加工、販売までを視野に経営的視点から見つめ直し、魅力ある地域産業として取り組んでいました。また、21世紀の農業企業化モデルの開発を目的として「財団法人北海道農業企業化研究所」、農業者育成の為の「夢現塾」をそれぞれ設立しています。大手消費者金融会社創業者で大成した方ですが農業開拓の夢を実現する為に会長引退後に私財を投じて事業展開した勇気と行動力に感動を覚えました。
次に、産業技術を用いた新しい農業を展開している(株)エア・ウォーター農園を視察しました。既存の産業ガスやケミカルなどを活用し野菜工場を運営しています。地域の農業者や販売ルートの大手食品メーカーと連携・融合して持続性のある農業分野の新しいビジネスモデルの確立を目指していました。
続いて、独立行政法人 水産総合研究センター北海道区水産研究所を視察しました。日本では、主要水産資源の減少や漁価の低迷に加え消費者の魚離れが進むなど、厳しい情勢が続いている現状を踏まえ同水産研究所では北海道を含む亜寒帯海域の高い水産力を守り、持続的な生産を可能にするため、関係機関と連携して研究開発に取り組んでいました。国際資源であるさけます類の河川生活期から沖合生活期を経て回帰・産卵に至る全生活史を対象とした研究開発及び個体群維持のためのふ化放流を実施し、サケの安定した来遊に向け、ふ化放流のリスク軽減と効率化、来遊数変動要因の解明と資源価値の高度化等に取り組み、また、野生魚とふ化放流魚の共存のための管理手法の開発に取り組んでいました。耳石に刻まれた年輪により、ふ化した国や魚年がわかることに驚きとともに研究開発の努力を感じました。
稚内に移動し「稚内メガソーラー発電所」を視察しました。平成18年から独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「大規模電力供給太陽光発電系統安定化等実証研究」の施設として整備され、平成23年3月18日を持って5年間の研究が終了しました。その後はNEDOから稚内市が無償譲渡を受け維持管理し、経済産業省から認定を受けた「稚内次世代エネルギーパーク構想」の中心施設とし、発電した電力を公共的に使用している。
移動中に風力発電施設の近くで撮影