29 日米関係 -31-
ⅳ 明治維新1868~1893(日清戦争以前) -13-
■まとめと考察 3/4-2 ~大日本帝国憲法 ※表再掲~
1 「立憲君主制(天皇と内閣)」の描き方
●制度上の「大臣責任制・大臣助言制」についての説明が不備であるとともに、史実(実態)を無視している。 → × 東京書籍、日本文教、学び舎。
※天皇が自らの権力を行使(=命令・指示)されたのは、「2.26事件」と「大東亜戦争終戦の決定」のみ。
(この3社の執筆者や編集者がそのことを知らないとは思えない。なぜなら、知らないとすれば、それは「学問的無知」そのものだから。したがって、これら各社の「表現」は、明治・大正・昭和の大日本帝国憲法下の日本の姿をゆがめて教えるための意図的「工作」なのだろう。)
<ウィキペディア:「天皇大権」より引用> 「ただし、限定的な天皇大権が発動可能な分野でも実際に天皇個人の判断のみで天皇大権が発動されたことはないとされ、天皇大権が行使された例とされる二・二六事件とポツダム宣言の受諾は木戸幸一ら宮中グループの影響もあった。また、戒厳大権・非常大権それぞれと天皇大権との差異が不明確であり、憲法学者の間でも様々な意見があった。」
●「大臣責任制・大臣助言制」について説明はしているが、史実(実態)を描いていない。 → △ 帝国書院、教育出版、清水書院。
※同上。
2 「国民と憲法」の描き方
●《昭和時代の戦時下の非常事態の状況》を除けば、制度上も実態でも、ことさらに「厳しい制限」とまで言わなければならないような《現行憲法との大きなちがい》はなかったと思われる。 → △ 帝国書院。
3 「世界(アジア)における位置づけ」の描き方
●「実質上のアジア初の近代憲法」であるという、(一般的にはプラスイメージの)特性を描いていない。 → × 帝国書院、清水書院。
※両社は、論理的には、《①日本のいいところは教えたくない》のか、《②西欧文明よりも、「伝統的日本文明」の価値を重視している》かのどちらかだろうが、教科書全体の描き方からみてとうてい②とは思えない。
~次回、4/4「不平等条約」の改正~
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《著者:松永正紀 教育評論家 /h22年度 唐津市・玄海町:小中学校校長会長》
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