評論家・山崎元の「王様の耳はロバの耳!」
山崎元が原稿やTVでは伝えきれないホンネをタイムリーに書く、「王様の耳はロバの耳!」と叫ぶ穴のようなストレス解消ブログ。
ラフロイグ試飲会
昨日、ラフロイグだけの試飲会という珍しい催しが、日頃シングルモルトの教えを受けているM師のBAR(神保町交差点キムラヤのナナメ裏のB1にある「Bar polka dots & MOONBEAMS」です)であって、これに行ってきました。
ラフロイグばかりを7杯飲むということなので、飽きるのではないか、個々のインパクトが薄れるのではないか、という心配もしましたが、全くの杞憂でした。個々の完成度が高いことに加えて、度数の低い上品なもの→度数の高いインパクトの強いもの→味の濃いもの→バランスのいいもの→長期熟成の逸品→セメダインのような刺激の強いもの→フルーティーで甘いもの、といったいわば「配球」がよく考えられていて、お互いに引き立て合って個性を主張するような、いい組み合わせになっていました。
ラフロイグは、アードベッグと双璧をなすヨード臭(というだけではないのですが、あの古い病院の消毒液のような臭い)とピート(泥炭)の香りを強く持った個性的なアイラ・モルトですが、アードベッグがやや金属的な土臭さ(これがまたいいのですが)を時に感じさせるのに対して、ラフロイグの方は麦の香ばしさのような、敢えていえば「太い」「健康的な」感じがします。もちろん、年数や樽、個々の樽の個体差などでいろいろなバリエーションが出来るのですが、ベースにあるお酒の質が強いので、「へたった」感じの「外れ!」には当たりにくく、アイラ好きには常に無難で魅力的な選択肢です。(ポートエレンでは「外れ」が時々ありますし、ボウモアは「当たり」でないと美味しくありません。平均的に高い水準で満足なのはラガヴァリンでしょうか)
写真でお分かり頂けると思いますが、テーブルクロス代わりの紙に、ラフロイグ蒸留所の写真をバックに、グラス置き場用の円が七つ書いてあって、それぞれにボトル名の略称と度数が書いてありました。これは大変便利で、味と名前が印象に残りやすいし、メモを取りたいタイプの人も(私は、メモを取りませんが)、紙を持って帰ればいいので、お酒に集中できます。試飲会以外にも、「シングルモルト入門コース」とか、「アイラ島蒸留所巡り」とか、裏に一杯一杯の解説も書いて常時用意しておくと、モルトの啓蒙にいいかも知れません。
特にいいなと思ったのはオフィシャルもので、4番目に出てきたVintage1987と表示された(主にフランス向けだったとのことです)ボトルのもので、ラフロイグの刺激を十分残しつつもバランスが良く、何杯でも続けて飲みたくなるようなお酒でした。当初の期待度ナンバーワンは、7番のキングスベリーというボトラーの1980年物で、これは、かつて何度か飲んだことがあって、パパイヤのような香りが口の中一杯に拡がり、味も芯がしっかりしている、という非現実的なまでに素晴らしい美酒だったのですが、この日は、まだ開栓後日が浅いこともあって、そこまでの香りと味の開き方はありませんでした。後日、丁度良さそうなタイミングで再訪して、また飲んでみたいと思っています。
尚、写真は、RicohのCAPLIO 100という最近出たコンパクトカメラで撮りました。酔っぱらいの手持ちでシャッタースピードが1/2.5秒ですが、セルフタイマーを使って(2秒で)シャッターを切ったら、あまりブレずに写ってくれました。
ラフロイグばかりを7杯飲むということなので、飽きるのではないか、個々のインパクトが薄れるのではないか、という心配もしましたが、全くの杞憂でした。個々の完成度が高いことに加えて、度数の低い上品なもの→度数の高いインパクトの強いもの→味の濃いもの→バランスのいいもの→長期熟成の逸品→セメダインのような刺激の強いもの→フルーティーで甘いもの、といったいわば「配球」がよく考えられていて、お互いに引き立て合って個性を主張するような、いい組み合わせになっていました。
