民事裁判の記録(国賠)・自衛隊車とバイクの交通事故の民事裁判

1・訟務検事の証拠資料のねつ造など不法な弁論。
2・玖珠署の違法な交通犯罪の捜査,虚偽の実況見分調書の作成

64-5上告理由 第5点第5~6

2008-06-20 01:54:41 | 第3訴訟 第2審 被告国(訟務検事)
上告理由第5点 (原審 東京高裁濱野コート)
第5 自衛隊車及び上告人車の停止位置(甲32⑯)(甲67⑧
  事故直後の自衛隊車及び上告人車の停止位置が確定されていない。
 1 被上告人の主張
   上告人は,被上告人が,本件事故後の「停止位置で撮影された自衛隊車の
  写真」及び「自衛隊車の停止位置を示す目印の写真」を提出していないのは
  隠ぺいであり違法である,また,上告人の運転車両の転倒位置として提出し
  た写真が明瞭でないことも違法であると主張するようである。
   しかしながら,訴訟にいかなる証拠を提出するかは当事者の自由であり,
  「証拠を提出しないこと」を違法と評価される根拠はないし,提出した写真
  が不明瞭であることが違法となることもあり得ない。
   そもそも,上告人が「隠蔽している」と主張する写真は存在していない。
 2 上告人の主張
   別件訴訟では,自賠法3条が適用される。
  (1) 浅香らは,事故現場見取図(甲23)を提出し,平成13年11月5日付
   け準備書面(甲21・5頁)で,「小野寺は,②地点において,上告人車がロ
   地点でハンドルが左右にぶれだし,カーブが曲がりきれない様子で,③地点
   において,衝突の危険を感じ,ブレーキを踏もうとした瞬間,上告人車は,
   ハ地点から自衛隊車運転席の横を通過するとほぼ同時に炊事車の右車輪付近
   に衝突した。」と主張している。同見取図の一部を拡大した図(甲77)で検
   討する。
  (2) 事故現場見取図(甲77)で,ロ-ハ-ニ-Xと走行したバイクがX点で
   対向車に接触した場合,図示の転倒地点ホに至ることは,一般常識に属する
   経験則であるニュートンの法則からありえない。
  (3) 本件事故直後に現場写真を撮影した友田らが,最初に認識したのは事故直
   後停止した自衛隊車である。浅香らは,停止位置で撮影された自衛隊車の写
   真を提出していない(隠蔽している)。小野寺は,陳述書(甲25)で「私の
                   13/30
   運転する大型トラックの後方を前進していた別の大型トラックが到着し,そ
   の車両に乗車していた師団司令部付隊の隊員が交通統制を実施しました。そ
   れと並行して事故現場保存の目印をして警察の到着を待ちました。」と陳述し
   ている。浅香らは,自衛隊車の停止位置の示す目印の写真も提出していない。
  (4) 浅香らは,上告人車の転倒位置の写真として,事故現場写真・上告人自動
   二輪車転倒位置(白い部分)の写真(甲67⑧)を提出している。(白い部分)
   は上告人車車線の中央に位置するが,明瞭ではない。
  (5) 警察現場写真(甲32⑮)に上記(白い部分)が写っている。写真(甲    
   32⑯
)には「バイク」という文字が写っているから,師団司令部付隊の隊
   員(保安警務隊の隊員)が目印したバイクの転倒位置の写真である。しかし,
   これらの写真は,「本件事故現場路面に印象されていた擦過痕を撮影したも
   の」と説明されている。この写真を撮影したのは堀部警部補であるとされて
   いるが,事故車両の最終転倒位置という重要な証拠が写された写真にその説
   明がないのは不自然である。自衛隊写真を流用している強い疑いがある。
  (6) 警察写真(甲32⑮)には,本件道路のガードレールが写されているから,
   上告人車の転倒位置が上告人車の進行車線の中央付近に目印されていること
   が認められる。
  (7) ガードレール以外の背景は,見事に真っ黒に塗りつぶされており,もはや,
   コントラストの問題ではなく,警察写真も加工・ねつ造されている。
  (8) 原判決には,被上告人(国)に不利な事実は判断しない違法がある。
                 
第6 草地に移動された自衛隊車(甲67⑤⑥⑫⑬⑭)(甲32⑤~⑨)
 1 浅香らの主張(甲105・答弁書)
  上告人は,甲第23号証(甲42)について,同号証の別紙3項「現場到着
  時の状況」 において,被疑車両の自動二輪車及び大型貨物自動車は,道路外の
  草地に移動されていた」と記載され,同号証の別添の写真⑤ないし⑨において
  は,本件自衛隊車両が道路外の草地の上で写真に写されているが,「証拠(証人
                 14/30
  小野寺秀和)によれば,事故当日の検証は,本件自衛隊車両を,片側通行のた
  めの誘導員を付けて,道路上に置いたまま行われた(平成14年3月25日付
  け速記録(甲22)26頁4-12行)。」のであって,「事故当日は本件自衛隊
  車両を草地に移動していないのは明らかであることから,草地に移動したとす
  る玖珠警察署の実況見分調書(甲42)の記載は虚偽の記載であり」また,同
  写真についても「事故当日に写されたものではない」などと主張する。
   しかしながら,訴外小野寺の証言における「検証が終わるまで自衛隊車両を
  道路上に止めていた」という趣旨は,検証時において本件自衛隊車両を道路上
  に止めていたというにすぎない。このことは,本件事故現場たる県道は,観光
  道路であり,観光バスやトラック等の交通量の多い道路であって,このような
  道路において,本件事故発生から実況見分終了時刻までの約2時間半,本件自
  衛隊車両を道路上に停車させると交通阻害となり,現場付近は大渋滞となった
  であろうことは容易に予測されるところであるから,本件自衛隊車両を道路上
  に長時間止めておくことはあり得ないことからも明らかである。したがって,
  上告人の甲第23号証(甲42)に虚偽があるかのような主張は理由がない。
 2 上告人の主張・(甲106・別件訴訟控訴人準備書面(1))
   浅香らは,原審の訴外小野寺の証言における「検証が終わるまで自衛隊車両
  を道路に止めていた。」という趣旨は,「検証時において本件自衛隊車両を道路
  上にとめていた。」というにすぎないという。浅香らのこの主張の趣旨は不明で
  あるが,「検証時において本件自衛隊車両を道路上にとめていた。」という証言
  を採用したとしても,本件自衛隊車両を草地に移動しなかったことは明らかで
  ある。本件自衛隊車両の検証が終われば同車両を草地に移動しおく必要はない。
   証拠(証人小野寺)によれば,「自衛隊車両は,検証が終わるまでは別府より
  の道路上にとめていた。バイクさえ移動すれば,自衛隊車両がいても片側通行
  が確保される。ちゃんと誘導員をつけていた。検証が終わってから演習場に持
  っていってもらった。」のである。(速記録25頁24行~26頁12行)
                15/30
   事故発生日平成11年10月7日は木曜日であり観光シーズンでもなかった
  ので交通量は多くなかった。検証前に本件自衛隊車両を草地に移動する特段の
  理由はなかった。事故直後の停車位置から炊事車を牽引した大型トラックを写
  真の草地の位置に移動するには,一旦後退しなければならず簡単ではない。
   乙2号証(甲25)訴外小野寺と乙3号証(甲26)訴外岡松の陳述書によ
  ると,「事故の約10分後,24普通科連隊の車両が通過した」のである。その
  以前に後続の9号車および10号車が通過している。本件自衛隊車両が事故直
  後の停止位置にあっても,現場付近の交通に渋滞となるような障害はなかった
  のである。