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我々が打倒すべきは「新自由主義」イデオロギーと経済政策!

2011年08月21日 14時37分40秒 | 政治・社会
8月14日の「日曜勉強会」でも話題になりましたが、「新自由主義」はすでに1970年代の中南米諸国 に米CIAと右派軍人のクーデターによる軍事独裁政権下で米国によって

実験的に導入され全て失敗していたのです。

中南米諸国の「新自由主義」政策で、最初の数年間は米国資本の投入で国内経済は活性化されましたが、4-5年後には米国企業が市場を独占して自国産業が壊滅、

価格暴騰でハイパーインフレとなり国民経済は破綻しました。

アルゼンチンのようにデフォルト宣言した国はIMFから救済資を受け入れざるを得ず国民生活はさらに破壊され窮乏化したのです。

「参照記事」 【8.14「日曜勉強会」報告】

http://blog.goo.ne.jp/yampr7/e/930d6ef1233dc7a663fe3beecba39a9c

【8.14「日曜勉強会」報告】

▼「新自由主義」とは一体何なのか?

「新自由主義」とは金融資本主義の本質である「金権」を「抑制すべきもの」ではなく「正しいもの」として全面的に許容したもので「金儲け」のためには

すべてが許されるというイデオロギーであり経済政策です。

「新自由主義」を導入したすべての国々は今「格差」「差別「貧困」「財政赤字」「失業」という「共通の社会問題」に直面しています。

なぜならば「富を独占しているものがより多くの富を手にできる」ようにその国の政治、経済、財政、法律、規範、価値観、教育など全てを

「構造改革」の名目で激変させたからです。

「リーマンショック」で財政破たんしたアイスランドとギリシャとアイルランドとポルトガル、「1000兆円の政府債務」で破たん状態の米国、

失業率20%の若者が反乱を起こした英国、900兆円の国家債務に苦しむ日本、そして「国債格付け引下げ危機」のスペインイタリアとフラン ス、

これらの国は全て1980年代から2000年代にかけて「新自由主義」を積極的に導入し強者を護り弱者を切り捨ててきた国々なのです。

逆に「新自由主義」を1970年代に導入され失敗した経験のある中南米諸国や積極的な導入を敢えてしなかった北欧4か国は、相対的に安定した社会を継続しています。

すなわち現在我々が直面する世界的な危機を解決するには、「新自由主義」イデオロギーと「新自由主義」経済政策を今もって強行する政府や官僚や

メガバンクや大企業や大手マスコミや学者などが群がる「新自由主義村」の利権集団を打倒しなければならないのです。

▼ 伊藤千尋氏「反米大陸―中南米がアメリカにつきつけるNO! 」は名著!

このような1970年代の中南米諸国における米国による「新自由主義」実験の強行と失敗に関して、朝日新聞記者伊藤千尋氏が「反米大陸―中南米がアメリカにつきつけるNO! 」

(集英社新書)の中で詳しく書いてます。

伊藤千尋氏は「反原発」の立場を貫いておられる京大原子炉研究所の小出助教のように、朝日新聞のひらの一特派員として世界中の現場を渡り歩き「事実」と「真実」を追

いかけてきた数少ない良心的な大手マスコミ所属のジャーナリストです。

「新自由主義」は1970年代の中南米諸国に、1980年代には米国レーガン大統領、英国サッチャー首相、そして日本の中曽根首相が導入しました。

中曽根首相は2001年からの小泉首相による本格的な「新自由主義」に先駆けた「第一次新自由主義」として国営企業の民営化、市場開放と規制緩和そして

労働組合の解体・再編を行ったのです。

中曽根首相は日本専売公社、日本国有鉄道、日本電信電話公社の民営化、半官半民の日本航空の完全民営化、闘う国労と総評を解体して労使協調の闘わない

労働組合「連合」を作ったのです。

▼ 本格的な「新自由主義」=「小泉・竹中構造改革」で国民生活は破壊された!