ラフロイグは、アードベッグと双璧をなすヨード臭(というだけではないのですが、あの古い病院の消毒液のような臭い)とピート(泥炭)の香りを強く持った個性的なアイラ・モルトですが、アードベッグがやや金属的な土臭さ(これがまたいいのですが)を時に感じさせるのに対して、ラフロイグの方は麦の香ばしさのような、敢えていえば「太い」「健康的な」感じがします。もちろん、年数や樽、個々の樽の個体差などでいろいろなバリエーションが出来るのですが、ベースにあるお酒の質が強いので、「へたった」感じの「外れ!」には当たりにくく、アイラ好きには常に無難で魅力的な選択肢です。(ポートエレンでは「外れ」が時々ありますし、ボウモアは「当たり」でないと美味しくありません。平均的に高い水準で満足なのはラガヴァリンでしょうか)
写真でお分かり頂けると思いますが、テーブルクロス代わりの紙に、ラフロイグ蒸留所の写真をバックに、グラス置き場用の円が七つ書いてあって、それぞれにボトル名の略称と度数が書いてありました。これは大変便利で、味と名前が印象に残りやすいし、メモを取りたいタイプの人も(私は、メモを取りませんが)、紙を持って帰ればいいので、お酒に集中できます。試飲会以外にも、「シングルモルト入門コース」とか、「アイラ島蒸留所巡り」とか、裏に一杯一杯の解説も書いて常時用意しておくと、モルトの啓蒙にいいかも知れません。
特にいいなと思ったのはオフィシャルもので、4番目に出てきたVintage1987と表示された(主にフランス向けだったとのことです)ボトルのもので、ラフロイグの刺激を十分残しつつもバランスが良く、何杯でも続けて飲みたくなるようなお酒でした。当初の期待度ナンバーワンは、7番のキングスベリーというボトラーの1980年物で、これは、かつて何度か飲んだことがあって、パパイヤのような香りが口の中一杯に拡がり、味も芯がしっかりしている、という非現実的なまでに素晴らしい美酒だったのですが、この日は、まだ開栓後日が浅いこともあって、そこまでの香りと味の開き方はありませんでした。後日、丁度良さそうなタイミングで再訪して、また飲んでみたいと思っています。
尚、写真は、RicohのCAPLIO 100という最近出たコンパクトカメラで撮りました。酔っぱらいの手持ちでシャッタースピードが1/2.5秒ですが、セルフタイマーを使って(2秒で)シャッターを切ったら、あまりブレずに写ってくれました。
コメント ( 22 ) | Trackback ( 0 )
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BARのボス、プロ中のプロの方の企画と7杯のご選定のお眼の確かさと高さも、また其れを味覚嗅覚記録短文とスローシャッターでストロボ・手ぶれピンボケ無しに見事な画像情報として残される山崎さんの手腕も、ともに心よりのブラボーをお送り致します。(是非写真術も継続公開頂きたく)
敬服
ウイスキーなら
マルスウイスキーをおすすめします
「ラフロイグ」といえば、ディック・フランシスの競馬ミステリの中にラフロイグのシングルモルトが重要な小道具として使われている一編がありましたね・・・。
ラフロイグはいいですね! 元気のいいのを一本買いに行きたくなりました。
>けろよん様
マルスウイスキーはまだ飲んだことがありません。ホームページを見ると、良さそうな感じですね。
>喜八さま
競馬もラフロイグも好きなのですが、ディック・フランシスはまだ読んだことがありません。気にはなっているのですが・・・。
最近になって日本酒・焼酎が飲めるようになりましたがウィスキーとかまだ未知の世界です(こんな歳ですが)
元々お酒には弱い(顔がすぐに赤くなります)のでたしなむ程度でしかないのですが、お酒それぞれの風味はいいですね。
楽しめるお酒が最高です。ただ気をつけないと私のようにベルトの穴が徐々に左へとずれますが…
連休後半はサントリーが輸入している「普通の」ボウモア12年を飲みながら,本を読み,競馬を見てすごしました。ふたりの息子を連れて里帰りしてくれた家内に感謝です。
4連休明けの今日,帰りがけに,山崎さんの文章を読んで,ウィスキーを買ってから帰ろうかと思った私です(やっぱりラフロイグでしょうか)。
例の国がミサイルを撃つのも安倍氏を望んでいるから、という面もあるように思います。rjtedg
例の国がミサイルを撃つのも安倍氏を望んでいるから、という面もあるように思います。ygses