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■ 「足利事件」は冤罪事件ではなく「司法3権力」による「権力犯罪」(2)

2009年10月11日 15時04分38秒 | 政治・社会
「足利事件」に関する記事の第二弾です。

私は「足利事件」は単なる冤罪事件ではなく「司法3権力」による「権力犯罪」
だと思っています。

この「権力犯罪」に加担した警察官、検察官、裁判官は、誰一人道義的な責任も
民事的な責任も刑事的な責任も取っていません。

今後菅家さんは民事裁判を起こして各人に損害賠償請求をすると思われますが、
彼らが刑事訴追され刑事処罰される可能性は低いと思われます。

なぜなら、日本の法制度の中で「司法3権力」が犯した「権力犯罪」を司法と行
政権力から独立した立法権力(国会)が客観的に裁くシステムが存在しないからです。

警察責任者(栃木県警石川正一郎本部長)と検察責任者(宇都宮地検幕田英雄検
事正)は菅家さんに会って「形だけの謝罪」をしましたが、裁判官は誰一人謝罪
すらもしていません。 裁判官は司法権力の奥深く身を隠して嵐が去るのを待っ
ているのでしょう。

2008年12月に菅家さんが獄中から支援団体の「菅家さんを支える会・栃木」宛て
に書いた手紙の中で、警察官と裁判官への怒りを書いています。

<私は無実の罪で橋本文夫刑事と芳村武夫刑事に警察に連行されて十七年がすぎ
ました。(略)私は当時の橋本刑事と芳村刑事と森川検事達の、この三匹達を
ぜったいゆるす気持ちにはなれません。この三匹達は今もまったく反省していま
せん。

(略)私は橋本刑事と芳村刑事と森川検事達のこの三匹達を鬼だと思う。人間で
はない。だから冤罪を作るのだ。つかまえたら、だれかれかまわず犯人にしてし
まうのだ>

1999年10月には,菅家さんを取り調べた橋本刑事ら8人が、栃木県警本部長から
“表彰”されたことに対する憤りがこう綴られています。

<私は警察にいた頃に私を取り調べた刑事達が表彰されたと聞きました。とんで
もない事です。刑事達が表彰されるなんて事はぜったいゆるせません。私は刑事
達が表彰されるような事はいっさい何もわるい事はしていないので、本当に私は
今も刑事達にものすごく怒っています>

菅家さんが獄中から出した「再審請求」を5年間も放置したあげく却下した宇都
宮地裁池本寿美子裁判官への怒りも書かれています。

<宇都宮地裁池本寿美子裁判長は今年(2008年)二月十三日にDNA鑑定を退け
たりして、池本寿美子裁判長は血も涙もない鬼のような人間だ。正義の心がまっ
たくない人間だ>

菅家さんの「生還」に多大な貢献をした弁護人の佐藤博史氏は次のような語って
います。

「菅家さんのDNA鑑定が間違っているらしいと分かったのは12年前です。その
時点で、われわれ弁護人は最高裁にDNAの再鑑定を求めました。事件は ’90年
に発生し、当時の時効は15年。われわれがDNAの再鑑定を求めたのは’97年だ
から、時効までまだ8年残っていました。その時点で再鑑定を行っていたら、真
犯人を突き止めることができたかもしれません。

ところが検察や裁判所は、犯人は菅家さんだと延々と言い続け、再鑑定は実施さ
れなかった。その結果、真犯人を捕らえる機会が失われてしまったのです」

12年前にDNAの再鑑定がなされていれば、菅家さんは5年の刑期で解放された
のです。しかも真犯人を捕まえる可能性は大きかったのです。

2009/6/27号「週刊現代」の特集時事【直撃足利事件 冤罪を作った
「警察官・検事・裁判官」の実名】では、加担した3裁判官の直接取材への対応
が以下のように書かれています。

1)「再審請求」を5年間放置して却下した宇都宮地裁池本寿美子裁判官(現在も
宇都宮地裁裁判官)

「個別具体的事件に対する感想や判断について裁判官が直接取材に応じること
はありません」(事務局を通じて)

2) 2000年に菅家さんの無期懲役刑を確定させた当時の最高裁第二小法廷裁判長
亀山継夫氏

――足利事件について話をうかがいたい。

「あれはまだ正式に決定が出ておりませんし、継続中ですから」

――現時点でのお話です。

「私は自分のやった裁判について、一切コメントしていません」

―― 一言でもいいんです。

「コメントはしません」

3) 同じく最高裁の判事だった北川弘治氏

「具体的なことは一切コメントしません」

――菅家さんに何か一言でもありませんか?

「ノーコメントです」

――裁判当時のことに、罪悪感を持っているのではないですか?

「どういう根拠かわかりませんが、それは違います」

加担した警察官と検事と全く同じく、彼ら裁判官には「無実の人間を無期懲役に
し17年半の刑務所生活を強制しかつDNA再鑑定や再審請求を門前払いにして真
相解明を遅らせた」ことに対する、良心の呵責、罪悪感、謝罪の気持ち、後悔、
反省、贖罪など、普通の人間が持っている倫理観が全く見られません。

彼らにあるのは自己保身と無責任と傲慢と言い逃れだけです。

このような倫理観、責任感が欠如した最悪な人間を裁判官に任命して国民を裁い
ているのが今の日本の司法なのです。

国民が司法に期待する「法の支配」「社会正義の実現」「憲法の番人」はことご
とく踏みにじられてきたのは、このような裁判官が日本の司法を支配しているか
らなのです。

民主党政権は国民の権利や人権を守るために、真の「司法改革」を断行して腐り
きった日本の司法を根本から変えねばなりません。

現行の法制度の中で出来ることは、「司法3権力の犯罪」に加担した警察官と検
事と裁判官を刑法195条の「特別公務員暴行陵虐罪」(①裁判、検察若しくは警
察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者が、その職務を行うに当たり、
被告人、被疑者その他の者に対して暴行又は陵虐若しくは加虐の行為をしたとき
は、七年以下の懲役又は禁錮に処する)で告発し裁判で全容を解明したうえで処
罰して刑務所に送り込むことです。

責任の追及も処罰もされずにのうのうと今までと同じ生活を送る彼らを決して許
してはなりません。

(終わり)




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