第5 事故現場道路写真(甲66)の撮影
1 平成11年10月29日,入院中の熊本赤十字病院から玖珠警察署に間ノ瀬
巡査部長を訪ねた帰途,進行方向の左側,道路の南側の草地の東端に駐車し,
その位置から西へ歩き,カーブの頂点付近で引き返し本件事故現場を撮影した。
2 この紙(甲82)よりも若干小さいぐらいの標板は,ヘヤピンカーブの丁度
(曲がりの頂点ぐらいのところ)その衝突地点のすぐそばにはなく,衝突地点
より45メートル前後別府よりにあった。
第6 自衛隊の対応(2)
1 平成11年11月1日に,横浜市の000病院に転院し,同病院医務課の事
故担当者の助言もあり,転院を通知するため古澤防衛庁事務官に電話した。
「にし」と名乗る女性が応対し,古澤は出張で当分帰らないと述べたので,転
院先を伝え古澤が帰ったら連絡するように依頼した。以来古澤を含め自衛隊か
らの連絡はなかった。
第7 警察の対応(2)
1 平成11年11月4日横浜市の市民相談室で交通事故相談員(元警察官)に
玖珠警察署に出頭しなければならないか聞いた。答えは,遠隔地であり通常出
頭は要求しない,任意であるので出頭しなくてもよいとのことであった。
2 同月11日間ノ瀬巡査部長から自宅に電話があった。現場見分及び供述書作
成のため玖珠警察署への出頭を求められたが断った。
3 同月15日玖珠警察署の出頭通知書(葉書)を受け取った。大分県警察本部
の総合相談室に電話し任意出頭であることを確認のうえ,間ノ瀬巡査部長に電
話し出頭を断った。同部長は「出頭してくれないのであれば,(強制捜査を含
めた)然るべき措置を検討せざるをえない。」と告げたので,私は先日電話で
話をしたとおりです。然るべき措置を採ってください。」と申立てた。
第8 小野寺からの電話(甲75)
1 平成11年11月18日交通事故証明書を自動車安全運転センター大分県事
9/18
務署長に郵便で申請し,同年12月3日に自宅で受け取った。
2 同事故証明書に小野寺の電話番号が記載されていたので同日電話した。
小野寺の兄と名乗る人が応答し小野寺の不在を告げたので,当方の電話番号を
告げ連絡するよう依頼した。
3 平成11年12月8日夜小野寺から電話があった。その時の会話を録音し,
平成13年8月21日私が反訳した(甲75・録音内容反訳書(2))。
4 小野寺の発言のうち私の注意を引いたのは下記のとおりである。
(1) 事故当日の小野寺の動静
(で,警察に出頭されて調書を取られましたか。)「一応取られましたけ
ど。」・(そのままその日は,現地に行かれたのですね。)「そうです。」
(何時ごろ行かれました?)「ちょうど3時頃ですかね,そのままあの丁度
お宅が事故があってそして小国病院に行かれたでしょう,そして後,病院の
方に行って,それから演習に行ったですからね。」
(2) 衝突位置
(事故を見られてどういう、実はですね僕もあまりはっきり覚えていないの
ですよ。)「ああ、その時うちの隊員が写真を撮って、警察も撮っているん
だけども、出羽さんがちょうどカーブのところをバイクで来られたでしょう、
そん当たったときですね、バイクの前タイヤがですね、うちのトレーラーと
ころのフェンダのところにですね前ブレーキが接触したのですよ、急ブレー
キがかかているんですよ、出羽さんのバイクがですね、前ブレーキがですね、
あれはデスクブレーキだから急ブレーキ利くんですよ、そのブレーキ痕が約
10センチぐらいはっきり残っているのですよ、バイクのブレーキ痕が、タ
イヤ跡がですね、それが、一応あの、あそこで計ったら約90センチ外側に
でているわけですよ。」(90センチですか?)「約90センチですね、中
央線から出羽さんのオーバーランみたいな格好だったんですよ、出羽さんの
方が、それで私のトレーラーの最後に当ったのですよ、私らは大型トレーラ
10/18
ーだからですね、あのう、内輪差があるでしょう、トラックの場合ですね、
内輪差が、私のトッラクが中央線を割とったら、大体トラックよか後ろにつ
いていますから、トレーラーの方はそれよか内側を走っているんですね。」
(内側というのは?。)「前より、右にまがったら、前の車より内側を走っ
ているんですよ、トレーラーは。だから結局本体の方は完全に中央線から左
側を走っているわけですね。そしてそん、トレーラよりか、当たったところ
とタイヤ跡ですね、それが約90センチ外側に入っているわけですよ。」
(90センチですか?)「はい、オーバーランしているわけですよ、出羽さ
んの方がね。」(それの写真は撮ってあるのですか。)「それは当たったと
