臼と杵でついた丸餅

2009-12-28 00:09:41 | Weblog
 私の出身地である和歌山は父の実家である。大学受験まで、毎年家族でお盆とお正月に帰省していた。
 父の実家は渡り廊下のある古い家屋で、埼玉から丸一日かけて車で到着すると、もう中庭に面した廊下に丸々としたお餅が木の箱に入って積み重なっている。祖母、父の姉一家、父の兄一家、我が家の3家族分のお餅だから今考えると相当あった。たいていは父の兄が臼と杵でついて作るそうで、年によっては中庭に大きな臼が置いてあることもあった。
 ついたお餅はもちろん丸餅。祖母と一番上の姉が丸めて作るらしい。しかもあんこ入りがけっこうある(笑)。あれは誰の趣味(?)だったんだろう。祖母かなあ、それとも家の風習だったのかな。ほかにも餅米の感触がごろごろと残っているぼろ餅も作ってあって、お正月を過ぎると「あんたたちいくつ食べるのー」という伯母や母の声が台所から聞こえて、それぞれ「あんこ2つー」とか「ぼろ餅とあんこ1つずつー」とか答えていた。リクエスト通りのお餅が入ったお汁粉がおやつで出てくるのだ。
 もちろん帰省のおみやげにもなる。和歌山からこれまた遠路はるばる、みかんとお餅とその他衣料食料を積んで帰ってくる。そして冷凍しておいて、大事に大事に朝食に食べていた。家で食べる時はきな粉餅。毎日きな粉餅にして食べていたけど、飽きなかった。
 お餅は丸いものだと思っていた。(ついでにいえばお雑煮も味噌だと思っていた。)四角い餅は既製品。丸餅は手作り。ぐらいの認識で。
 関東で丸餅を作る和菓子屋さんてないのかな?