香港独言独語

長らく続く香港通い。自分と香港とのあれやこれやを思いつくままに語ってみる。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

銅鑼湾書店(2)

2005-02-09 23:32:29 | Weblog
香港の小さな本屋さんのいいところのひとつに本を探す手間が省けるということがある。

私の香港滞在はここ10年間年に一回大体10日前後というところだが、おつきあいや街歩きなどで忙しく、本屋で本を探す時間はそれほど十分には取れない。

だが、小さな本屋では売れ筋の本を平積みしているスペースが小さいから、こちらの本探しも集中しやすい。大体そのあたりを探してめぼしい本を押さえ、余った時間で棚に並んだ本をざっと眺め、ん?と引っかかってきた本を抜き出してめくってみる。

まぁ、大体こんな具合で、結構効率的に本探しができるのだ。

で、支払いを済ませると、さっと撤収し、そそくさと次の本屋さんへ移動するわけである。

小さな本屋さんは大抵唐楼と呼ばれる旧式ビルの2階にある。

狭く急な階段を上り、小さな踊り場で折れてまた上る。すると2階には向き合う形で二部屋があり、これが不思議なのだが、ひとつが本屋で向かいが必ずといっていいほど美容院なのである。

まぁ2階にあるのは家賃が安いからだろうが、どうして本屋と美容院が対になっているのだろうか。謎である。

昨今の日本では個人経営の小規模書店は衰退の一途をたどっている。今では営業していても売っているのが雑誌やコミックばかりで、入ってみようという気すら起こらない。

昔はそうではなかった。たとえ小さな本屋でもそれなりに個性的な品揃えをしたりしている店があった。だが、日本人の本離れが原因でそういった本屋は経営が成り立たなくなったといわれている。

ところが、香港では小さな本屋が結構健闘していると思う。

私が香港で覗く小さな本屋さんは、銅鑼湾(コーズウェイベイ)の銅鑼湾書店と楽文書店、旺角の田園書屋である。この他にもあるが、必ず行く店となるとこの三軒ということになるだろう。

田園書屋は旺角の西洋菜街にある。そこは例の女人街と呼ばれる通菜街の一本彌敦道よりの通りだから人でごった返していてにぎやかなところである。

また、銅鑼湾書店と楽文書店は銅鑼湾のそごうデパートの裏の駱克道にあり、ここも同様に店の立ち並ぶ繁華街だから外はいたってうるさい。

しかし、小さな本屋さんは一歩中に入ると外と隔絶された別世界となり、静寂が支配している。客は黙って本を手にし、話し声があったとしても香港人とは思えないほど小声でひそひそ話になる。香港人も小さな声で話ができるのだということを、私は小さな本屋さんで知ったのだった。

香港の喧騒に疲れた時は、この静寂はなんともいえないほど心地いい。つかの間、しんとした空気の中に身を置いて、目にとまった本のページをめくるのは私にとって香港でのささやかな喜びなのである。
この記事についてブログを書く
« 銅鑼湾書店(1) | トップ | 銅鑼湾書店(3) »
最近の画像もっと見る

Weblog」カテゴリの最新記事