ころとのスリップ痕撮ってあるんですよ、そして、警察の方もその写真を撮
っているんですね。」(それの写真は撮ってあるのですか。)「それは当た
ったところとのスリップ痕撮ってあるんですよ、そして、警察の方もその写
真を撮っているんですね。」
(3) ブレーキ
(ブレーキはかけました?)「ブレーキは掛けるひまはないですよ、事故は
し終わった後だから。」
(4) 自衛隊車の速度
(走っているときに50キロぐらいで走っていたと警察は言っていましたけ
ど。)「ああそうですね、最初お宅がこられる時は危ないという気はしなか
ったんだから、お互いに。私は危ないとは思っていなかったわけです。」
(思ってなくて、50キロで走っておられたわけですね。)「カーブだから
50キロぐらいでたと思うんですよ、一応50キロぐらいと言ったんですけ
どね。」(50キロぐらいですね。)
(5) 事故の態様
「そしてそん、出羽さんが来たときには全然危ないとは思わなかった。中央
線の左側のちょうど中央ぐらいを走ってこられたんですよ、中央線じゃなく
11/18
て左車線の。そして私はそんときは危ないと思っていなかったんですよ。」
(思ってなかったんですね。)「そうです。そんで事故をする瞬間に出羽さ
んがふらつかれたわけですよ。」(ふらついた。)「で危ないと思ってそん
ときはもう一応そんままで行った方がいいと思ったんですよ、行き過ぎたと
思ったわけですよ。」(ああ、なるほど)「そん時行き過ぎたなと思ったと
きがちゃんといったので、すぐ止まったのですよ、結局出羽さんのバイクが
当たったところのスリップ痕とあたしが止まったところと10メートルしか
ないのですよ、止まったところが。」(10メーターぐらいですか。急ブ
レーキ掛けられたのですか。)「急ブレーキは掛けていないですよ、私は急ブ
レーキかけてません。」(最初に僕を見られたときには僕は真ん中位を走っ
ていたのですね、左車線の。)「そうですね。そんときはお互いに私も危な
いと思っていないですよ、結局あそこは急カーブでしょう、私の約7メート
ルぐらいの時ふらつかれたから危ない思ったけど、左は崖だし左には寄れ
ないし、行き過ぎるよりしようがなかったわけですよ、処置は。そん時もタイ
ヤは確実に90センチ外側を走っているんですよ、中心よりは。」(90セ
ンチ、それはブレーキ痕で分かったのですか、90センチですね。警察は6
0センチと言っていましたが。)「ああそうですか。そんなら一応そんくら
いですよ。」(それはすぐ写真を撮られました?。)「すぐ写真を撮ってで
すね、はい、ちょうどうちのあれも来てたですからね。」(あれってなにで
すか?)電話の人工音声 「20時58分水曜日です。」
第9 本件事故による受傷・治療(甲4,甲7)
1 熊本赤十字病院の入院証明書(診断書)(甲4)
(1) 傷病名:右肘脱臼開放骨折,右3,4指中節骨骨折,右下肢挫創
(2) 入院治療期間:平成11年10月7日~10月30日
(3) 傷病の原因:交通事故,発生年月日:平成11年10月7日
(4) 受傷から初診までの経過:小国公立病院より紹介(甲43の3/3)
12/18
(5) 初診時の所見及び経過:x-p上上記骨折認め同日op施行,術後安静,
リハビリ施行し10月30日転院となる。
(6) 治療期間:入院(24日間)
平成11年10月7日~平成11年10月30日
2 000病院の診断書(甲7)
(1) 傷病名:右モンテジア骨折,右第3,4指中節骨骨折
(2) 初診日:平成11年11月1日
(3) 傷病の原因:交通事故,発生年月日:平成11年10月7日
(4) 受傷から現在までの経過:平成11年10月7日交通事故により受傷,前
医にて入院手術施行。平成11年11月1日当院初診。平成12年2月21
日尺骨骨折の遷延治癒に対し当院にて骨移植,再固定の手術施行。骨融合認
めたため,平成13年2月2日,抜釘術を施行。右手指の拘縮及び握力の低
下の改善を認めず,平成13年4月24日症状固定とした。
(5) 入院治療:18日間
平成12年2月20日~平成12年3月2日
平成13年2月1日~平成13年2月6日
通院治療:541日間(うち治療実日数241日)
平成11年11月1日~平成13年4月24日
固定具使用期間
平成12年2月21日~平成12年3月17日
就業が全く不可能な期間
平成11年11月1日~平成13年4月3日
平常の生活に支障があると思われる期間
平成11年11月1日~平成13年4月3日
第10 本件事故による後遺障害(甲48,甲49,甲50,甲51)
