コメント
 
 
 
判らないこと (空海望)
2010-09-12 05:48:29
 これから ここに寄せられるコメントに 興味深々である
 全く何の知識も持ち合わせないので 責任うんぬんということすら あまり思わなかったが
 預金保険のことも含め 私に 理解の糸口、関心の糸口を与えてくれるコメントを期待します。
 
 
 
「へたれジャパン」の心的風景 (かくせいⅢ)
2010-09-12 10:03:26
日本振興銀行の倒産に関するコメントを幾つか見るが、ああ、やはり「へたれジャパン」だなと思うところが多い。

困難の最中に、起業したことを称える人など1人もいないところに、最も「へたれジャパン」を感じる。起業など、アニマルスピリッツ、即ち「根拠なき自信」が支えなのだから、失敗を咎めるより、チャレンジをほめるべきなのだ。

なに?預金保険がかなりの損をする?保険とはそういうものだろう。橘玲氏がいみじくも喝破するように、保険とは皆が拠出した金を、運の良い奴が(例え死んでも運が良いという定義となる)ドサットもって行くシステムなのだから、保険が金を支払うのに対して、「損をかける」などという言葉を使うことが信じられない。

起業して一敗地にまみれることは、名誉であると言う風土を造らなくしてこの国は成り立つのか?

自見大臣と言う全く位にふさわしくない能力の男が、自分が郵政選挙で自民党を追われた恨みだけで言うような言葉に、価値等あろうはずもない。言っている気持ちの根本は「あなうれし、隣りの倉が焼けている」なのだ。国民生活のこと等全く考慮することなく、己が集票のために、郵政を国営化する国民新党など、天罰が下るのは当たり前のことで、この地位にふさわしくないこの政治家も次の選挙で並みの年寄りに戻るだけの話であろう。

重要なことは、市中銀行ですら国債で運用するような、企業が金を借りない市場で、中小企業に何とか資金を回す機能で金融業が成り立たないのかをチャレンジしたことには、それなりの意味があったとは思うが、リーマンショック以降の世界的な不況の中では、そういう「際」のビジネスは成立しなかっただけの話だ。

そういう金融業が成り立つような、起業が雨の後の筍の如く輩出し、企業の新陳代謝が盛んになる国になるための方策を論じて決して行うべき政治家が、後向きの精神ばかり見える事が悲しい。若手の大塚副大臣も誤魔化しの議論ばかりで肝がないように見えるが、出しているコメントもアリバイ作りでしかない。

店主の視点も、失礼ながら退嬰的にしか見えないのが寂しい。
 
 
 
Unknown (gonchan)
2010-09-12 12:43:42
かりに竹中氏に何らかの責任が出た場合、新生JALを相変わらず日の丸フラッグとする決断は非常に重くなるように感じるが、民主党政権は底まで考えていないように思う。

こんなことで責任取らされると、許認可、規制緩和の逆行化となりかねないのでくだらない個人攻撃だと片づけてほしい。
 
 
 
スピリットと理屈 (山崎元)
2010-09-12 15:04:34
>かくせいⅢさま

お久しぶりです。コメントありがとうございます。

木村剛氏のチャレンジは、当初から損をすることを目的とするものではなかったと思います。

ただ、情報の非対称性とその中でどうやって優位を作るかという理屈を考えると、振興銀行のビジネス構造には当初から無理がありました。

これをアニマル・スピリットだけで何とかなると思っていたとすれば、木村氏は無責任だったと言わざるを得ません。

銀行は好不況の両方で生き残らなければならないので、リーマンショックを失敗の原因にするわけにも行きません。

預金保険があるからカネは集まる、あとは、一か八かやってみて上手く行けば大儲けだ、というのは、一種のオプション的なリスク・ポジションを持った金融界にはありがちなチャレンジですが、保険の利用に関しては典型的なモラルハザードのケースです。

保険の問題は、不正利用があったか否かが大事です。今回は、少し怪しい。少なくとも保険を受ける行政の側には、反省すべき点があります。木村氏がこれにつけ込んだのだとすれば、制度の裁定としては賢いし、社会的・倫理的には非難されても仕方がない。

これらは金融論の理屈で分かることですから、行政はこれを看過してはいけなかったのですが、木村サンは何か上手いことを考えているだろうと信用してしまったのかも知れません。

私は個人的に木村氏に友情を感じているせいもあって、最初から彼に悪意があったとは思いにくいのですが、振興銀行のビジネスの構造には最初から問題がありました。(「金財」のような専門誌には創業当初から、この懸念を指摘した文章が載っています)

「へたれジャパン」はその通りでしょう。アニマル・スピリットが大事なのも仰るとおり。ただ、スピリットで頑張ればいい問題と、理屈でダメなものはダメと判断しなければならない問題は区別した方がいいと思います。

振興銀行は、そのビジネスモデルがやっぱり上手く行かなかったことと、今後のペイオフとその影響も含めて、相当に興味深い実験ではありました。木村氏がやらなくても誰かがやっただろうし(新銀行東京がもっと素朴にやって、同様にダメでしたが)、チャレンジ精神を褒めてやっていい要素もいくらかはあったと思います。少なくとも名誉は賭けたわけですから。

ただ、あれを典型的なチャレンジとして褒めると、クリーンにチャレンジしている多くの起業家たちに少々申し訳ない感じがします。

ところで、木村剛氏が、グループ会社を使った迂回融資・増資による決算操作に手を染め(事件の本質は検査忌避よりも粉飾でしょう)、さらにSFCGに引っ掛かるに至る所まで、暴走した理由は何だと思われますか?

彼には「三年後黒字化、五年後上場」を何とか達成しなければならない、差し迫った事情があったように思えます(裏に何らかの約束をしたあ相手がいる、というような状況が典型的な「事情」です)。それが何なのかは、まだ分かりませんが、現在見えている事情の奥に、もう一つ事情がありそうな事件です。

ただ、振興銀行の社外取締役で、木村氏個人・個人会社の顧問を務めていた赤坂弁護士が先日自殺してしまったので、全体像を深く知るのは今や木村氏だけです。なかなか外に出ては来られないと思いますので、真相がわかることがあるとしても、かなり先のことになりそうです。

ご家族に迷惑が掛かるのは本意でないので、詳しい事情は書きませんが、木村氏が、個人の資産だけを逃がすような行為をしていたかどうかが、最終的に彼の人物評価を確定するでしょう。

>gonchanさま

私は、現時点で、竹中氏に法的に負わなければならないような責任があるとは思っていません。である以上、彼が堂々と本件の話をして不都合は無い。

ただ、金融行政を当時預かっていた一国民として、また金融も含めて研究しておられる学者として、広い意味で言論人として、自らの判断に誤りがあったと考えるか否か、振興銀行のビジネスモデルをどう考えていたのかは語って欲しいと思います。

そこから先の単なる個人攻撃はくだらない。これは、その通り。ただ、竹中氏と対立する国民新党への批判が、竹中氏の何かを正当化することもありません。

これらの点をはっきりさせることが同時に出来れば、さらに建設的で好ましいと思います。

一度判断ミスをしたら、個人は一生無限の責任を負う、というようなバカな世論は作らない方が当然いい。
 
 
 
連れから逃げるのか 罪から逃げるのか (作業員)
2010-09-12 15:21:13
金貸しの話はわからんですが、連れの道義的責任、で腹がよじれるオモローな体験をさせてもらいやしたこと、店主山崎氏に、心より、感謝いたします。さきほど、店主のお連れのイチローちゃんの米など斜め読みしましたのですが、そこに、○子ちゃん、という、これまった、なっつかしー、キショク悪いババアの名前を見つけまして、そうだよなあ、キムニイ信者って、いたよなー、などと思って柄にもなく過去をば振り返ってみたらば、
アニキ バーサス 松尾健治
という、血で血を洗う、手数料論争、にたどりつき、そこから、四つ輪系証券、などというものが存在していること、などを知りまして、もう、腹がよじれて死にそうであります、連れ、なら、クソまみれになって、ケツふいてやればええのに、と思います、だいたい、ツレ、のような顔をしているしとは、まっさきに、逃げますです、アニキもお気をつけられますよう、あと、アニキ敵大杉、お体にはほんと、ちゅう話でした。
 
 
 
死人に口なし (あじさい)
2010-09-12 17:04:42
悪いことに関わったから自殺したのか?
悪いことをしてもずうずうしく生きている人もいる。
毎年3万人も自殺者を出している日本。
ずうずうしい政治家は生き延びる。
お金を賭けるのではなく、坂本竜馬のように命をかけて日本を良くしようと思う人間は現れないのか?
責任をとるような人間は政治家にはならないと思う。

桁違いな負債を出して潰れたけど、誰がこの穴埋めをするのですか? 最終的には国民?
借金大国日本。
早く目を覚ましてくれないかなぁ・・・


 



 
 
 
責任を問うのは無理かなと (某S)
2010-09-12 17:25:41
こんにちわ
竹中氏に責任があるというのは微妙かなと。マスコミは叩きたがってる節がありますが。新東京銀行の時も石原都知事に責任があるとか書き立てたマスコミが多かったですが、二番煎ですか?
 
