やんまの気まぐれ・一句拝借!

俳句喫茶店<つぶやく堂>へご来店ください。

歩を進めがたしや天地夕焼けて 山口誓子

2018年07月11日 | 俳句
689
山口誓子
歩を進めがたしや天地夕焼けて
天も地も血の様に赤い夕陽に染まった。踏み出せば火傷をしそうである。その一歩すら歩けないエネルギーに包まれてただただ佇むのみである。絵画にあるミレーの晩鐘を想起させ、ふと違うかなとも思った。ミレーの方は一日の労働が終わり晩鐘の音を聴きながらその日の「労働と収穫」に感謝して祈っている。あるいはミレーが母の死に目に会えない忸怩たる思いだったかも知れぬ。だか誓子の夕焼けは理屈や状況を超えて万人を佇ませる燃焼である。天地無双。:山本健吉「鑑賞俳句歳時記」(1997年1月15日)所載。
<いらっしゃいませー俳句喫茶店・つぶやく堂ーどうぞお入りください>

最新の画像もっと見る

コメントを投稿