1 傷害保険後遺障害診断書・000病院(甲48)
13/18
(1) 受傷日時:平成11年10月7日
(2) 傷病名:右モンテジア骨折,右第3,4指中節骨骨折
(3) 自覚症状:握る動作不能(右手)
(4) 各部位の後遺障害の内容:平成11年10月7日交通事故により受傷,
前医にて入院・手術を行った。平成11年11月1日初診,外来経過観察を
行ったが尺骨骨折の遷延治癒があり平成12年2月21日骨移植,再固定を
行った。右肘関節,手指の関節可動域制限(拘縮)が認められる。
(5) 診断日:平成12年4月7日
2 後遺障害の認定内容・住友海上火災保険株式会社(甲49)
認定日:平成12年6月21日『ご提出していただきました後遺障害診断書
(甲48)と同意書に基づいて000病院に照会させて頂きました結果,認定
内容は次の通りとなりました。中指,環指,小指(肘,示指,小指の中手指関
節は対象外となります),3指のPIP(近位指節間関節)が,「拇指以外の
1指の機能に著しい障害を残すとき(中手指節関節または,近位指節関節(第
一指関節)に著しい運動障害(運動可能領域が健側の運動可動域の1/2以下
に制限される場合)が存するとき)」に該当すると判断いたしました・・・』
3 後遺障害等級のご通知・日動火災海上株式会社(甲50)
認定日:平成12年10月10日
搭乗者傷害保険・後遺障害等級認定:等級認定 10級7(ト)号
概要:1手のおや指,ひとさし指以外の3の手指の用を廃したもの
備考:関節可動域より右中指,環指は機能障害に該当。小指については患側の
可動域30°は一般的には機能障害に該当し,中~小指の用廃と認定。
4 傷害保険後遺障害診断書・000病院(甲51)
(1) 受傷日時:平成11年10月7日
(2) 症状固定日:平成13年4月24日
(3) 傷病名:右モンテジア骨折,右第3,4指中節骨骨折
14/18
(4) 自覚症状:右手指の可動制限,握力低下
(5) 各部位の後遺障害の内容:平成11年10月7日,交通事故にて受傷。
前医にて入院・手術を施行。平成11年11月1日当医初診。外来にて経過
みていたが,尺骨骨折の遷延治癒を認め平成12年2月21日,当院にて骨
移植,再固定の手術を行った。骨癒合認めたため,平成13年2月2日抜釘
術を施行。右手指の拘縮及び握力低下を認めます。
(6) 障害内容の増悪・緩解の見通し:平成13年4月24日改善傾向認めず,
症状固定とした。今後可動域の増悪の可能性はあります。
(7) 診断日:平成13年4月24日
第11 症状固定(平成13年4月24日)後の出来事
1 控訴人車の損傷状況写真(甲69)撮影
控訴人の依頼で,平成13年4月27日00オート販売(横浜市)00店の
000工場長が同店内に修理のため保管中の控訴人車の撮影を行った。
2 運転記録証明書 (甲113)
控訴人の申請により,平成13年5月8日付で自動車運転センター神奈川事
務所長は,同日現在の過去3年間の記録を記した「運転記録証明書」を交付し
た。証明事項欄に,行政処分の前歴: 0回, 累積点数: 0点、内容: 以下
余白、備考: 違反,事故,処分の記録なしとの記載がある。
3 別件訴訟の提起
控訴人は,平成13年7月23日本件事故の自衛隊車の運行供用者の国を相
手として横浜地方裁判所に提訴し,平成13年(ワ)2714号損害賠償請求
事件として係属した。
4 堀部警部補は,平成13年10月25日神奈川県保土ヶ谷警察署で本件事故
の被疑者として控訴人の取調べを行い,供述調書を作成した。
控訴人は同日付けで作成した顛末書に基づいて供述し,同顛末書を別件訴訟
で甲第18号証(甲114)として提出した。
15/18
5 控訴人は,平成13年11月大分県道路課から本件道路図面(甲110)を
入手した。同図面にKP34.9の里程標の位置が図示されている。
6 控訴人撮影の事故現場写真(甲98の4・甲35⑩~⑰)
平成13年10月30日控訴人は本件事故現場を訪れ付近の道路を撮影した。
平成11年10月29日控訴人が平成11年10月29日本件事故現場を訪れ
た時と現場の状況(草地の状況及びKP34.9の里程標の位置・形状等)が
異なっていた。
7 浅香らは別件訴訟平成13年11月5日の口頭弁論に平成11年10月7日
自衛隊撮影の事故現場写真(甲67)及び平成13年9月18日自衛隊撮影の
事故状況再現写真(甲27)を提出した。
(当審での争点に関する当事者の主張)
第12 被控訴人の主張する争点
(答弁書)H19.2.19