 
 
初めてコメントさせてもらいます。 (つぶやき評論家)
2010-09-12 22:08:32
竹中平蔵氏については少なくとも日本振興銀行に対して銀行免許を認可した責任だけはあったと思います!それ以上の責任を問うことは難しい。

日本振興銀行については日本銀行でさえ最初から怪しい銀行だと見抜いて取引を断って門前払いをしたそうですから、本当に日本振興銀行に対して銀行免許を与えるべきか否かは竹中平蔵氏が居なかったら金融庁もきちんと判断出来たと思いますよ!

この銀行に関しては木村剛氏と竹中平蔵氏の個人的な関係で銀行免許が与えられたと思われても仕方がないです!少なくとも竹中平蔵氏については銀行免許を認可したことについては一言の謝罪くらいはしていいのでは?とは思います!そうは言っても御本人はノーコメントを通すつもりかもしれませんけど。

ただ、預金者の方にも問題ありです!あの銀行に2千万円、3千800万円、5千万円も預けていた人が居たみたいでちょっとビックリしました!

過去にダメ銀行に対して税金が投入されてきた歴史があるから銀行は税金で守られるというちょっとした油断もあったのかもしれませんが。
 
 
 
時代に合わない会社は、潰そう (かくせいⅢ)
2010-09-12 22:16:58
≫桁違いな負債を出して潰れたけど、誰がこの穴埋めをするのですか? 最終的には国民?

ペイオフは、預金保険機構が保険金支払いを行うようで、まあ民間の金のようですね。

会社がつぶれるのは、日常茶飯事のことと思わないといけないのに、会社がつぶれるのは命がなくなるように思って恐れおののく屁たれが多すぎる。桁違いな負債?1兆円を超えたら桁違いになるのだろうけれど、まあ、金融機関では、並みの負債ですよ。

会社を潰すことをやれずに、生命維持装置をつけて救命するものだから、日本には古い企業が多すぎる。もう、消費期限切れのような企業ばかりだ。利益率も低く、製品の革新もようせんような企業は退場しろよと思う。

企業の新陳代謝が進まないから、GDPに関しても普通の伸長もなく、20年同じレベルを上下動しているだけ。先進国の中でも異常ですよ。もし、年率2%で成長していたら、GDPは、いまより250兆円多い。これだけ伸びがあれば、いろんな問題はたちまち解決するだろう。

桁違いの負債とおののく人よ、はした金を惜しんで大金を断念しているのが分かりまへんか?あんさんの心情も、「引きこもり」と同じでしょうね。
 
 
 
Unknown (posted by)
2010-09-13 01:01:33
金融とかそういったものには全くド素人の意見として書かせて頂きます。

山崎さんも感じておられるようですが、私も新聞(読売だったか)に「竹中氏の道義的責任について問われる事になりそうだ」といった風な記事あって、なんとなく違和感がありました。

この言葉、小沢氏のときにも使われていた気がしますが、道義的責任ってなんだかよく解りませんね。なんらかの判断ミスや雇用者責任というのならば、割と範囲が明確になりそうなのですが、道義的では抽象化されすぎていて、なんのことやら意味が分かりません。

同じような意味が不明瞭な言葉として説明責任なんてのもありますが。(何をどこまで話すべきなのか全然解らない)

こういった言葉というのは、元々の意味はともかくとして、現在では敵対する相手のミスが明瞭でないときに相手を貶すため、あるいは世間にネガティブな印象を植え付けるための言葉であると考えると、大変すっきり説明できるように思います。

>かくせいⅢ
言わんとすることには概ね同意ですが、結果としてビジネスが失敗したのですから、「チャレンジ精神が素晴らしい」とか褒めてくれる人はなかなかいないでしょうね。別にこれは日本だけの話じゃないと思いますが。。。

それと、各種報道によれば木村氏は単純に会社を倒産させただけじゃなくて、それ以外にも色々と無理な経営をした挙げ句にこうなったようですから、世間様の目が冷たいのも致し方のない事かと。

さて、一連の流れで強く感じたのは、「日本で起業するということはタイヘン根性のいることである」という事です。なにせ、日銀出身の中でもかなりのエリートである木村氏ですら、まともな事業計画を描けなかったのですから。これは日本人の「起業嫌い」という面だけで説明するのはやや弱い感じがします。
この一事で語るのは早計でしょうが、むしろ、日本という国には起業するための余地やリソースがもはやほとんど枯渇しているという事を意味しているようにも思われます。

私の受けた印象が杞憂であることを祈るばかりですね。
 
 
 
道義とは? (タロ)
2010-09-13 12:20:01
「道義的責任」の「道義」とは、要は「人の道」であって、誰かが万人に通じるモノを定義したわけではなく、結局のところ「個人の良心に任せる」ということになります。

個人の良心に任せていてはどうにもならないからこそ「法」があるのであって、そこに法的な責任が生じます。
逆に言えば、そこに至るまでは個人の判断の問題であって、竹中氏が「コメントしない」としてしまえば、その態度に対して説得力ある批判をすることは出来ないということになりますね。

私も山崎氏と同様、「おそらく判断の失敗はあったのではないか」という見方ですが、そもそも役所の仕事自体、失敗した時の責任の取り方を事前に示しているわけでもないし、したがって「どう責任をとればいいのか?」という問題も残ります(まさか「ごめんなさいね」で済むわけでもないでしょうし)。

影響があるとすれば、彼の言動に対して批判が集まるという程度で、もしかしたら講演料相場に多少は影響があるかも知れないというところでしょうか。

また、道義が「人の道」である以上、個々の価値観が自由である日本においては、結局「私はこう思う」以上の意見は出ないように思われます。
 
 
 
起業に必要なもの (田舎のおばちゃん)
2010-09-13 12:37:15
40代の経済音痴のおばちゃんです。
今回の件について、竹中氏の道義的責任云々については、私にはよく分かりません。以前、取材に対し竹中氏は「木村氏とは面識すらない」と答えたそうですが(山崎さんの認識とは異なりますね)。面識のない者に依怙贔屓をするはずもなく、この点では「経営者が違法行為をするような、問題のある団体が銀行になることを異例のスピード認可をした」という竹中氏の能力の問題だけになります。職務遂行能力の有無に対して責任は問えませんよね。

ただ、木村氏については、検査忌避等の違法行為を犯した時点で、「失敗はしたが、チャレンジ精神に溢れた素晴らしい起業家」と称賛される資格はすでになくなっていると思います。起業や経営とは、あくまでも法の範囲内でされるものを指します。でなければ、経済やくざと呼称される一部の人たちも「立派な起業家」です。闇金もしかりです。振り込め詐欺の胴元なんか、経済誌の取材を受けてもいいくらいです。

私は年を食っているため知り合いもたくさんいますので、その中のおひとりに聞いた金言を、お若い方たちに一つだけお伝えします。
「銀行なんて思うからいかんのや。あいつらは所詮、金貸しや」
これをおっしゃった方は、自分の財産を管理する資産管理会社を経営しているような、大変なお金持ちです。一代でその資産を築かれました。もちろん、投機などではなく、事業によってです。その過程で、銀行、もとい、金貸しにも、ずいぶん痛い目に遭わされたそうです。あなたのお金を預けている銀行を「金貸し」と見た時、今まで見えなかったものも見えてくるかも知れません。

私の周囲には、創業数十年の優良中小企業の経営者が多いですが、彼らの共通の不満は、これだけ預金金利が下がっても、貸出金利はかつての高金利時代と比べて大して下がらないこと、だそうです。
コメントを拝見していると、起業することに関心が高い方が多いようで、事業内容はもちろんのこと、資金の調達方法もすでに具体的に検討されている方も相当数いらっしゃるのでしょうが、どんな企業も最初は信用力のない零細企業です。起業資金が全額自己出資できない場合、おばちゃんの知人の言葉を思い出してください。チャレンジ精神だけではカネは調達できません。他の方のコメントにもあるように、元日銀エリート行員である木村氏ですら、難しかったのですから。

起業に必要なものは、カネを引っ張ってくる力、と言っても差支えないと思います。すなわち人脈や「既存銀行を説得する力」または「莫大な個人資産」でしょう。木村氏は「人脈」のようですね。その結果が「銀行の設立」だったのでしょう。融資だけなら銀行である必要はありません。資金を何とかかき集めるために、出資法上、銀行でなければならなかったのです。

現実に、おばちゃんのダンナは、中小企業(今風に言えばベンチャー企業)勤務で、経営会議にも出席する立場ですが、資金調達が一番の問題らしいです。経営者のガッツより、銀行の審査をどう通るか、が起業できるかの分岐点と言っていいでしょう。
皆さんが興される会社が発展することを祈っています。ガッツの塊の金太郎さんのようには、なかなか事はうまく運びませんよ。
 
 
 