そして2001年自民党小泉純一郎氏はブッシュ政権の全面支援を受けて首相となり本格的な「新自由主義」である「小泉・竹中構造改革」を5年半にわたり

強行したのです。

小泉首相は2004年に工場への労働者派遣を解禁した結果、年収500-600万円の正規労働者が解雇され年収200-300万円の何時でも解雇可能な

非正規労働者に置き換わったのです。

その結果、大企業の内部留保は240兆円まで膨れ上がったのです。

「小泉・竹中構造改革」によって、今まで層が厚く社会の安定化に寄与していた日本の中間層は一気に窮乏化し一握りの「富裕層」と圧倒的多数の

「貧困層」に分解してしまったのです。

小泉首相は「緊縮財政」の名目で医療、介護、生活保護などの社会保障費や地方自治体への給付金を大幅削減する一方、「平成バブル」の放漫経営で大損した

メガバンクや大企業を100兆以上の税金投入で救済しました。

「小泉・竹中構造改革」は国内では国民のセーフティーネットと地方を破壊し税金を使ってメガバンクや大企業を救済し5年半で270兆円の債務を作り出したのです。

小泉首相は日銀と一体となってゼロ金利政策を10年以上継続して本来であれば預金者に支払うべき300兆円以上の金利をメガバンクの損失補てんと

「円キャリートレード」でユダヤ金融資本に低金利で貸し付けたのです。

この資金が米国の「サブプライムローン住宅」バブルを発生させ、5000兆円の実体経済に対して60,000兆円(6京)と言われるデリバテイブ金融派生商品を

世界中にばらまき、いつ破裂するかもしれない「時限爆弾」として今でも埋まっています。

また小泉首相と竹中金融担当大臣は円安誘導の「為替介入」の名目で2002-2003年の間に20兆円の米国債を買い増し総額100兆円にまで

日本の米国債を積み上げました。

ブッシュ大統領はこの資金でアフガニスタンとイラクへの二つの侵略戦争の戦費を賄ったのです。

▼ 情報遮断で「新自由主義」は世界を席巻した!

1970年代に中南米諸国に無理やり導入された「新自由主義」はことごとく失敗した結果、今ではコロンビアとメキシコ以外全ての中南米諸国は左派もしくは

中道左派の反米政権となっている事実は報道されませんでした。

中南米諸国に大使館を置く外務省、大手マスコミ、シンクタンク、学者は当然ながらこの情報を早い段階から知っていたのです。

彼らは情報を意図的に遮断したのです。

もし大手マスコミや学者がこの事実を1980年-1990年代に広く知らせていたならば、「新自由主義」が「唯一の解決策」として世界各国に導入され

これ程のまでの格差社会と社会崩壊を招くことはなかったかも知れません。

我々が2001年の小泉首相の誕生を90%の支持率で歓迎したことはなかったでしょう。

我々が大手マスコミによる「新自由主義」礼賛報道に簡単に洗脳されることもなかったかもしれません。

▼ 「ポスト菅」の民主党Bグループはバリバリの「新自由主義」派!

2010年6月2日の「鳩山・小沢ダブル辞任」クーデターで民主党新代表となり首相に就任した菅直人氏と支持ループ(民主党Bグループ)

はもともと菅、仙石、枝野らの「旧市民運動・旧左翼」派と前原、野田、安住、福山、樽床などの松下政経塾出身の「新自由主義」派との混成部隊です。

2009年9月に政権交代を実現した「小沢・鳩山民主党」を乗っ取った民主党Bグループは今、「ポスト菅」の「新自由主義」派が「09マニフェス ト」を否定して

自公との「大連立」を目指すのは至極当然な動きなのです。

なぜならば、民主党Bグループは民主党Aグループ(小沢支持グループ)を孤立・解体させるために民主党内に周到に送り込まれた「自民党清和会別働隊」だからです。

民主党代表選に候補を予定している野田蔵相、前原前外相、樽床前国会対策委員長はバリバリの「新自由主義」者なのです。

(終わり)

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