1 原判決は正当であって,本件控訴は理由がない。
控訴人の主張は,原審において既に主張され,原判決において理由がない旨
正当に判示されている。
(被控訴人準備書面(2))H19.6.19
1 本件の争点は,浅香らの違法行為の有無であり本件事故における控訴人の過
失の有無ではない。本件事故における控訴人の過失については別件訴訟で既に
判断されており,本件訴訟の争点でもないため,本件訴訟において本件事故の
態様に関する審理は不要である。
(被控訴人準備書面(3))H19.11.27
1 本件の争点は,浅香らの違法行為の有無である。
2 浅香らは警察の作成する実況見分調書の作成に関与できる立場にない。
3 本件実況見分調書(甲42)は控訴人が別件訴訟に甲号証として提出した。
本件実況見分調書に虚偽記載があったとしても,浅香らが別件訴訟において内
16/18
容虚偽の証拠を提出したわけではないから,本件実況見分調書が,浅香らの違
法行為を基礎づける事情となることはいかなる意味においてもありえない。
4 本件実況見分調書は適正に作成された。
5 訴訟にいかなる証拠を提出するかは当事者の自由であり,「証拠を提出しな
いこと」を違法と評価される根拠はないし,提出した写真が不明瞭であること
が違法となることもあり得ない。そもそも,控訴人が「隠蔽している」と主張
する写真は存在していない。
6 別件訴訟における浅香らの訴訟活動には,何らの違法行為も存在しないから,
浅香らに故意・過失があったとの控訴人の主張は,その前提欠く。
7 浅香ら(浅香検事・古澤事務官)が「自らの不正行為を認識していたかこと
は明らか」といえるのか,全く不明である。
第13 控訴人の主張する争点
(控訴人準備書面(7)・ H19.11.27)
1 KP34.9の警戒標識(甲67①)
・上記警戒標識が本件事故以前には誤った角度に設置されていた蓋然性。
2 徐行の道路標示(甲32⑦)
・上記道路標示は本件事故当時存在したか。
3 炊事車の衝突痕(甲67⑬)
・控訴人車のホークと接触した炊事車のホイールナットに傷ができるか。
4 事故直後の控訴人車の停止位置(甲32⑯)
・警察写真(甲32⑯)に写っている「バイク」の文字の説明・解釈・評価。
5 自衛隊の実況見分調書(乙1)(甲28・甲31)
・犯罪捜査は警察官が行うが,賠償事故の調査は駐屯地業務隊が行う。
6 玖珠警察署の実況見分調書(甲42)
・上記実況見分調書の作成に浅香らが関与したか。
・上記実況見分調書は適正に作成されているか。
17/18
7 草地に移動された自衛隊車(甲67⑤⑥⑫⑬⑭)(甲32⑤~⑨)
・本件自衛隊車は,事故後道路外の草地に移動されなかった。
8 KP34.9の里程標(甲67①・甲67⑧)(甲33・甲32⑪)
・事故当日現場見取図(甲23)KP34.9の位置に里程標は存在しない
(甲66・本件事故現場道路写真)。
・平成11年10月事故当日撮影された警察写真(甲32)及び自衛隊写真
(甲67)と平成13年9月自衛隊が撮影した事故状況再現写真(甲27)及
び平成13年10月控訴人が撮影した事故現場写真(甲98の4・甲35⑩~
⑰)に写っている同里程標とは,地上高及び設置されている位置が異なる。
・事故当時里程標は,キロメートル標と100メートル標では形状寸法が異な
っていた。KP34.9の里程標は100メートル標の小さな標板(甲82)
で事故現場見取図(甲23)図示の地点より約45メートル別府寄りにあった。
(控訴人準備書面(9) ・H19.12.10
9 警察写真(甲32⑩)のバイク
・実況見分調書添付の写真⑩(甲32⑩)に写っているバイクは,原告車両
(控訴人車)ではない。)
・警察写真甲32⑩のバイクのホイールはディスクタイプのスポークであるが
(甲98-2②,甲98-2③,甲98-2④),控訴人車のスポークはワイ
ヤースポークである(甲32①)。
10 控訴人の荷物と靴(警察写真②③)自衛隊写真(甲67①⑧)
・平成11年10月7日午後1時20分頃には控訴人の荷物は本件事故現場付
近には存在しない。
以上
提出先: 正本 1 裁判所
副本 1 被控訴人
副本 2 裁判長・裁判官(当事者尋問用手控え)
18/18
1 平成11年10月29日,入院中の熊本赤十字病院から玖珠警察署に間ノ瀬
巡査部長を訪ねた帰途,進行方向の左側,道路の南側の草地の東端に駐車し,
その位置から西へ歩き,カーブの頂点付近で引き返し本件事故現場を撮影した。
2 この紙(甲82)よりも若干小さいぐらいの標板は,ヘヤピンカーブの丁度