レトロな黒い感じ (tomtomclub)
2010-09-13 16:39:15
 山崎様
確かに、木村氏はなぜSFCGの連中とまで組まなければならないほど追いつめられていたのか。そこが一番の興味のツボですよね。いわゆる豊田商事ルーツといいましょうか、レトロに黒い人たちは粘着質で怖いですが、関わり合いにならなければ、もちろん他人です。そのへんの距離感がわからないほどナイーブではあるまいに、木村氏。しかし自己競売でノンバンク粉飾とか聞くと、バブル処理の90年代を思い出し、レトロな黒さが懐かしいですよね。
 posted by 様 
私も同感です。起業の余地なんて、もはやないんじゃないですかね。
 田舎のおばちゃん 様
同感です。上場しない限り、死ぬまで連帯保証と銀行付き合いはついて回りますね。中小企業の資本過小は税制度が今のままなら変わらないでしょう。ちなみにもし死んだら、連帯保証の金額は相続の際に考慮されないので、相続税が高額になり、妻子には相続放棄しか手段なし!という悲惨なケースも考えられ、とにかく大変ですよ。
 
 ちなみに、自見大臣(!)がどういうレベルの人かは元県連の人曰く、、、、、やめときましょう。竹中氏にどうこう言える人間ではないようです。
 
 
 
ナイーブ (山崎元)
2010-09-13 19:04:13
tomtomclubさま

>木村氏はなぜSFCGの連中とまで組まなければならないほど追いつめられていたのか。そこが一番の興味のツボですよね。

そう。そうなんです。

後で仲間割れした創業メンバーから株を買い戻すときに、親族企業に振興銀行から融資したお金は、一時問題化しましたがその後に返済されています。たとえば、この返済資金はどこから出たのか、といった辺りに鍵があるのかも知れません。

ともかく木村氏が常識では考えられないくらい焦っていたこと、ある時期から振興銀行の経営でうるさく言う人を遠ざけてイエスマンに入れ替えたことなど、背後に何か事情がありそうな気がします。

>レトロに黒い人たちは粘着質で怖いですが、関わり合いにならなければ、もちろん他人です。そのへんの距離感がわからないほどナイーブではあるまいに、木村氏。

どうも彼をよく知る人の話では、その種の「ナイーブ」さが彼にはあったようです。(確かに、創業時から・・・・。)

この辺り、株式を持ったまま総裁に就任してしまった福井俊彦さんのフンドシの緩さと共通する甘さを感じます(そういえば、木村・福井のご両人は仲良しでした)。これが、日銀マンに共通する浮世離れぶりなのかもと言うと、他の日銀マンに失礼になるのでしょうが、他の人達は大丈夫なのだろうかと、ちょっとだけ心配になるところではあります。
 
 
 
また特捜か! (かくせいⅢ)
2010-09-14 12:36:04
また特捜か。

おおよそ、経済行為に特捜は馴染まない。ライブドア事件がそうであったように、特捜が入ることで経済行為に支障が出て、結果倒産にいたる。

ライブドアも結局、大山鳴動して粉飾決算35億で、毀損した株価6千億円。なぜ、この損失を検察庁に請求しないのだろう。検察庁が補償しろと声を上げる評論家がいないのだろう。

今回の、振興銀行の本当の罪は、粉飾決算だけで、検査妨害というのも710通のメールを消去しただけのことのようだ。細野祐二氏のこの記事を読めば全貌がおぼろげながら分かる。またもや特捜検察の予め決め込んだ罪の金型にはめ込む作業でしかない捜査をやっている。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/1057

別の事項だが、銀行を認可したことに責任があるような話をする人がいるが、それこそ政府(官僚)が、許認可権を持ち、全知全能であるかのような、認可する時の「お上」の予知能力にすがる話となっている。

ある形式的な条件さえ整っていれば、全案件に銀行を認可するようなシステムになっていないとおかしい。つぶれる銀行に預金したのは、自己責任ではないか。なぜ、そこまでお上に頼るのだろう、いい加減依存体質は失くさなきゃ。

店主が「これらは金融論の理屈で分かることですから、行政はこれを看過してはいけなかったのですが」と語るのが腹に落ちない。政府に新しいビジネスモデルの適否等判断させる考えが間違いだ。官僚は所詮、現状維持しか出来ない。そういう保守がいることも、社会が上手く運営されるうえで重要である。リスクを取るのは民間、そのリスクの適否まで官僚が出てくるのは異常なのだ。

≫、「チャレンジ精神が素晴らしい」とか褒めてくれる人はなかなかいないでしょうね。別にこれは日本だけの話じゃないと思いますが。。。

アメリカではそうではないそうですよ。チャレンジして倒産しても、本人は再チャレンジを期しているし、まわりは「よくチャレンジした」と評価すると聞きます。だから、リーマンショック以降の起業数は増えている。日本がガタ減り。ひきこもり70万人と言う国だけのことはある。

≫あいつらは所詮、金貸しや

他人の職業を貶めて、心地良いですか?
金融業に頼らないようにする為、性悪説で自分の事業を経営することは正しいでしょう。しかし、ベニスの商人のシャーロックばかりだと言うのも間違いでしょうね。それぞれが社会的機能を果しているから、存在しているはずです。職業に貴賎なしが基本ではないですか?
 
 
 
50年後は浮浪者か・・? (かくせいⅢ)
2010-09-14 12:58:40
≫日本という国には起業するための余地やリソースがもはやほとんど枯渇している・・

本田宗一郎氏が、ホンダを息子に継がすかどうかを思案している時に、ご子息が「親父の時代は良かったよなぁ。いろいろ起業する分野があったからなぁ」という意味のことを言ったので、こいつに継がせたらホンダを潰すだろうと思い、血縁でない人に継がせたという有名な話がある。

どんな所にも起業の種はあるし、条件もその気になれば整えられる。あんたがたには、その気力がないだけだよ。まあ、それでも生きていたら気力のなさがどんな結果を招くのかについて生き証人となれる。

もし悲惨なことになっていたら、孫にでも、気力は大事だと教えて死ぬことだよな。

こんな数値が出ていた。

2008年で米国留学生で博士号取得者

順位  国・地域    取得者数    割合(%)
1   中国      4526    29.9
2   インド     2316    15.3
3   韓国      1440     9.5
4   台湾       642     4.2
5   トルコ      558     3.7
6   カナダ      497     3.3
7   タイ       327     2.2
8   日本       255     1.7
9   メキシコ     207     1.4
10  ドイツ      194     1.3

別に、アメリカで起業して上場した外国人の統計を見たが、台湾が一番。日本は20位にも入らずゼロだったと思う。

この数字は何を示すのか。
努力をしないことを示している。
多分、貧しくて留学できない等と言訳するだろうね。
そうしてなさい、そうしてなさい。

30年後にアジアの人達が、浮浪者然とした日本人を見て言ってるだろう。「坊や、あの国の人は50年前は、それは立派な国だったのだけれど、放蕩の果てはああなるのだよ」
 
 
 
起業ねえ、、、。 (tomtomclub)
2010-09-14 21:12:34
 かくせいⅢ様
あのー、起業家がいないと日本は滅びるのでしょうか。ベンチャービジネスってそんなに社会に必須なものなんですかね。
 むしろ、人的物的資本の蓄積がある旧財閥系や大企業なんかがリストラクチャリングして強くなるほうが、てっとりばやい気もするんですが、、、。
 韓国や華僑の新興アジア勢が強いのは、財閥に資本が集中できているのと、政治もからめた門閥を十二分に活用できているからで、別にミニ、ジョブスみたいなのがごろごろしているからではないでしょう。
 あと、外国で博士号をとる人がドイツや日本で少ないのは、単に受け皿が国内にあるから必要ないだけで
やる気うんぬんとは関係ないのでは、、、。
 金貸しというのは、私からすれば、蔑称ではないですよ。むしろ今の銀行は金貸しですらない。国の出先機関として国債を買うだけの準公務員です。
 プロジェクトXみたいな世界(ファンタジー&ノスタルジー満載)がお好きなのかもしれませんが、現実をみれば、きれいはきたない、きたないはきれい、ではないですかね。
 
 田舎のおばちゃん様
サラリーマン金太郎はいいですよね。金主が「おぬしに惚れた!」でOKですもの。現実の金主は怖いですよー、木村氏もさぞや、、、、。
 
 
 
 
 
あまりにナイーブな記事 (senna-pro)
2010-09-15 15:28:42
ダイヤモンドオンラインでもぐだぐだ書いてますが、結果論にすぎませんね。
明確に法的な責任があるならともかく、このような時期にわざわざ曖昧な責任論など持ち出すのは、結局、「小泉・竹中ブランド」を傷付けたい現政権や既得権益層に加担する結果になるだけです。

木村氏の否は否として、一方に情報が偏っている今こそ、彼が不良債権処理に果たした功績について語るのがオピニオンリーダーの役割なんじゃないでしょうか。「それとこれとは別問題」なんて幼稚な建前論は止して下さい。(彼の罪に批判的な人達は、意図的に彼の功績を無視しているのですから)

