杉並からの情報発信です

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■ 小さな計画や幻の計画がいつの間にか巨大な公共事業に作り替えられてしまう

2009年10月21日 10時55分32秒 | 政治・社会
来日中のゲーツ米国防長官は昨日岡田克也外相と会談し米軍普天間飛行場を名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部へ県内移設する現行計画について「唯一、実現可能な案だ」と述べて日米合意に沿って早期に結論を出すよう強く迫たとの報道です。それに対し岡田外相は「政治状況が変化した」として結論先送りの意向を示したとのことです。

ゲーツ米国防長官は米国が強く主張すれば歴代自民党政権のように民主党新政権もまる飲みすると思っていたのでしょうが、「米国の植民地状態」の日本政府から意外な抵抗にあって困惑しているのかも知れません。

下記に転載します天木直人氏のブログ記事によりますと,米軍普天間飛行場の移転問題の隠された事実経過は次のようなことです。

1.そもそも普天間の閉鎖・返還は95年の沖縄少女暴行事件後、沖縄で高揚した反基地世論を抑えるための米側の提案だった。

2.米軍にとっての普天間飛行場は日本国内での代替基地建設を必要とする程の重要性はなかった。

3.当時日・米・沖縄間の交渉にかかわった元国土庁事務次官下河辺淳氏の証言によると、米国が代替施設として要求したのは長さ45メートルのヘリコプター発着帯だけだった。

4.沖縄側の公共事業発注への思惑も加わり大規模な代替施設案になった。

当初は小規模な公共事業計画だったものが自民党政権下の政治家や官僚や土建業者達などの暗躍によっていつの間にか大規模公共事業に作り替えられ巨額な税金が投入される典型例がここにも見れます。

特に米軍普天間飛行場の移転問題は交渉相手が米国政府ですので交渉内容は秘密にされたために、「長さ45メートルのヘリコプター発着帯だけ」のヘリコプター基地がいつの間にか2本の滑走路を持つ本格的な巨大飛行場の新設へと変身してしまったのか、その経緯は今まで一切知らされて来なかったのです。

石原新太郎都知事が150億円の税金を使って招致に失敗した「東京オリンピック招致事業」の真の目的は、石原都知事が言っていた「若者に再びオリンピックの感動を味わってもらいたい」などの美辞麗句ではなく、石原都知事とゴールドマンサックスなどの外資と電通と土建業者とが結託して、「東京オリンピック招致事業」を口実にして反対運動で行き詰っていた築地市場移転や外環道路などの大型公共事業を一気に推し進めることでした。彼らは最初からオリンピックの東京招致の可能性はゼロに近い「幻の計画」だということは分かっていたのです。

そのことを一切報道してこなかった大手マスコミもまた彼らの一味だっということです。


■ 普天間基地問題の本質を知った上で議論せよ 天木直人氏

2009年10月20日発行 天木直人のメールマガジン 第411号
    
10月19日の朝日新聞に印象的な記事があった。メディアの偏向に抗議する米国人たちがテレビ局の前でプラカードをかざして抗議している。

そのプラカードには次のような言葉が書かれていた。

「事実をつたえろ、意見はいらない」( Give Me Facts Not Your Opinion)

この言葉こそ私がメルマガで書き続けている事だ。

下手な解説者や大手新聞のもっともらしい解説を百回聞くよりも、たった一つの真実のほうがはるかに有益である。

たとえばいま大騒ぎになっている普天間基地問題である。

どの報道も県外移転か県外移転かばかりを書きたてる。対応いかんでは日米同盟関係が危うくなると不安をあおる。

しかし、そのような記事を書く記者や、その記事を信じる善良な国民は、次の言葉に耳を傾けるべきだ。

10月17日付の毎日新聞「闘論」に述べられていた佐藤学沖縄国際大学教授の言葉である。

ここに普天間基地の本質がある。本質を知れば、巷に流されているあらゆる議論が吹っ飛んでしまう。

「米軍にとっての普天間飛行場は、日本国内での代替基地建設を必要とする重要性はない・・・

そもそも普天間の閉鎖・返還は95年の沖縄少女暴行事件後、沖縄で高揚した反基地世論を抑えるための米側の提案だった。

当時日・米・沖縄間の交渉にかかわった元国土庁事務次官、下河辺淳氏の証言によれば米国が代替施設として要求したのは、長さ45メートルのヘリコプター発着帯だけだ。

それが・・・沖縄側の公共事業発注への思惑も加わり、大規模な代替施設案になった。

軍事的な重要度が低くとも、日本側が提供するのだから、米側が拒否するわけがない・・・

そもそも侵略部隊である海兵隊は日本の安全保障に寄与せず、沖縄に置く必要がない・・・

『政府間協定は動かせない』と日米官僚は言うが、オバマ政権はブッシュ政権時に結んだポーランド、チェコとのミサイル防衛に関する協定を見直した。米国自身が協定見直しをしたのだから、日本の新政権が協定の再交渉をするのは当然だ・・・

貴重な自然を破壊して、緊急必要性がない軍事基地建設が(米国のごり押しで日本につくられようとしている事が)米国で広く知られれば、ノーベル平和賞を受賞した、環境重視のオバマ大統領には打撃になる。

建設中止は米政府にも利益をもたらすはずだ。皮相的な米国追従は米国の利益すらならない・・・」

ゲーツ国防長官との会談に臨む鳩山首相にとってこの言葉は官僚のブリーフィングなどよりはるかに為になる。

この言葉を言われたらゲーツ国務長官は返す言葉を失うことになる。 

(終わり)
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