(曲がりの頂点ぐらいのところ)その衝突地点のすぐそばにはなく,衝突地点
より45メートル前後別府よりにあった。
第6 自衛隊の対応(2)
1 平成11年11月1日に,横浜市の000病院に転院し,同病院医務課の事
故担当者の助言もあり,転院を通知するため古澤防衛庁事務官に電話した。
「にし」と名乗る女性が応対し,古澤は出張で当分帰らないと述べたので,転
院先を伝え古澤が帰ったら連絡するように依頼した。以来古澤を含め自衛隊か
らの連絡はなかった。
第7 警察の対応(2)
1 平成11年11月4日横浜市の市民相談室で交通事故相談員(元警察官)に
玖珠警察署に出頭しなければならないか聞いた。答えは,遠隔地であり通常出
頭は要求しない,任意であるので出頭しなくてもよいとのことであった。
2 同月11日間ノ瀬巡査部長から自宅に電話があった。現場見分及び供述書作
成のため玖珠警察署への出頭を求められたが断った。
3 同月15日玖珠警察署の出頭通知書(葉書)を受け取った。大分県警察本部
の総合相談室に電話し任意出頭であることを確認のうえ,間ノ瀬巡査部長に電
話し出頭を断った。同部長は「出頭してくれないのであれば,(強制捜査を含
めた)然るべき措置を検討せざるをえない。」と告げたので,私は先日電話で
話をしたとおりです。然るべき措置を採ってください。」と申立てた。
第8 小野寺からの電話(甲75)
1 平成11年11月18日交通事故証明書を自動車安全運転センター大分県事
9/18
務署長に郵便で申請し,同年12月3日に自宅で受け取った。
2 同事故証明書に小野寺の電話番号が記載されていたので同日電話した。
小野寺の兄と名乗る人が応答し小野寺の不在を告げたので,当方の電話番号を
告げ連絡するよう依頼した。
3 平成11年12月8日夜小野寺から電話があった。その時の会話を録音し,
平成13年8月21日私が反訳した(甲75・録音内容反訳書(2))。
4 小野寺の発言のうち私の注意を引いたのは下記のとおりである。
(1) 事故当日の小野寺の動静
(で,警察に出頭されて調書を取られましたか。)「一応取られましたけ
ど。」・(そのままその日は,現地に行かれたのですね。)「そうです。」
(何時ごろ行かれました?)「ちょうど3時頃ですかね,そのままあの丁度
お宅が事故があってそして小国病院に行かれたでしょう,そして後,病院の
方に行って,それから演習に行ったですからね。」
(2) 衝突位置
(事故を見られてどういう、実はですね僕もあまりはっきり覚えていないの
ですよ。)「ああ、その時うちの隊員が写真を撮って、警察も撮っているん
だけども、出羽さんがちょうどカーブのところをバイクで来られたでしょう、
そん当たったときですね、バイクの前タイヤがですね、うちのトレーラーと
ころのフェンダのところにですね前ブレーキが接触したのですよ、急ブレー
キがかかているんですよ、出羽さんのバイクがですね、前ブレーキがですね、
あれはデスクブレーキだから急ブレーキ利くんですよ、そのブレーキ痕が約
10センチぐらいはっきり残っているのですよ、バイクのブレーキ痕が、タ
イヤ跡がですね、それが、一応あの、あそこで計ったら約90センチ外側に
でているわけですよ。」(90センチですか?)「約90センチですね、中
央線から出羽さんのオーバーランみたいな格好だったんですよ、出羽さんの
方が、それで私のトレーラーの最後に当ったのですよ、私らは大型トレーラ
10/18
ーだからですね、あのう、内輪差があるでしょう、トラックの場合ですね、
内輪差が、私のトッラクが中央線を割とったら、大体トラックよか後ろにつ
いていますから、トレーラーの方はそれよか内側を走っているんですね。」
(内側というのは?。)「前より、右にまがったら、前の車より内側を走っ
ているんですよ、トレーラーは。だから結局本体の方は完全に中央線から左
側を走っているわけですね。そしてそん、トレーラよりか、当たったところ
とタイヤ跡ですね、それが約90センチ外側に入っているわけですよ。」
(90センチですか?)「はい、オーバーランしているわけですよ、出羽さ
んの方がね。」(それの写真は撮ってあるのですか。)「それは当たったと
ころとのスリップ痕撮ってあるんですよ、そして、警察の方もその写真を撮
っているんですね。」(それの写真は撮ってあるのですか。)「それは当た
ったところとのスリップ痕撮ってあるんですよ、そして、警察の方もその写
真を撮っているんですね。」
(3) ブレーキ
