今日の出来事

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榊原忠美「大きな翼を持った老人」

2008-10-25 | 映画・舞台・テレビ
 越前市図書館友の会主催のイベントで『大きな翼を持った老人』の朗読会がありました。友の会の末席を汚している身として、参加してきました。図書館内の多目的ホームは、定員50人の小さい会場です。開演を前に、既にいっぱいで、椅子の追加もあるほどでした。
 さて、演題の「大きな翼を持った老人」はガルシア・マルケスの小品です。マルケスといえば、コロンビアのノーベル賞作家、「魔術的リアリズムの旗手」だとか。実は、彼の作品を読破したことがない(だって、読みづらいんだもの。)ので、おっかなびっくりでした。真っ暗な中にピアニカの玄妙な音色が響き、奥の扉から榊原さんが入ってきます。「カニカニカニカニ・・・」呪文のように唱えながら、自転車を引いています。カニカニカニカニカ、ニカ、ニカ・・。これ、笑えばいいのか?謎のまま、謎のような物語が始まりました。いい声ですね。朗読と言うより1人芝居です。今までよく分からなかった「魔術的リアリズム」がどんなものなのか、その片鱗に触れた気がしました。それだけでも来たかいがありました。
 音楽は坂野嘉彦さん。ほとんどが闇の中で、ピアニカとクラリネットを自在に演奏して、榊原さんの意表をつく朗読&動きに対応していきます。ピアニカって子どもの楽器だと思ってましたが、大きな間違いでした。哀調を帯びた和音、美しいメロディー、攻撃的なタッチ、耳に残る不協和音、変幻自在です。
 榊原さんと言えば『木を植えた人』の朗読が有名ですが、今回も、とても印象に残りました。本業(?)の劇団クセックACTの公演も、いつか観てみたいです。


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