久しぶりに戯曲セミナーに行って参りました。
講師は鈴木裕美さんです。
実はかれこれもう12年も前になりますが…ラフカット97で裕美さんに演出して頂いたことがあります。
あ、裕美さんは作家ではなく演出家です。
今回のお話でも、どんな作家が好きで、どんな俳優が好きかなんて話しも出てましたが、もちろんのごとくお目が高いと言いますか上手い作家が好きなんだねと言われてしまうとご自身もおっしゃっていました。
なので(か?)、当時の裕美さんは私たち新人俳優たちに若干手を焼いているという印象でした(笑)
演出されたことが的確に出来ない割には、自分流に暴走するってなかんじでしょうか(笑)
演出家として、その場を仕切って進めて行く判断力やパワーをすごく持った方ですが、と同時に繊細で情が深いとても女性的な部分が見え隠れする、とても魅力的な方だと思いました。
後半は戯曲に限らず、物語の構成として観客のハートを掴む流れをグラフ化して話して下さいました。
前に別の講師の方も話して下さいましたが、王道の構成というものがちゃんとあるわけです。
物語が始まってどのくらいで盛り上がって、下がって、またより盛り上がって…というグラフです。
一見淡々とした物語でも面白いと思うものは必ずやこのグラフに当てはまるそうです。
また、シーンの入り口と出口の話しもありました。
あるワンシーンで最初と最後で登場人物の関係が変わってなければ、そのシーンはいらないシーンだとおっしゃっていました。
その例のテキストとして山田太一さんの『ふぞろいの林檎たち』のシナリオの一部が配られました。
そういえば、ラフカットのオーディションでも使われていました。
私も大好きなドラマです。
裕美さんは好きな作品の共通項として、『人は美しいこととくだらないことが同居している』『人はどうなのか』ということを描いている作品が好きだとおっしゃって、それでこの山田太一さんの『ふぞろいの林檎たち』をチョイスされたのには、本当に納得しました。
私がまだ多分、高校生か…もしかすると中学生だったかもしれない時にこのドラマを観たわけですが、その、人って本当に上手になかなか生きれないよねっててなかんじがもうたまんね~な~なんて思ったわけです。
相手を思う気持ちがすれ違っちゃって結局口論になってケンカ別れ、みたいなほんの2、3ページのワンシーンが抜粋されたわけですが、当たり前ですが見事なんですね。
そんなシーンやセリフを裕美さんは『可愛い』と言っていて、確かに、日常生活で自分の身に起きたらとても可愛いなんて思えないわけですが、物語の中ではそういったシーンこそ人間らしさが出る愛しい瞬間なのかもしれません。
裕美さんはまた、日常で身近には見たくないですが、舞台上では登場人物が物凄く傷付く瞬間を観たいなんておっしゃっていたのも印象的でしたし、とても同感だなぁと思いながら話しを聞いていました。
『リアルな演技とナチュラルな演技は違う』という話しも出て、良い役者は表層でそれらしい上手な芝居をするのではなく、どこまでも真実を求めて深く潜って行き掴んでくると。
戯曲セミナーの講義なのですが、俳優としてもっと力を付けたいと思うような講義でした。
講師は鈴木裕美さんです。
実はかれこれもう12年も前になりますが…ラフカット97で裕美さんに演出して頂いたことがあります。
あ、裕美さんは作家ではなく演出家です。
今回のお話でも、どんな作家が好きで、どんな俳優が好きかなんて話しも出てましたが、もちろんのごとくお目が高いと言いますか上手い作家が好きなんだねと言われてしまうとご自身もおっしゃっていました。
なので(か?)、当時の裕美さんは私たち新人俳優たちに若干手を焼いているという印象でした(笑)
演出されたことが的確に出来ない割には、自分流に暴走するってなかんじでしょうか(笑)
演出家として、その場を仕切って進めて行く判断力やパワーをすごく持った方ですが、と同時に繊細で情が深いとても女性的な部分が見え隠れする、とても魅力的な方だと思いました。
後半は戯曲に限らず、物語の構成として観客のハートを掴む流れをグラフ化して話して下さいました。
前に別の講師の方も話して下さいましたが、王道の構成というものがちゃんとあるわけです。
物語が始まってどのくらいで盛り上がって、下がって、またより盛り上がって…というグラフです。
一見淡々とした物語でも面白いと思うものは必ずやこのグラフに当てはまるそうです。
また、シーンの入り口と出口の話しもありました。
あるワンシーンで最初と最後で登場人物の関係が変わってなければ、そのシーンはいらないシーンだとおっしゃっていました。
その例のテキストとして山田太一さんの『ふぞろいの林檎たち』のシナリオの一部が配られました。
そういえば、ラフカットのオーディションでも使われていました。
私も大好きなドラマです。
裕美さんは好きな作品の共通項として、『人は美しいこととくだらないことが同居している』『人はどうなのか』ということを描いている作品が好きだとおっしゃって、それでこの山田太一さんの『ふぞろいの林檎たち』をチョイスされたのには、本当に納得しました。
私がまだ多分、高校生か…もしかすると中学生だったかもしれない時にこのドラマを観たわけですが、その、人って本当に上手になかなか生きれないよねっててなかんじがもうたまんね~な~なんて思ったわけです。
相手を思う気持ちがすれ違っちゃって結局口論になってケンカ別れ、みたいなほんの2、3ページのワンシーンが抜粋されたわけですが、当たり前ですが見事なんですね。
そんなシーンやセリフを裕美さんは『可愛い』と言っていて、確かに、日常生活で自分の身に起きたらとても可愛いなんて思えないわけですが、物語の中ではそういったシーンこそ人間らしさが出る愛しい瞬間なのかもしれません。
裕美さんはまた、日常で身近には見たくないですが、舞台上では登場人物が物凄く傷付く瞬間を観たいなんておっしゃっていたのも印象的でしたし、とても同感だなぁと思いながら話しを聞いていました。
『リアルな演技とナチュラルな演技は違う』という話しも出て、良い役者は表層でそれらしい上手な芝居をするのではなく、どこまでも真実を求めて深く潜って行き掴んでくると。
戯曲セミナーの講義なのですが、俳優としてもっと力を付けたいと思うような講義でした。