(ブレーキはかけました?)「ブレーキは掛けるひまはないですよ、事故は
し終わった後だから。」
(4) 自衛隊車の速度
(走っているときに50キロぐらいで走っていたと警察は言っていましたけ
ど。)「ああそうですね、最初お宅がこられる時は危ないという気はしなか
ったんだから、お互いに。私は危ないとは思っていなかったわけです。」
(思ってなくて、50キロで走っておられたわけですね。)「カーブだから
50キロぐらいでたと思うんですよ、一応50キロぐらいと言ったんですけ
どね。」(50キロぐらいですね。)
(5) 事故の態様
「そしてそん、出羽さんが来たときには全然危ないとは思わなかった。中央
線の左側のちょうど中央ぐらいを走ってこられたんですよ、中央線じゃなく
11/18
て左車線の。そして私はそんときは危ないと思っていなかったんですよ。」
(思ってなかったんですね。)「そうです。そんで事故をする瞬間に出羽さ
んがふらつかれたわけですよ。」(ふらついた。)「で危ないと思ってそん
ときはもう一応そんままで行った方がいいと思ったんですよ、行き過ぎたと
思ったわけですよ。」(ああ、なるほど)「そん時行き過ぎたなと思ったと
きがちゃんといったので、すぐ止まったのですよ、結局出羽さんのバイクが
当たったところのスリップ痕とあたしが止まったところと10メートルしか
ないのですよ、止まったところが。」(10メーターぐらいですか。急ブ
レーキ掛けられたのですか。)「急ブレーキは掛けていないですよ、私は急ブ
レーキかけてません。」(最初に僕を見られたときには僕は真ん中位を走っ
ていたのですね、左車線の。)「そうですね。そんときはお互いに私も危な
いと思っていないですよ、結局あそこは急カーブでしょう、私の約7メート
ルぐらいの時ふらつかれたから危ない思ったけど、左は崖だし左には寄れ
ないし、行き過ぎるよりしようがなかったわけですよ、処置は。そん時もタイ
ヤは確実に90センチ外側を走っているんですよ、中心よりは。」(90セ
ンチ、それはブレーキ痕で分かったのですか、90センチですね。警察は6
0センチと言っていましたが。)「ああそうですか。そんなら一応そんくら
いですよ。」(それはすぐ写真を撮られました?。)「すぐ写真を撮ってで
すね、はい、ちょうどうちのあれも来てたですからね。」(あれってなにで
すか?)電話の人工音声 「20時58分水曜日です。」
第9 本件事故による受傷・治療(甲4,甲7)
1 熊本赤十字病院の入院証明書(診断書)(甲4)
(1) 傷病名:右肘脱臼開放骨折,右3,4指中節骨骨折,右下肢挫創
(2) 入院治療期間:平成11年10月7日~10月30日
(3) 傷病の原因:交通事故,発生年月日:平成11年10月7日
(4) 受傷から初診までの経過:小国公立病院より紹介(甲43の3/3)
12/18
(5) 初診時の所見及び経過:x-p上上記骨折認め同日op施行,術後安静,
リハビリ施行し10月30日転院となる。
(6) 治療期間:入院(24日間)
平成11年10月7日~平成11年10月30日
2 000病院の診断書(甲7)
(1) 傷病名:右モンテジア骨折,右第3,4指中節骨骨折
(2) 初診日:平成11年11月1日
(3) 傷病の原因:交通事故,発生年月日:平成11年10月7日
(4) 受傷から現在までの経過:平成11年10月7日交通事故により受傷,前
医にて入院手術施行。平成11年11月1日当院初診。平成12年2月21
日尺骨骨折の遷延治癒に対し当院にて骨移植,再固定の手術施行。骨融合認
めたため,平成13年2月2日,抜釘術を施行。右手指の拘縮及び握力の低
下の改善を認めず,平成13年4月24日症状固定とした。
(5) 入院治療:18日間
平成12年2月20日~平成12年3月2日
平成13年2月1日~平成13年2月6日
通院治療:541日間(うち治療実日数241日)
平成11年11月1日~平成13年4月24日
固定具使用期間
平成12年2月21日~平成12年3月17日
就業が全く不可能な期間
平成11年11月1日~平成13年4月3日
平常の生活に支障があると思われる期間
平成11年11月1日~平成13年4月3日
第10 本件事故による後遺障害(甲48,甲49,甲50,甲51)
1 傷害保険後遺障害診断書・000病院(甲48)
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(1) 受傷日時:平成11年10月7日
(2) 傷病名:右モンテジア骨折,右第3,4指中節骨骨折
