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「沖縄集会」に関する新聞六紙報道の比較

 特別に誰のためということではないが、印象的なケースなので、簡単にご報告する。
 写真は、9月30日(日曜日)の、左から、朝日・東京・毎日・日経・読売・産経の各紙の紙面だ。携帯についているカメラで撮ったものなので、見づらいかも知れないが、朝日新聞の見出しで言うと「沖縄11万人抗議」のニュースに注目して並べたものだ。沖縄での民間人の集団自決に関する日本軍の関与を教科書から削除する教科書検定意見に反対して、29日に沖縄で大規模な集会が行われたというニュースだ。
 ニュースそのものには深く立ち入らないが、各紙の扱いが、あまりにも違う。
 「朝日」と「東京」は、一面トップの記事だ。特に、「朝日」の記事は、写真の出来も良いし、11万人(主催者発表)の集会を「島ぐるみ」と伝えるなど、力が入っている(入りすぎているかも知れない)。「毎日」は、ミャンマーのデモ弾圧問題に次ぐ扱いで、一面の二番手記事だ。これら3紙は、一面以外にも関連記事がある。
 これが、「日経」「読売」になると、それぞれ、社会面の記事になる。モノクロの写真が載っているが、そう大きな記事ではない。さらに、「産経」となると、私は、危うく見落とすところだった。社会面の右ページに小さな記事が載っていて、写真もない。
 ともあれ、家庭でどの新聞を購読しているかによって、9月30日、日曜日のニュースに対する印象は、随分異なったであろうことは間違いない。
 ニュースの大きさに関する判断は、各紙それぞれであっていいが、記事の取捨や載せる大きさもメッセージであり、不偏不党とか、客観報道というものは、はじめからあり得ないことが実感として分かる。
 個人的な感想を言うと、「朝日」「東京」の扱いはいささか大きすぎて、「えっ、ミャンマーよりも大きいのか」と驚いた。この扱いの大きさ自体が、雄弁な社説だ(朝日は、社説でも取り上げている)。新聞社は、意見を持ってもいいが、ここまで露骨な出し方をすると、却って逆効果だろう(と、政治的にはハト傾向の私でさえ、少し不愉快に思う)。
 記事まで詳しく読んでいないので、点数は付けられないが、「毎日」くらいが妥当なバランスだろうか。「日経」「読売」も、沖縄で起こっていることの感じは分かる。
 「産経」の場合は、かえって不自然に思える。同紙の読者は、「朝日」とは違う方向からではあっても、教科書問題には関心が高いのではなかろうか。都合の悪いイベントを視野に入れないようにすると、かの「美しい日本」が見えるようになるのだろうか。
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