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「容疑者Xの献身」を観た(ネタバレあり)

2008-10-05 | 映画・舞台・テレビ
 TVで人気だった「ガリレオ」の映画版を観にいきました。おもしろかった。
 天才物理学者・湯川対天才数学者・石神の頭脳戦という触れ込みです。でも、なんといってもこの映画、主役は堤真一でしょう。大学時代、天才といわれながら、過程の事情で学級の道に進むことが出来なかった数学者を演じています。風采の上がらない高校教師の、丸めた背中や力ない足取り、感情を失ったような表情の奥の微妙な変化。うまいなあ。
 やる気のない荒れた教室で、愛する数学を『教える』日々は、彼の心をどんなにか蝕んでいったでしょう。生きながら緩やかに死んでいくような生活に舞い降りた「幸福」の象徴が、松雪泰子演ずる花岡母子。彼女たちを守るために、淡々と犯罪を隠蔽していく過程が切ない。ラストシーンで石神が号泣するわけですが、こっちまで泣けてきました。都会の中で孤立して、感情なんかないかのように押し込めてきた石神、泣くことが出来てよかったな。留置所の天井に描き出される美しい4色の模様、あの辺りからうるうるでした。
 トリック自体は、ホームレスが1人いない通勤シーンで、おおよその見当が付いた気がします。福山雅治は、相変わらずかっこよかったけれど、堤真一に軍配は上がったかな。もともと、犯人の方に焦点をあわせたようなシリーズだったから、当然といえば当然か・・・。


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