(3) 自覚症状:握る動作不能(右手)
(4) 各部位の後遺障害の内容:平成11年10月7日交通事故により受傷,
前医にて入院・手術を行った。平成11年11月1日初診,外来経過観察を
行ったが尺骨骨折の遷延治癒があり平成12年2月21日骨移植,再固定を
行った。右肘関節,手指の関節可動域制限(拘縮)が認められる。
(5) 診断日:平成12年4月7日
2 後遺障害の認定内容・住友海上火災保険株式会社(甲49)
認定日:平成12年6月21日『ご提出していただきました後遺障害診断書
(甲48)と同意書に基づいて000病院に照会させて頂きました結果,認定
内容は次の通りとなりました。中指,環指,小指(肘,示指,小指の中手指関
節は対象外となります),3指のPIP(近位指節間関節)が,「拇指以外の
1指の機能に著しい障害を残すとき(中手指節関節または,近位指節関節(第
一指関節)に著しい運動障害(運動可能領域が健側の運動可動域の1/2以下
に制限される場合)が存するとき)」に該当すると判断いたしました・・・』
3 後遺障害等級のご通知・日動火災海上株式会社(甲50)
認定日:平成12年10月10日
搭乗者傷害保険・後遺障害等級認定:等級認定 10級7(ト)号
概要:1手のおや指,ひとさし指以外の3の手指の用を廃したもの
備考:関節可動域より右中指,環指は機能障害に該当。小指については患側の
可動域30°は一般的には機能障害に該当し,中~小指の用廃と認定。
4 傷害保険後遺障害診断書・000病院(甲51)
(1) 受傷日時:平成11年10月7日
(2) 症状固定日:平成13年4月24日
(3) 傷病名:右モンテジア骨折,右第3,4指中節骨骨折
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(4) 自覚症状:右手指の可動制限,握力低下
(5) 各部位の後遺障害の内容:平成11年10月7日,交通事故にて受傷。
前医にて入院・手術を施行。平成11年11月1日当医初診。外来にて経過
みていたが,尺骨骨折の遷延治癒を認め平成12年2月21日,当院にて骨
移植,再固定の手術を行った。骨癒合認めたため,平成13年2月2日抜釘
術を施行。右手指の拘縮及び握力低下を認めます。
(6) 障害内容の増悪・緩解の見通し:平成13年4月24日改善傾向認めず,
症状固定とした。今後可動域の増悪の可能性はあります。
(7) 診断日:平成13年4月24日
第11 症状固定(平成13年4月24日)後の出来事
1 控訴人車の損傷状況写真(甲69)撮影
控訴人の依頼で,平成13年4月27日00オート販売(横浜市)00店の
000工場長が同店内に修理のため保管中の控訴人車の撮影を行った。
2 運転記録証明書 (甲113)
控訴人の申請により,平成13年5月8日付で自動車運転センター神奈川事
務所長は,同日現在の過去3年間の記録を記した「運転記録証明書」を交付し
た。証明事項欄に,行政処分の前歴: 0回, 累積点数: 0点、内容: 以下
余白、備考: 違反,事故,処分の記録なしとの記載がある。
3 別件訴訟の提起
控訴人は,平成13年7月23日本件事故の自衛隊車の運行供用者の国を相
手として横浜地方裁判所に提訴し,平成13年(ワ)2714号損害賠償請求
事件として係属した。
4 堀部警部補は,平成13年10月25日神奈川県保土ヶ谷警察署で本件事故
の被疑者として控訴人の取調べを行い,供述調書を作成した。
控訴人は同日付けで作成した顛末書に基づいて供述し,同顛末書を別件訴訟
で甲第18号証(甲114)として提出した。
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5 控訴人は,平成13年11月大分県道路課から本件道路図面(甲110)を
入手した。同図面にKP34.9の里程標の位置が図示されている。
6 控訴人撮影の事故現場写真(甲98の4・甲35⑩~⑰)
平成13年10月30日控訴人は本件事故現場を訪れ付近の道路を撮影した。
平成11年10月29日控訴人が平成11年10月29日本件事故現場を訪れ
た時と現場の状況(草地の状況及びKP34.9の里程標の位置・形状等)が
異なっていた。
7 浅香らは別件訴訟平成13年11月5日の口頭弁論に平成11年10月7日
自衛隊撮影の事故現場写真(甲67)及び平成13年9月18日自衛隊撮影の
事故状況再現写真(甲27)を提出した。
(当審での争点に関する当事者の主張)
第12 被控訴人の主張する争点
(答弁書)H19.2.19