このようなあからさまな政治案件に対して、山崎さんの記事は余りにもナイーブです。
ただでさえリスク回避的で、起業意欲の低い日本で、その傾向をさらに強める結果となりかねない記事を書いた山崎さんには「道義的責任」は無いんでしょうか。
 
 
 
フィナンシャルクラブ (山崎元)
2010-09-15 23:08:36
木村剛氏が作った会員制の勉強会組織でフィナンシャルクラブという会があります(株式会社の形になっています)。セミナーを行ったり、レポートを配信したりしていますが、竹中平蔵氏のレポートは、先月で配信が打ち切られました。竹中氏なりの考え方があってのことでしょうが、会員はもちろん悪くありませんし、この会の趣旨・活動にも問題はないように思うので、残念なことです。友人なら、困っているときこそ、助けてあげたらいいのに。

以上のように思ったこともあり、フィナンシャルクラブの会員向けのレポートの原稿を書くことにしました。

一回目のレポートの冒頭は以下の通りです。

========================
 フィナンシャルクラブ会員の皆様、こんにちは。山崎元です。日本振興銀行を巡る問題で木村剛さんが逮捕された時、ファイナンシャル倶楽部はどうなるのか、と心配しました。私もフィナンシャルクラブの会員です。
 率直に言って、木村剛さんに言いたいことはあります。何よりも、振興銀行の問題について、ご本人から十分な説明を聞きたい。
 他方、経済・社会について一緒に勉強を深めて行こうという、フィナンシャルクラブの趣旨とこれまでの活動には一点の曇りもありません。この会の設立は、木村剛さんが行った「いいこと」の一つでしょう。今回、チャンスを頂いたので、会員様向けのレポートを書かせていただこうと思います。
 これまで、木村剛さんと私の関わりの多くは、お金の運用をテーマとしたものでした。これから、八回の予定で、私なりの「山崎流・資産運用の発想法」について書いてみることにします。よろしくお付き合い下さい。
=======================
 
 
 
起業とチャレンジ精神 (タロ)
2010-09-15 23:22:46
起業とチャレンジ精神、そして人材基盤等が話題になっているようですが、こと日本においては、やはりこれらは脆弱であると言わざるを得ないでしょう。

起業に対する社会通念も米国よりは否定的ですし、「単に受け皿が国内にあるから必要ないだけ」とされる国内基盤も、科学技術白書によると、科学工学系博士号取得者数では、人口比で英米独に劣ります。
また、研究者一人当たりの支援者数でもそうですし、日本の科学工学系博士号取得に価値があるからこそ米国で取得しないのだという主張ならば、国内における外国人学生の割合は高くてよいはずですが、実際には割合で見て英米の1/4に過ぎない。

起業の結果、その成功例の集合体である新興市場の規模も、米国のそれ(ナスダック)は伝統的企業の市場である東証のそれに匹敵しますし、NYSEに至っては東証の比ではない。

さらに、アップルやアマゾン、グーグル、マイクロソフト等、直近20年で起業、もしくはビジネスモデルの大転換や大発展を遂げた企業群ほどには、日本のそれが及ばないことを見ても、正直、チャレンジ精神の体現やその基盤が劣るというのは否めないところでしょう。

優れた企業群が優位性あるビジネスモデルによって期待利益を拡大し、結果として個別企業の時価総額に反映するとなれば、その企業が増えるほど新興市場も繁栄し、さらに経済活動を活発にすることで付加価値の総額も拡大(経済成長)する。

こうした面が日本にほとんど見られないことは確かでしょう。

木村氏の逮捕要件である容疑も含め、その周辺の疑惑に関しては、今は全く想像でしかモノを言えませんが、仮に違法行為があれば、チャレンジ精神への評価やその環境整備とは分けて考えるべきだとは思いますがね。

でも、「世の中は発展するべきではない」とでも言いたげな徳川幕府の統治下においても、高田屋嘉兵衛や堂島の存在があったことを考えれば、日本人にはチャレンジ精神やそれを鼓舞する価値観がないわけではなく、ただ単に眠っているだけなのかもしれませんね。
 
 
 
Unknown (くまさん)
2010-09-16 01:10:44
現在の日本は、伸びていく新興国の影で落ちぶれていくイメージがありますが、かつてはジャパンアズナンバーワンと言われるぐらい調子が良かったわけです。

じゃあ、昔の日本は現在と比べて起業が盛んだったのでしょうか?博士課程進学者が多かったのでしょうか?銀行は担保を持たない若者に融資してくれたのでしょうか?

今も昔も大企業に就職して安定した人生を送るのが大多数のあこがれだったと思うのですが。
 
 
 
日本の変化 (山崎元)
2010-09-16 03:17:08
くまさん様

本当は、一本エントリーを立てたい大きなテーマなのですが、目立つように書くと、反応・反発に対する対応が負担なので、こっそり、コメント覧に書きますが、過去30年くらいの日本人(日本居住者)の変化は、「頭が弱って、カラダが元気になった」、象徴的には「学力が下がって、野球とサッカーが強くなった」ということではないかと思います。

かつての日本は受験地獄でもありましたが、学力が国際的にも高かったと思います。しかし、今では、米国の一流大学院は成績で採ると中国系、韓国系が増えすぎてしまうといわれる中で、日本人留学生の数は少ないし、初等・中等段階のの国際比較した学力も下がっています。

一方、野球はメジャーな大会ではないとはいえWBCでは優勝するし、サッカーもワールドカップに出ることが不思議でないレベルに上がってきました。まあ、スポーツでは元気になった。それはそれとして、結構なことでしょう。

しかし、学力と同じくらい私が憂慮しているのは、インターナショナルで且つ高度な頭脳競技である囲碁の相対的弱体化です。

かつては、中国のトッププロが日本の一流プロに勝つと本国では大いに騒がれましたが、今や、世界棋戦で日本人はベスト8に一人はいるか否か、というくらいの状況です。頂点のレベルは韓国が高く、中国は選手層が厚く、ともに、日本よりも強い。

日本の方が囲碁の歴史的蓄積が大きく、プロ棋戦の賞金も高く、プロの制度も整っていたのですが、簡単に抜かれました。

日本人は頭が弱いのか、根性が弱いのか、おそらくその両方が弱いのでしょうから、残念なことです。

熱意を傾ける対象が変わったのだ、と考えたらいいのかも知れませんが、では、頭脳の世界では、かわりの何に秀でるようになったのかというと、目立つものは何もありません。

この状況を見ると、どうも集団としての日本人が根を詰めて頭を使わなくない方向に変化して、その結果として、頭脳分野一般の平均的な力が落ちた、と解釈するのが素直なのではないかと思えます(ガッカリ)。

もちろん、頭は主として個人の問題なので、集団としての日本人の勝ち負けを我が事のように思う必要はないのですが、「賢さ」には外部経済性があるので、日本に頭脳が優れた人が少なくなることは残念なことです。

ちなみに、実感としてですが、日本人の頭脳及び企業の衰退は80年代にはもう始まっていたと思います。バブルでこれが隠れたことは、幸運でもあり、不運でもあったと思います。
 
 
 
「努力」に対する価値観の変化 (田舎のおばちゃん)
2010-09-16 12:28:12
山崎様
新参の、しかも経済の素人が、山崎様宛にお書きして大変失礼いたします。くまさん様のご意見に対するコメントに同意(囲碁は分かりませんが)するとともに、私が肌身で感じた実感を少しお話させて下さい。

確かに学力は下がっていると思います。
私は40代の共通一次世代なのですが、大学の入試一つをとっても、一芸入試やAO入試等、学力試験を課さない入試が一時流行しました。AO入試については、先般、期待した学生は集まらず、むしろその大学に入学できるだけの学力のない学生が入ってくるルートになっている、との理由で廃止が相次いでいるとの報道がありました。

子供(学生)が、できるだけ楽をしたいと考えるのは当然のもので、これは大人にも共通するものです。
が、昔は、親が貧しい時代を生きた経験があるからかも知れませんが、そんな子供に努力をさせるように必死に頑張っていました。戦後の貧しい時代を知っている私の両親もそうです。「何事も一所懸命にやれ。目を詰めろ(適当に済ますな、の意)」が当時の父の口癖でした。

しかし最近は、必死で勉強することは恰好悪いとか、地道に生きるより一発勝負で何億も稼ぐのが現代風、とかいう意識が親自身にすらあるため、テレビでもてはやされるスポーツ選手の方が、親から見ても人気職業になりつつあると思います。
全体的にスポーツが強くなったのは、子供にそのスポーツをさせる親が増え、層が厚くなったためと思われます。囲碁は野球やサッカーに比べて地味にしか報道されないので、注目されないのでしょう。

スポーツ選手を目指すのも、とてもすばらしいことだと思います。ただ、イチロー選手が、見えないところでどれほどの努力をしているかを考えず、才能さえあれば簡単に成功できると考えている人が多いように思います。

