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「小沢新党のマーケティング戦略」(夕刊フジ「経済快説」)

 私は、水曜日発売の夕刊フジに「経済快説」というタイトルの連載コラムを書いています。原稿の文字数は11字×100行=1100字です。
 今週は、「小沢新党のマーケティング戦略」というタイトルで、新党「国民の生活が第一」について書きました。ライバル紙、「日刊ゲンダイ」は小沢氏の応援が鮮明ですが、ここで書いたのは、批判でも、応援でもありません。小沢新党の政策選択が「案外」次の選挙で奏功するのではないか、という話です。

 先ず、同党の「国民の生活が第一」という党名は、語呂は悪いながらも、他党と異なる語感であることで目立ちます。また、ニュースなどで、党名を言ってもらうたびに同党のキャッチフレーズを訴えることにもなるので、短期的なキャンペーン戦略としては、案外悪くないのではないかと思っています。
 また、「反消費税増税」、「反原発」、「反TPP」という同党の政策、及び「小沢一郎氏」という同党の看板は、支持が過半数に至るかどうかはともかくとして、それぞれマニア的に熱心な支持者がいます。政策に投票してくれる有権者の票を小沢新党が集めることが出来れば、票が割れる小選挙区の中で一位を取る場合もあるのではないでしょうか。一回生、二回生議員が多く、候補者の点で有利とは思えない小沢新党ですが、今回の政策選択は、候補者の弱さをカバーできる面があると評価してみました。
 乏しい手持ち資源の中ではあっても、それなりの戦略を持っており、「案外」侮れないのではないか、というのが目下の印象です。

 以下は、コラムに書いていないことですが、小沢氏は、経営者に喩えると「創業」と「営業」(=政治家の場合は選挙)が得意なタイプなのでしょう。しかし、時々に側近はいても、後継者やブレーンがいない「人事」の弱さ、幹事長時代に政務三役で役所をコントロールしようとした「政治主導」が全く機能しなかった「オペレーション」の弱さは、深刻な弱点だと見ます。
 名前をあげるのは控えておきますが、実業界にも、このタイプの人はいるように思えます。
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コメント
 
 
 
現物を創り出す経営者タイプではない (小倉摯門)
2012-07-19 13:20:00
山崎元さん
「経済快説」自体を拝読することは適いませんが、このブログだけから反応申し上げれば、
山崎さんの本分ではない選挙結果予想は兎も角として、其れに至る状況分析は面白く拝読しました。
物事を深く考えない、国家または127百万人国民全体を考える立場にない、其れを考えるに十分な情報も
ない(ないない尽くし)、有るのは個別最適だけの「群衆Mob」に訴える手法としては、新党は極めて
優れているのだと同感です。然し、「優れていない点」が全体最適には致命的だと思います。

小沢さんは、今回の新党ネーミングや政策標語だけではなく大昔の著書「日本改造計画」の内容も真に
その手法に優れた方だと。ご指摘の【「創業」と「営業」が得意なタイプ】(画餅物のマーケティングも?)の
評が的確だと。残念乍ら、国民から期待される「日頃から遍く社会全体に貢献できる製品現物を創り出す
(=オペレーション)経営者タイプではない」のだと思います。

選挙結果予想は本題ではないのですが、【小沢新党の政策選択が「案外」次の選挙で奏功する】んですかねえ(笑)。
草々
 
 
 
小沢一郎  (Unknown)
2012-08-12 06:51:43
小沢一郎も辛抱強さがあれば自民党で一花咲かせて終わっていたでしょうが何せ政局大好き人間だし自分がその中で活躍する事が大好き。
機を見るに敏とは小沢一郎。侮れないと言うのはその通りですね。
自公民は既に終わった政党になってしまった。
証券界で言えば野村大和日興山一の終焉です。
時代だね。
 
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