1 原判決は正当であって,本件控訴は理由がない。
控訴人の主張は,原審において既に主張され,原判決において理由がない旨
正当に判示されている。
(被控訴人準備書面(2))H19.6.19
1 本件の争点は,浅香らの違法行為の有無であり本件事故における控訴人の過
失の有無ではない。本件事故における控訴人の過失については別件訴訟で既に
判断されており,本件訴訟の争点でもないため,本件訴訟において本件事故の
態様に関する審理は不要である。
(被控訴人準備書面(3))H19.11.27
1 本件の争点は,浅香らの違法行為の有無である。
2 浅香らは警察の作成する実況見分調書の作成に関与できる立場にない。
3 本件実況見分調書(甲42)は控訴人が別件訴訟に甲号証として提出した。
本件実況見分調書に虚偽記載があったとしても,浅香らが別件訴訟において内
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容虚偽の証拠を提出したわけではないから,本件実況見分調書が,浅香らの違
法行為を基礎づける事情となることはいかなる意味においてもありえない。
4 本件実況見分調書は適正に作成された。
5 訴訟にいかなる証拠を提出するかは当事者の自由であり,「証拠を提出しな
いこと」を違法と評価される根拠はないし,提出した写真が不明瞭であること
が違法となることもあり得ない。そもそも,控訴人が「隠蔽している」と主張
する写真は存在していない。
6 別件訴訟における浅香らの訴訟活動には,何らの違法行為も存在しないから,
浅香らに故意・過失があったとの控訴人の主張は,その前提欠く。
7 浅香ら(浅香検事・古澤事務官)が「自らの不正行為を認識していたかこと
は明らか」といえるのか,全く不明である。
第13 控訴人の主張する争点
(控訴人準備書面(7)・ H19.11.27)
1 KP34.9の警戒標識(甲67①)
・上記警戒標識が本件事故以前には誤った角度に設置されていた蓋然性。
2 徐行の道路標示(甲32⑦)
・上記道路標示は本件事故当時存在したか。
3 炊事車の衝突痕(甲67⑬)
・控訴人車のホークと接触した炊事車のホイールナットに傷ができるか。
4 事故直後の控訴人車の停止位置(甲32⑯)
・警察写真(甲32⑯)に写っている「バイク」の文字の説明・解釈・評価。
5 自衛隊の実況見分調書(乙1)(甲28・甲31)
・犯罪捜査は警察官が行うが,賠償事故の調査は駐屯地業務隊が行う。
6 玖珠警察署の実況見分調書(甲42)
・上記実況見分調書の作成に浅香らが関与したか。
・上記実況見分調書は適正に作成されているか。
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7 草地に移動された自衛隊車(甲67⑤⑥⑫⑬⑭)(甲32⑤~⑨)
・本件自衛隊車は,事故後道路外の草地に移動されなかった。
8 KP34.9の里程標(甲67①・甲67⑧)(甲33・甲32⑪)
・事故当日現場見取図(甲23)KP34.9の位置に里程標は存在しない
(甲66・本件事故現場道路写真)。
・平成11年10月事故当日撮影された警察写真(甲32)及び自衛隊写真
(甲67)と平成13年9月自衛隊が撮影した事故状況再現写真(甲27)及
び平成13年10月控訴人が撮影した事故現場写真(甲98の4・甲35⑩~
⑰)に写っている同里程標とは,地上高及び設置されている位置が異なる。
・事故当時里程標は,キロメートル標と100メートル標では形状寸法が異な
っていた。KP34.9の里程標は100メートル標の小さな標板(甲82)
で事故現場見取図(甲23)図示の地点より約45メートル別府寄りにあった。
(控訴人準備書面(9) ・H19.12.10
9 警察写真(甲32⑩)のバイク
・実況見分調書添付の写真⑩(甲32⑩)に写っているバイクは,原告車両
(控訴人車)ではない。)
・警察写真甲32⑩のバイクのホイールはディスクタイプのスポークであるが
(甲98-2②,甲98-2③,甲98-2④),控訴人車のスポークはワイ
ヤースポークである(甲32①)。
10 控訴人の荷物と靴(警察写真②③)自衛隊写真(甲67①⑧)
・平成11年10月7日午後1時20分頃には控訴人の荷物は本件事故現場付
近には存在しない。
以上
提出先: 正本 1 裁判所
副本 1 被控訴人
副本 2 裁判長・裁判官(当事者尋問用手控え)
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