もう一つ、日本では専門家の地位が諸外国に比べて非常に低いことも問題です。
どれだけ学問をきわめても、その収入も地位も「ゼネラリスト」ほど高くはなりません。悪い意味で、彼らの補助職で終わってしまうのです。
むしろ博士号など取得してしまうと、それだけで就職が困難になるくらいです。年齢と学歴が高い分、高い給料を払わなくてはならない、というのが主な理由で、専門知識を買うという発想はそこにはありません。
ですから、トップクラスの頭脳と知識を持つ方は、それが高く評価される国に次々移住されています。

私の弟は理学博士(物理学)を取得しましたが、某国立研究所に正規研究員として就職できるまで5年かかりました。
それでも弟はまだ幸運で、同時に大学院に在籍していた彼の友人の多くは、まだ大学等の有期雇用の研究員です。

友人に、旧帝大の理工系学部の教授の奥さんがいるのですが、私の弟の就職決定の話をした時、ご主人は
「それは幸運だ、有期雇用して使い捨てなんてザラだからね、国立といえども」
とおっしゃったそうです。

学位をとることがベスト、とは言いませんが、専門分野を深く研究するための、かなり有効な手段であることは間違いありません。
もちろん、大学なぞ出ず、働きながら実務の中で技術や知識を磨いていかれる方も大勢いらっしゃいます。少なくとも高度成長期の初期には数多くいらっしゃいました。

そのような、仕事を通しての「勉強」にさえ重きを置かなくなった時が、日本人の頭脳や企業の衰退の始まりだったのでしょう。
私には転換期がいつか分かりませんが、山崎様のご意見を拝借すれば、その時期が80年代だったのかも知れません。
 
 
 
答えのない独り言 (小倉摯門)
2010-09-16 13:18:48
30年間銀行で金貸しをして来た経験から言えば、「中小企業金融」は非常に難しい。規模の利益と経営の効率を求める先進国の金融機関には、相容れない分野(ビジネスモデル)だと思います。其れで好い訳は決してないが、其れが今の現実かと。
それ故、消費者金融(今は過去の精算で瀕死状態ですが)や闇金が繁盛する。有名なグラミン銀行モデルも、日本での成功モデルとしては現実的ではないし・・。

1.金融機関側
矢張り、新設の振興銀行や新銀行東京など、志はあるが資金力も組織の蓄積経験が乏しく属人的知見に頼る態勢では無理でしょう。企業体力も蓄積経験も持った既存銀行が大中小取り混ぜて、本腰を入れることしかないのかなと思います。その推進力(Motivation)は限られている中で、大上段に構えた「金融機関の社会的存在意義と役割」だと思う。
十年位前に銀行が不良債権問題に目処を付け「攻めに転じる!」と宣言した際に(景気が堅調な時期でもあった)、国際化などに混じって「中小企業の経営指導業務を強化する!」と謳い上げていた。その後、デフレが定着し景気低迷が顕著になる過程で、立ち消えになったようですが。一面の皮肉になりますが、経営指導などというものは景気が良い時には不要であって、不景気な今の時期こそ必要なんですが・・、銀行は変わっていない?(笑)。
横並びの競争意識が抜けていない、効率経営や株主主義から抜け出すのは最後のグループになるののだろうし・・、間接金融故の強いリスク感覚と当局の姿勢もある。
皮肉や否定的な要素は兎も角として、銀行の経営陣にもこの分野に関心を持っていることは確かだと思うのですが・・、中小企業金融ノウハウを新たに開発し進化させる知的総合力(経験など)ある筈ですが・・、甘いかも。

2.中小企業側
企業の経営者にも、工場現場や営業現場や経理まで会社の全ての現場に立ち入る必要があって大変な苦労ではありますが、合理的な3年程度の事業計画は造るという意識と態勢が必須ですね。「過去の経験と勘」だけでは・・。Globalizationの時代などとは言いませんが、其れも現実。
 
 
 
囲碁に関して言えば… (囲碁ライター)
2010-09-16 15:53:50
初めてコメントさせていただきます。

経済など、日本全体の問題については意見できる立場にありませんが囲碁に関しては山崎さんよりも詳しいと思います。
ですから少しだけ愚見を述べさせてください。(私個人の意見です)

山崎さんご指摘どおり、日本代表は振るいません。

山崎さんは
>日本人は頭が弱いのか、根性が弱いのか、おそらくその両方が弱いのでしょうから、残念なことです。

と分析されました。
事実かもしれませんが、それではあまりにも夢がないので反論させていただきたいと思います。

日本の囲碁界は中国や韓国に比べると競争が比較的緩やかです。
日本の国内棋戦である程度活躍すれば生活に困ることはありません。

プロになったとしても活躍できなければ暮らしていけない中韓とは違い、日本ではプロになればある程度の生活は保障されます。(注、レッスンプロを含め)

ある程度の収入が保証されている集団よりも、いつ食えなくなるかわからない集団のほうが勝ちやすいのは明らかでしょう。

ただしどちらの集団が幸せかは悩ましいところです。

もし自分がプレイヤーならいつ食えなくなるかわからないというのはとても不安ですし…(その分努力するとは思いますが…)

その反面、中国や韓国で囲碁のプロを目指す少年たちの必死さにはとても心が打たれます。

いろいろな裏話を語り合いたいところですが、これ以上突っ込んだ話はここではなじまないので割愛させていただきます。

私は囲碁の世界しか知らないのでこれが日本全体に応用できるかはよくわかりません。

これからも活躍を期待しております。

 
 
 
日本に趙治勲が生まれる日は? (山崎元)
2010-09-16 17:08:48
いらっしゃいませ。ご専門の分野からの貴重なコメントありがとうございました。

私も、日本人が、素質の段階で、頭が弱いとか、根性がないと思っているわけではありません。

ご指摘のように、重要なのは競争環境とインセンティブでしょう。サッカーでも、野球でも、たたおえば選手の兵役免除が懸かっているチームは火事場の力的な力を出すことがよくありますし、日本人の学力の問題も、端的に言って、子どもが減るのとともに入試が緩くなったことの影響が大きいのではないでしょうか。

それにしても、日本人の圧倒的な囲碁世界チャンピオンが生まれる日は遠そうです。トップ集団で揉まれて、かつプレッシャーの中で戦わないといけないとなると、「世界チャンピオン以外意味がない」と心に定めて、中国なり韓国なりに渡って、完全アウェイの環境で修行するような、若き日の趙治勳さんのような「精神の怪物」が登場しないと無理、ということでしょうか。

これは、不景気ではあっても、そこそこに快適な日本では難しいことかも知れません。

一つの希望的可能性は、仕事で中国に行って働いているパパの息子・娘に囲碁の天才が生まれることでしょうか。天才がトップ集団での競争を味わうと、限界を感じるまで、「日本に帰りたい」とは言わなくなるでしょう。

囲碁は個人単位のゲームですし、私はアンチ-ナショナリスト(ナショナリズムは克服すべき病だと思う立場)なので、囲碁競技は個人単位で観ていきたいと思っていますが、それでも、高度な頭脳ゲームである囲碁で日本人の世界チャンピオンが誕生したら、喜んで興奮しそうです。

もちろん、現役のプロにも期待はしています。昔から石田芳夫さんのファンだったのですが、加えて当面の贔屓は、同郷の旭川市ご出身の山下本因坊と、ブログが素晴らしい高尾九段、女流では鈴木歩さん、といったところです。
 
 
 
中小企業へ融資する金融機関 (田舎のおばちゃん)
2010-09-17 11:47:40
小倉摯門 様

本職の方のコメント、大変興味深く読ませていただきました。察するにお勤めの銀行は大手都市銀行ですね。

金貸し業30年のベテラン金融マンでいらっしゃるようですが、融資畑一筋の30年ですか。それともいろいろな部署を経験しておられますか。
いや、銀行内の部門間の人事交流について興味がありますので、ちょっと伺っただけで、他意はありません。

「金貸し」さんに対しても、決して悪意も蔑視も持っていませんので、誤解しないで下さいね。合法的に事業を展開しているのですから、まったく問題ありません。都市銀行さんが法定上限を超える利息を取っているという話も聞きませんし、粉飾決算など絶対にしていないでしょうし。

ただ、起業に関心の高い方が多いので、その方たちに向けて、中小企業の資金繰りの実態を補足説明させていただきます。なにせ、小倉摯門様が経験された「事業計画も出ない」ような企業は特殊ケースですので。

まず、普通の中小企業は、都市銀行に融資を申し込むことはありません。門前払いをされることが分かっているので、時間の無駄ですから。
小倉摯門様が経験されたケースは、都市銀行の融資先がどこなのか、ということすら知らない経営者でしょう。中小企業というより個人事業主で、しかも経営を知らない二代目以降あたりだと思います。

中小企業の資金調達先は、ずばり「地元の地銀や信用金庫」です。やや荒っぽい分類ですが、私も素人ですので複雑なことは分かりません。
どちらから借りるかは、その会社の信用力によります。

