伽 草 子

<とぎそうし>
団塊の世代が綴る随感録

ツッコミを入れたくなる折々のことば

2021年07月23日 | エッセー

●小学校の終業式で校長先生が腹話術を披露しました……マスクして
 (NHK某地方局のローカルニュース)
      ◇
 全員集合ができないので、各教室のモニターに校長先生の特技が映し出されました。「皆さん、一年間よくがんばったね」と。でも、校長室から配信するならマスクは無用では。誰も気づかなかったのでしょうか? それをNHKが流す? おいでやす小田なら、
「マスクしてなら誰だってできるやないか!! NHKは何を見とんねん!!」
と、絶叫することでしょう。

●病気と治療を抱え、体力が万全でないという苦痛の中、国民の皆様の負託に自信を持って応えられる状態でなくなった以上、総理大臣の地位にあり続けるべきではないと判断いたしました。
 (昨年8月、辞任会見にて)
      ◇
 拙稿『あんちゃん、言ってやったぜ!』(本年5月)でも触れました。辞任直前には天丼とサーロインステーキを完食なさったという証言があります。本来トップシークレットのはずなのに、わざとらしい検査のための病院への往き来。もうそこから変でしたね。今はキングメーカーよろしくご活躍とか。おいでやす小田ならずとも、
「仮病使って首相を辞めてもええんかい!!」
と、ツッコミを入れたいですね。

●私からもお詫びを申し上げたい。
 (今月14日、官邸でのぶら下がりで)
      ◇
 言うことを聞かない呑み屋には金を貸すな、という西村担当相の強権発言に当初「西村大臣はそうした発言は絶対しない」と応じていました。ところが一転、世論の反発にこう陳謝しました。「私からも」の『も』がいけませんね。リーダーなら部下の失態は自分の責任でしょ。責任逃れとはみっともなくありませんか。それとも、内閣ぐるみの実態を隠そうとしているのでしょうか。
「わたしの責任ですとなんで言われへんねや!!」
 おいでやす小田の雄叫びが聞こえてきます。

●新型コロナウイルスの感染状況が改善すれば、有観客も検討してほしい。
 (バッハIOC会長、今月14日菅首相との会談で)
      ◇
 首相側は明確な回答はしなかったらしいです。なんだか、日本の情況について一番分かっていないのはぼったくり男爵なのではないでしょうか。
「あんた、どこまで分かっとんねん!!」
 おいでやす小田なら、きっとそうツッコむでしょう。

●パラリンピックまでには、この感染状況が変わってきたら、ぜひ、有観客の中でというふうに思っています。
  (今月22日、官邸にて菅首相)
      ◇
 オリはダメだが、パラならワクチンが効いてきてOKという読みでしょうか? それを東京が感染者数1900超えのその日に言う? 専門家はパラの頃3~4000人に感染者は達するだろうと予測しています。どういう計算なんでしょうか?  
「官邸の計算機は狂っとんのかい!!!」
  と、おいでやす小田は叫声を発するでしょう。

●もう危機だ、危機だと聞き飽きたかもしれませんが……
  (今月21日、都庁にて小池都知事)
      ◇
 都内感染者1832人、水曜日では過去最多。そんな時に、寒いオヤジギャク(オバさんギャグかな)を飛ばしますか? 寅さんなら、
「たいしたもんだカエルのしょんべん、見上げたもんだ屋根屋のふんどし」
 と、啖呵売の口上を繰り出してあきれ返るでしょうね。「たいしたもんだ」は「田にしたもんだ」っていう意味です。余計なお節介ですが。

●こんな状況での五輪強行は「ほとんど狂気の沙汰」である。後世の史家は「2021年の日本人は正気を失っていた」と書くだろう。
 (内田 樹氏、今月のAERAから)
      ◇
 ……ってなわけで、シッチャカメッチャカな「狂気の沙汰」が今夜始まります。
 おいでやす小田「やっぱり、やるんかい!!」
 バイキングの小峠君「なんて日だ!」
 
●大会組織委員会の名誉最高顧問を務める安倍晋三前首相が、五輪開会式に出席しないことがわかった。東京都に緊急事態宣言が出され、開会式が無観客で行われることなどを考慮したものと見られる。
 (今日の朝日新聞から)
      ◇
 「考慮」って、何を考慮したんでしょう? 鼻を摘まれても分かりません。反省というものを置き忘れて生まれて来た人ですから、「こんなことになってしまって……」ではないでしょうね。なら、首相だけに殊勝(駄洒落、失礼)な心がけですが。それとも「開会宣言をさせてくんないなら出ない」と駄々をこねているのでしょうか。言い出しっぺが悪臭だけを残してトンズラでしょうか。それにしても、次から次へ問題続出。モグラ叩きのようですね。
 おいでやす小田「おい、逃げるんかい!!」
 小峠君はいつも通り「なんて日だ!」
 寅さん「それを言っちゃおしめーよ」
 で、これでおしめーにします。 □