杉並からの情報発信です

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■ オバマ大統領のノーベル受賞に関する対立意見

2009年10月16日 23時42分59秒 | 政治・社会
オバマ大統領へのノーベル平和賞授与に関して好意的な意見と否定的な意見とに分かれています。

私個人としては、今回のノーベル平和賞はオバマ大統領への援護射撃という意味で好意的に捉えています。

オバマ大統領が歴史上初の黒人大統領に選出されたのは米国の草の根民主主義の勝利と言われていますが、注意すべきことは米国支配層である米軍産複合体やユダヤ金融資本の支持と了解があったから彼は選ばれたのだという事実です。

米国の大統領は支配層の支持と了解がなければ立候補はできても決して選ばれないようになっているのです。マスコミが無視して見事なほど報道しませんから。

当初オバマ大統領は支配層から送り込まれた大統領スタッフに囲まれて選挙公約の実現に身動きがとれない状態が続いていましたが、今年4月の「核兵器廃絶プラハ宣言」をきっかけに、「イランと北朝鮮との対話路線」「東欧へのミサイル防衛システム配備中止」「地球温暖化防止積極関与」「イスラエル入植批判」などオバマ大統領らしい発言や政策を打ち出し始めました。

オバマ大統領は若い分経験は少ないですが頭がよい政治家ですので、支配層と真っ向から対立するのを避けて最初に国際世論に直接訴えかけて広範な支持を獲得し既成事実にしてしまう戦術をとっています。今のところ米国支配層からのあからさまな反撃を封じ込めています。

今回のノーベル平和賞は支配層特に軍産複合体の利益を毀損するような政策を打ち出し始めたオバマ大統領に対して、絶妙なタイミングに授与されたと思います。大きな援護射撃になったと思います。

以下に好意的な意見と批判的な意見を転載しますのでお読みください。

■ オバマ氏平和賞授賞の批判に反論 ノーベル委員長

2009年10月15日 共同通信

http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009101501000163.html

 【ロンドン共同】オバマ米大統領へのノーベル平和賞授賞について、実績不足などを理由に一部で批判の声が上がっていることに対し、ノルウェーのノーベル賞委員会のヤーグラン委員長は「(過去1年で平和構築に向けて)オバマ氏より大きな貢献をした人がほかにいるだろうか」と反論した。AP通信の取材に14日までに答えた。

 APによると、ヤーグラン氏は「オバマ大統領は、彼がこれまで行ったことによって受賞した」と述べ、西洋社会とイスラム社会との分断を修復しようとするオバマ氏の努力や、ブッシュ前米政権時代に計画されたミサイル防衛(MD)関連施設の東欧配備の中止を挙げた。その上で「これらすべてが、より安全な世界とまでは言わないまでも、世界の緊張を緩和させることに貢献した」と語った。

 一方、別の女性委員は、授賞公表後にオバマ氏が声明を発表した際の様子について「(オバマ氏は)あまりうれしそうではなかった」と指摘。今回の授賞が、オバマ氏への期待をさらに高め、批判勢力の攻撃材料となることで逆効果となりかねないとの認識を示した。


■ 米国オバマに「平和賞」?ふざけるな、ノーベル賞

2009.10.16 週刊金曜日 金曜アンテナ

http://www.kinyobi.co.jp/backnum/antenna/antenna_kiji.php?no=835

 またあのキッシンジャーやペギンらに続いて、戦争犯罪人に「ノーベル平和賞」が与えられた。以下は、米レーガン政権の財務次官補だったポール・クレイグ・ロバーツ氏が「戦争屋が平和賞だと」と題し、インターネットサイトINFORMATION CLEARING HOUSEに発表した怒りの論文の部分訳である。

 ノーベル賞委員会は、2009年の平和賞を、オバマ大統領に与えると決定した。パキスタンで新たな戦争を始め、アフガニスタンで戦争をエスカレートさせ、 米国政府の要求通りに核拡散防止条約の加盟国としての権利を放棄しなければ攻撃すると、イランを脅迫し続けている男にである。

 同委員会の委員長であるトルビョルン・ヤーグランによれば、「オバマのように世界の関心を引き、より良き未来の希望を与えたような人物は極めて稀だ」という。委員会がまくしたてるには、「オバマは国際政治の新たな流れを生み出した」のだと。

 オバマが就任するやいなや、パキスタンで彼が始めた戦争で200万人が難民となり、数え切れない人々が殺された事実はどうなのだ。オバマが言う「必要な戦争」が無期限に進むにつれ、民間人の死者が増え続けるアフガニスタンについて語ったらどうなのだ。

 ブッシュの政策は、オバマになっても変わってはいない。イラクは占領されたままだ。拷問がまかり通るグアンタナモ収容所はまだ機能している。 CIAによる強制拉致や暗殺はまだ起きている。裁判所の令状なしの国民に対するスパイ行為は、定着してしまった。市民の権利は「対テロ戦争」という名目で侵害され続けている。

 明らかにノーベル賞委員会は、妄想に駆り立てられているのだ。オバマが黒人だからといって、有色人種に対する西側のヘゲモニーを終わらせようとしているかの妄想を。

 オバマはブッシュ前政権がやらかした数々の犯罪行為について何も考慮しようとせず、ガザにおける無防備の市民に対するイスラエルの非人道的軍事攻撃による戦争犯罪を調査した国連の報告書を破棄しようとする米・イスラエルの計画に従うよう、パレスチナ自治政府を買収し、脅している。

 ウソつき米国政府は、イランは米国諜報機関が「核の秘密工場」を発見したからこそ、その存在を国際原子力機関に申告したのだというオバマの宣伝をばらまいている。この悪質な宣伝は、イランが核不拡散条約の保障措置を遵守しているという事実を歪め、対イラン攻撃の気運を維持するためのものだ。

 ノーベル賞委員会は、あらゆる希望を、単なる肌の色だけに託してしまったのだ。

(編集部 )
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