私の夫の勤務先のように、市場公開はしていないものの、株式会社であり、実績もある会社なら地銀(第二地銀ではなく)です。状況によっては私募債等も引き受けてもらいます。

融資を申し込む金額の単位は、大体「億」です。この程度の単位で都市銀行に話を持っていったら笑われますよ。少なくとも2ケタ足りません。

まだ実績がなく、信用力のない新興企業は、信用金庫から始まります。もちろん、信用金庫にも審査はあります。会社と経営者個人の所有している不動産が威力を発揮します。

それでも全国の信用金庫の業績が不振なのは、かなり厳しい条件の企業にも融資しているからです。理由は、大手銀行と違って、本店のある自治体と密接に結びついていて、地元の雇用や企業を守るために、採算性の低い融資も行うためです。

中小企業を資金面で支えているのは、やはり中小金融機関です。

採算性の低い融資も受けられるなら、簡単に資金調達できるではないか、と思われた方、それは違います。当然、信用金庫にも融資を断らざるを得ない案件が出ます。
そこで初めて消費者金融等の高利の金融機関に手を出すのですが、このあたりにきてしまうと、企業は末期です。業績好転は不可能だと思ってください。

ただ、日本では、会社を廃業させるのにもお金がかかるので、運転資金を調達して走り続けるしかない状態に陥るのです。不渡りを出して倒産するまでの間、ずっとずっと。

中小企業経営者が資金繰りに行き詰った時、夜逃げしたり自殺したりするのは、「逃がしてくれない」筋から借金をしているからです。しかも連帯保証人が家族だったりすると、もう一家で夜逃げか一家心中しかありません。
ですから、優秀な経営者は、債務超過に陥らないうちに廃業します。

起業して倒産しても死ぬわけではない、と思っている方、上手な逃亡をできない限り、本当に死にます。日本では起業は命がけだという覚悟で臨んでください。(ただし、政界財界に太い人脈があれば別です)
融資の条件に、自分や家族の生命保険金を担保にとるような金貸しさんとは、お付き合いしない方が賢明です。

夫の勤務する会社の創業社長(今は会長です)が、起業したきっかけも書いておきます。
CDお持ちの方、みゆき様の「希望の星」をかけて下さい。

彼の勤めていた会社が、ある日倒産しました。社長はとっくに夜逃げをしています。
倒産手続きを誰もしないので、彼と、彼の一人の部下が、シャッターを閉めた会社の中で、二人だけで帳簿の整理をしています。

そのシャッターを蹴り続けて(叩く、ではありません)怒鳴っている債権者なぞ、気にもなりません。彼は一社員であって、債務者ではないのですから、対応する責任もありません。

その騒ぎのなか、慣れない経理処理をしながら、彼は初めて「経営や経理って面白いじゃないか」と思いました。

彼は工学部出身でしたが、超一流大学を出ていましたので、学友たちは既に大企業で相当の地位にあります。
起業すれば、基本的には仕事を取ってこなければなりません。すごいものを発明して、特許を取っても、その販路開拓は必要です。人脈は不可欠です。
そういう意味で、彼に、行けば必ず会って話を聞いてくれる、大企業の友人が多かったのは、非常に幸運でありますが、逆にこれがあるからこその起業の決断でした。

資金面は何とかなりました。
倒産処理をした時、経理関係のことが勉強できていました。苦労はしておくものです。

さらに、債権者の怒鳴り声を聞きながらの仕事でしたので、どこから借りてはいけないか、も身をもって理解しています。
債権は「売却」できますので、どの金貸しさんの売却先がどんな所なのか、把握しておくことは大切です。

起業は成功し、一緒に倒産処理をしていた元部下は、経理担当の役員として実力を発揮してくれました。有能な番頭さんです。
この番頭さんがいなければ、とても経営はできませんでした。なぜなら、社長の自分は、仕事の確保と資金の確保で走り回る毎日ですから、ち密な経理などやっている暇はありません。腹心の番頭さんは不可欠です。

最初は自宅を担保に入れたりもしました。今では別荘も持っています。会社は息子が継いでくれました。
(このあたりでエンディングテーマ曲「ヘッドライト・テールライト」をお願いします)

小倉摯門様、ご心配には及びません。
中小企業には中小企業なりの資金調達方法があります。サラ金や闇金に手を出している企業は一部です。
都市銀行さんが、ちまちまと1億2億の融資などする必要はありません。

最近は大手企業の資金需要が減っているのかも知れませんが、その代わりに投資信託や変額年金等の販売を通して、利益をあげられるではありませんか。

住宅ローンにも、以前より積極的に参入されているようにお見受けします。ノウハウのある不動産担保融資をされるのは、非常に堅実です。
「過去の経験と勘」で、事業計画もろくに描かずに融資申し込みにくるような企業を、相手にする必要はありませんよ。
 
 
 
曲名訂正 (田舎のおばちゃん)
2010-09-17 14:32:05
長文を書いてしまってすみません。
しかも、みゆき様の有名なヒット曲名をタイプミスしているのを、後で読み返して気が付きました。
「希望の星」→「地上の星」
訂正願います。
変換できてしまうと気づかないもんですね。

いやあ、あの番組、初めの方の2回くらいは見てるんですけどね。トモロヲさんの口調をまねられるほどには、見てないんですよ。
 
 
 
もしよければお教え下さい (tomtomclub)
2010-09-17 15:34:45
 田舎のおばちゃん様
 中小企業相手は黒い大きなバッグにママチャリの似合う信金マンが御用聞き!が基本ですよね。しかし私募債まで引き受けさせるとは、旦那様はやり手ですなあ。
 そういえば三井住友BKが一時期、自動審査とかなんとかで中小企業相手に高いさやを抜こうとしてましたが、結果不良債権化したのも少なくなく、うまくいかなかったみたいですね。都銀の仕事ではないんでしょうな。
 小倉様
 もし金融関係の方であれば、お教えいただきたいのですが、バーゼルⅢの規制は国内金融機関にどんな影響を与えると予測されてますか?現場の方ならではの生々しい意見があれば、ぜひ拝聴したいのですが。
 差し支えあれば無理にとは申しません。漢字も読めない者からのお願いではありますから。
 
 
 
 
長居は無用ですね (小倉摯門)
2010-09-17 20:57:52
山崎さんに向けたメッセージだったのですが、お二人からご反応を戴き有り難うございました。

田舎のおばちゃんさん2010-09-17 11:47:40
(私は様さま殿は基本的に使いませんので、悪しからず。)

まあ失礼ですが、中小企業金融の問題点の捉え方が違うようですので、私は長居は無用ですね(笑)。
私は「大中小」の銀行が夫々に役割を担って行くというシナリオですが、地銀信金信組だけで十分なら問題は発生しませんし金融批判も起らない・・、然し、多くの現場の実例と齟齬があるのでは?
勿論、中小企業の中には業績も順調資金繰りも順調という会社は少なからずある訳で、そのお立場からは問題点が共有できないし、お話も摺れ違いますね。
くどいですが、私が念頭に置いているのは業績が不振資金繰りも不振なとはいえ夜逃げの様な惨いことはしたくないという「例外的な」中小企業の方々です。


tomtomclubさん2010-09-17 15:34:45
(同上)
ううううむ!素晴らしいご質問ですね。
私は只の「金貸し」でしたから、バーゼルⅢのような極めて専門的で高度なご興味をお持ちの方に何かを申し上げる立場にはありません。お人の悪い・・(笑)。
 
 
 
機会損失 (ぎんえもん)
2010-09-17 21:53:22
許認可権がある人の道義的責任って言うと、自分の知り合いに認可を与えて儲けさせるようなイメージなんですが、失敗した場合にはどうなんでしょうか。
もし成功して大儲けしたら問題でしょうけど、失敗した場合はたんに見通しが悪かっただけなんじゃないでしょうか。
その見通しもかなり難易度が高かったと思います。
当時は貸し渋りが問題になっていて、銀行は悪者でした。
振興銀行とか新銀行東京が失敗して論争が決着した部分もあったと思います。
許認可の判断ミスはあまり責めない方がいいと思います。
たとえば楽天証券のようなインターネット専業証券などもやってみないと成功するかどうかわからない部分もあり失敗する可能性もあったはずです。
そういうリスクを監督官庁が全部見通せないといけないというのは不可能ですし、行政の能力を超えています。
ライフネット生命なんかいまは脚光を浴びてますがこれからどうなるかわかりませんからね。
(山一証券や長銀でさえつぶれたんですから。)


 
 
 
Unknown (posted by)
2010-09-18 03:44:26
木村氏が批判されているのは、様々な偽装工作やかなり無理な経営をしていたこと(経営責任)であり、竹中氏の道義的責任(?)については、木村氏の案件が異例といっていいスピード審査だったことに起因してます。

どちらも普通じゃない面があったから、いいネタになっているのですから、一応そこは踏まえておかないと議論が脱線しやすくなります。

木村氏はともかくとして竹中氏は別に説明しなくてもいいですし、あの方の性格上都合の悪い事は何一つ喋る事はしないでしょう。ただ、どんなことを話すかは見てみたい気がします。もっとも、ある程度推測できてしまうのが、やや哀しいところではあります。

教育については、尻を叩けばナンデモできる的な考え方は、個人的にはあまり賛成できません。。。私自身がそういうのが性に合わないというのもありますが、豊かになった国には豊かさを活用する教育方法や勝負の仕方を見つけるべきでしょう。
受験競争主義の限界性も明らかだった訳ですから、どうすれば全体のレベルの底上げを図ることが出来るのか、別の方向からのアプローチが必要では。
北欧や英国などが注目されるのも、そういった面がバックにあるからだと思いますが、どうでしょうか。もっとも、北欧や英国ばかりを理想化するのもどうかとはおもいますが、要はどう取り入れるかです。

何となくですが、今の日本は現状維持を望むというよりも、封建主義とすら呼べるような硬直的な雰囲気に近づいているように感じます。もうちょっと、誰が何をやってもいいような社会であって欲しいですね。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2010-09-18 14:37:49
小倉摯門さま

>矢張り、新設の振興銀行や新銀行東京など、志はあるが資金力も組織の蓄積経験が乏しく属人的知見に頼る態勢では無理でしょう。

振興銀行問題の経済的側面は、このご指摘が結論であるように思います。

銀行業、もっと広い意味では金貸しは、融資候補先に対して他人よりも有意な情報を持っているからこそヨリ適切な金利での融資が出来るのであって、情報と判断の優位が根本になければいけません。

新銀行東京もそうですが、振興銀行の「チャレンジ」には、この視点が欠けていたように思います。5%~15%の金利ゾーンの難しい融資相手をスコアリング・モデルで審査できると考えたのだとすると、世間知らずと言わざるを得ませんし、そうでないと考えたのだとすれば、審査機能の充実が必要でしょうし、決済機能なしでどうやって融資先の状態を取引銀行よりも有利に把握できるのかについて考える必要があったと思います。

この問題を抜きに振興銀行を論じると、小泉・竹中路線が悪かったというようなピントのずれた政治談義になったり、起業や新しいチャレンジをもっと尊重すべきだというこれまた論点のずれたビジネス・マッチョな議論になるような気がします。

小倉摯門さんも、たぶんそうお考えだろうと想像しますが、上記の二論はいずれもツマラナイ。
 
 
 
上記のコメントは私です (山崎元)
2010-09-18 14:39:08
名前抜きで投稿してしまいました。上記の小倉摯門あま宛のコメントの筆者は、山崎元です。
 
 
 
振興銀行は別として、 (山崎元)
2010-09-18 14:47:24
posted by さま

>今の日本は現状維持を望むというよりも、封建主義とすら呼べるような硬直的な雰囲気に近づいているように感じます。もうちょっと、誰が何をやってもいいような社会であって欲しいですね。

振興銀行問題の議論の核ではないと思いますが、ご指摘はごもっともであり、私もそう思います。

明確な身分制ではないのは幸いですが、その分攻撃対象が曖昧な、緩やかな封建主義のようなものが作られつつあるように思います。

失うものの大きなお金持ちの場合、家族・親戚の誰かを東大法学部から警察に入れるとか、財務官僚を婿養子にするとか、そういうことをやらなければ安心できない環境になるのかも知れませんね。
 
 
 
資料 (山崎元)
2010-09-18 15:54:22
振興銀行の破綻処理に関しては、「週刊 金融財政事情」9月20日号の解説(特に9ページから12ページ)が充実しています。

狭義のペイオフ処理ではないことや、今後のスケジュールなどがコンパクトにまとまっています。振興銀行の経営状態、経営陣、金融大臣、金融庁幹部(長官、監督局長、検査局長)の一覧年表付です。
 
 
 
餅は餅屋なのだ (tomtomclub)
2010-09-18 17:48:37
 事業家が、自分には具体的な経験・ノウハウがないにもかかわらず、つい、もうかるんじゃない?とか自分なら違うアプローチもあるよね?とか調子こいて、畑違いに首を突っ込むことがままあります。ユニクロの柳井氏がトマト売りに血迷ったとき、なんで?とみなさん思われたでしょうが、絶好調の時ほど、魔が差すのですよ。
 で、自分のよう知らない商売は、はじめから、現場に精通していると称する人間を雇うことになる。でこいつはだいたい業界のゴロであって、こちらをカマすことしかホントはかんがえてなかったりする。調子のいい時の男はばかですきだらけと某水商売の方が教えてくれましたが、そんな感じで抜かれまくってやっと我に返る。
 思えば、自分が金と戦略さえだせば、現場は人任せでもなんとかなると思ったのがおお間違い。仕事はすべて細部にやどるもの。木村君、餅は餅屋なのですよ。君は政治家になるべきでした(あれは誰でもなれそうだ)。
 
 
 
世間体?元々気にする質でもない (小倉摯門)
2010-09-18 19:32:29
山崎元さん2010-09-18 14:37:49 
(私は様さま殿は基本的に使いませんので、悪しからず。)

ご反応、有り難うございました。
「長居は無用」と思い為して、其れでも一寸と覗いて観ると・・、あれまあ! 山崎元さんから呼び掛けられては戻らざるを得ない(笑)、世間体は悪いが元々気にする質(たち)でもない(笑)。
長文になって仕舞いました、ご容赦下さい。

山崎元さん第2段落【金貸しは‥より有意な情報を持っている‥情報と判断の優位が根本‥。】流石に山崎元さんには多言は無用ですね。
私が此の板の前稿で言いたかったことは真に此処なのです!が、其処だけではないのです。

1.金融機関側
「金貸し」は、【より有意な情報】を持つべきは当然の課題ですが、折角手に入れたその貴重な情報を通り一片の「頭脳と技能」がする分析技能に任せているから、「中小企業金融が壁を打ち破れない」「その世界で金融批判が絶えない」のだと。「頭脳と技能」に欠けているのは「心」。金融の心は、複雑で多様で千変万化する「生き物である事業」と、それとは似て非なる「欲望が渦巻く会社経営」を見抜くこと。「頭脳と技能」が可能にする単なるマニュアルの世界とは異次元のものです。(因みに、振興銀行も新銀行東京も、このマニュアルで困難な事業が成立すると思った、今は大きな錯覚だったと解っているのでしょうが。)

この異次元の世界を習得するには、銀行経営のトップが覚悟を極めて本腰を入れることが必須になる。その為には、【大上段に構えた「金融機関の社会的存在意義と役割」】を有無を言わせず呑み込ませる圧力が必須になる、世界の何処も誰も遣ってはいない。金融の歴史にはその事例が多くはないが実在する、時代が違うといえば然り。
然し、『「日本経済の支えは中小企業」と声高で大風呂敷な主張を』素直に信じるならば、金融機関が国家の意識で今の軽薄な時代の慣習を乗り越えるのも「21世紀的で格好のよいこと」に違いない。

2.中小企業側
自らが『「日本経済の支えは中小企業」と声高で大風呂敷な主張を』繰り返すのなら、私の前稿【合理的な3年程度の事業計画は造るという意識と態勢】程度のことは格好よく遣って見せるべきだ。其れこそが、金融機関にとって【より有意な情報】になる。BreakThru(現状打破)の第一歩になる。過去の【経験と勘】なら金融機関は既に十分に解っている。今は、21世紀であって20世紀ではない。

3.膠着の打開策‥切磋琢磨というか謙譲の美徳
螺旋階段は右半分と左半分が巧妙に連なっているから上の階に辿りつける。
上記1項2項に倣えば、右半分は左半分が寄って来ないから悪いという、左は右が寄って来ないから悪いと言っている。愚かとは言わないが、言い合って突っ張って丸太橋の上で角付き合わせている。どちらか一方が脚を引けば、他方はその恩義を倍返しすることで世の中は成り立つ。過去の日本はそうだった、果たして今の日本は!?
蛇足:螺旋階段は登りだけではない、下りもある。どちらの道を行くかは、双方の賢明さと真摯さが極めるのでしょうね。
 
 
 
【ツマラナイ】というより「薄さと浅さ」 (小倉摯門)
2010-09-18 21:29:15
小倉摯門2010-09-18 19:32:29の続き
連投、御免なさい。 反応し洩らしました。

山崎元さん2010-09-18 14:37:49
【小倉摯門さんも、たぶんそうお考えだろうと想像しますが、上記の二論はいずれもツマラナイ】
真に!ご推察の通りです。僭越ながら、お見事!!(笑)

第1点【小泉・竹中路線が悪かったというようなピントのずれた政治談義】は然りです。
然し、その前に山崎さんの此の板の本論に戻れば(漸く!(笑))、振興銀行の現場からは遠い遠い存在である竹中さんが前職時代の6年前?に行った承認行為の責任を追及する声そのものが、その発声者の「薄さと浅さ(敢えて煎じ詰めて言えば無責任さ)」を露呈していると思っています。
この「薄さと浅さ」の事例は、枚挙に暇がない。近い処では、竹中責任論もそうですが、トヨタのアメリカのリコール事件で「あのトヨタがこの体たらく!」「何故、豊田社長はアメリカへ素っ飛んで言って、詫びを入れ説明しないんだ!」というメディア・評論家達の大合唱。特級の製造業における「品質に対して不具合が持つ衝撃の重さと多様さと、原因特定の困難さ(※注1)」を生半可にしか解っていない(=生半可に解っている)「薄さと浅さ(敢えて煎じ詰めて言えば無責任さ)」。其れが、今やアメリカ当局の情報操作が指摘されるに至っている。

【ツマラナイ】というよりは、日本社会の此の「薄さと浅さ」は、日本の三流政治にも一・五流経済にも有害な毒を撒き散らしていると思っています。厳しく目を背けたくなる認識ですが、この延長線上にしか、日本が抱える「判断の遅さ、行動の鈍さ、優柔不断さ」の問題の本質部分を解決する道筋はないのではないかと。
折角「少し」なら存在する「挑戦心や起業家精神(※注2)」なども、この社会の「薄さと浅さ」が予め出鼻を挫いているのではないか・・、此れは仮説ですが。

(※注1)私は、特級ではないが一・五流?の製造業2社にも籍を置きましたので、言えること(だと思っています)。
(※注2)私の好きな表現では、The Fortune Favors the Bold. Animal Spiritは人間界には相応しくないと(苦笑)。
 
 
 
欲は敵 (あじさい)
2010-09-18 22:31:50
ここはいろいろな人がいて勉強になります。

ひきこもり的な心情ですか?
慎重派なだけだと思います。
銀行だって同じですよ。
振興銀行はひきこもりじゃないから潰れたのでしょうか。
あと世代によって詰め込みの時代からゆとり教育の時代へ変わったから、日本のレベルが低くなったんじゃないですか?
あと貧しいほうが努力するし、がんばるのは確かだと思います。
ひきこもっていても食べていける豊かさが日本をだめにしたのか?
江戸時代は庶民の人達が数学レベルが高かったのはどうしてでしょう? その時代では世界で一番レベルが高かったとか、
やっぱり世の中の仕組みに原因があるのではないでしょうか?

20年も不景気やってますよ。日本は。
金融機関が偉いとも思わない。中小企業が偉いとも思わない。
みんな普通の日本人が仕事して経営している企業ですね。
やっぱり豊かさと平和で日本人腐っちゃったのではないですか(笑)やはり苦労しないでいい思いをした人がひどいです。
目を覚ましてほしいです。




 
 
 
餅は餅屋が革新の芽を摘む (かくせいⅢ)
2010-09-19 00:25:13
≫木村君、餅は餅屋なのですよ

知りもしないことに、知ったかぶりをするのは単なる鉄面皮か、愚かか、どちらかでしょう。

見込み違いのことが、その会社の発展を支えることになるのは、企業の歴史を見ても歴然です。

私の少ない会社経験で言えるのは、「ベテランに革新なし」です。考えれば当たり前でしょう。ベテランは、業界の常識から抜け出せない。そういう意味で、変な間違いはしないから「餅は餅屋」なのですが、餅屋からサプリメントは、普通は生まれない。革新はないのです。

任天堂の話をご存知ですか。花札屋の天狗印の任天堂が、ゲームの任天堂に変わったきっかけは、横井軍平氏の採用に始まる。京都で就職したいだけで任天堂を選んだ同志社大の電子工学出身の横井氏は、任天堂の電気係として入社。暇だから、ウルトラハンドを作って遊んでいるところに山内社長が来て遊んでいるのを怒らず、面白い奴だと開発課に据えて、ウルトラハンドを量産させて売り出す。

その横井氏が、社長の運転手が休んだので、代理で左ハンドル車の運転の出来る横井氏が運転手をさされ、彼はプライドから口から出任せに電卓型のゲーム機を出せば売れると法螺を吹いて、結果として市場に出たのがゲーム&ウオッチでこれが、ゲームボーイに繫がる。ゲームの任天堂の始まりは、偶然でしかないし、それを必然にしたのは結局その分野の素人の経営者である。花札の分野での新規事業は全て失敗であった。

斯様に、素人発想が革新を起こしているわけで、ベテラン等何処にもいない。このような流れは、ざらにある。別の例では、キヤノンが、カメラの電子化で電子技術者を大量に採用したが、自動焦点・自動露出の仕事で役割が終わった。私の知人も、キヤノンに入ったものの仕事が無いので、電機メーカーに転職している。しかし、残った連中が、自分の技術を生かそうと、乾式コピー機の開発を公知の技術の組み合わせでゼロックス並の物を開発し、今やキヤノンは事務機メーカーとして知られる会社に変身している。事務機の専門家等いなかった時に始めた事がその会社の行く末を決めている。青色LED開発の中村修二氏の話も同じだ。光LEDの餅屋(専門会社)は、開発が出来なかった。(中村氏の後では別の技術で開発に成功している)

革新的なことは、千のチャレンジで成功は3つぐらいしかない。だから、根拠なき自信の人しか革新ができないのだ。餅は餅屋と言う発想が、一番革新の芽をつんでいることぐらい、常識として知って置くべきである。

チャレンジを封じるのは簡単である。失敗を咎めればチャレンジ等誰もしない。今の日本を見れば良い。小さな失敗を、大げさに咎めて、本人はさも優れているかのごとく威張っている。赤福の冷凍保管を咎めるマスコミとあほな官僚が適例だ。日本から新規の工夫は出なくなって当たり前。振興銀行に関連しての咎め方も、同じだと思う。

PS それにしても、このエントリーでのコメントのやり取りは、レベルが高く勉強になります。すばらしい!感謝々々。
 
 
 
知的レベルは下がったのか? (タロ)
2010-09-19 06:24:25
確か、前回書き込んだ時、科学工学系の学生に関する観点から大学での知的革新性の基盤が脆弱であるということに触れたと思いますが、それだけでは視点として偏っているので、今度は希望の持てる数字を。

特許出願件数です。

09年時点で、国際出願件数は約15万件あったのですが、そのうちの29000件は日本のものです。
保有ではなく出願です。
「知的革新の結晶」とも言えるこの件数なんですが、実は09年、日本は前年比で3.6%成長。
北米や欧州で大きく減らす国がある中で、中国は別格として、韓国をも上回る「成長率」でした。
ちなみに、その韓国は世界第4位の「大国」ですが、2位の日本は人口当たりの出願件数で上回り、この分野では懐かしいながらも日本は米国と併せて「世界の半分を支配している」という状態ですね。

企業別ではもっとオソロシイ数字が並びます。
出願件数のトップは「マネシタデンキ」いやいや「パナソニック」で、トップ10にはNEC、トヨタ、シャープと4社がランクインしており、トップ100のうちおよそ30社は日本企業です。
ちなみに国別ではトップの米国は約20社に過ぎません。

この数字、特許ではなくGDPだったら良かったですねえ。

ここから憶測できることは、「日本人のアタマは相変わらず良いが、商才(もしくは商売上のチャレンジ精神)に欠けている」ということなのでしょう。
元々昔から「日本人は一人では豚だが、三人だと龍だ」と言われていますし、囲碁などはそうした面もあるかも知れませんが、少なくとも企業という集団では底力を残していると言えるでしょう。

「アタマの良さ」は革新とは無縁ではないのかも知れませんが、こと、それが商売となると相関の高いものではないのかも知れない・・・という考察も出来ます。

実は出願件数トップ100には、マイクロソフトやパナソニック、出光、オリンパス、キャタピラー、クアルコムといった「今現在、ぱっとしない企業」は入っているのですが、グーグル、任天堂、バイドゥといった「そいつらと比べたら元気な企業」は入っていないんですよね。

かつて、アフリカ東岸に達した「文明国」であるポルトガル人やスペイン人は、その100年以上前に到達した中国人船団や地中海で活躍するベネツィア船よりもはるかに技術的に劣った船を駆っていました。
帳簿処理も単純で、ビジネスモデルも互恵的ではなく略奪的でしたが、しかし、それでも世界各地を開拓したのは彼らでした。
読み書きができるのはごく一部で、しかも知識層も旧教的なフィルタが掛かっていた。

条件面だけ見れば大それた仕事を成し遂げるようなモノを持ち合わせてはいなかったのですが、「死んでもいいから向こうまで行く」というチャレンジ精神がそうさせたのかも知れませんね。

かつてのアラブ人、モンゴル人、ベネツィア人、イギリス人など、チャレンジした国民はいずれも創建して間もないか、もしくは国の体制を一新して間もない連中ばかりです。

維新から既に140年、高齢化率でも20%を超え、日本のチャレンジ精神の低迷は、こうした条件面から見れば必然なのかもしれませんね。

ちなみに、滅びる前のベネツィアは、多くの者が独身で、娯楽が数えきれないほど多く享楽的で、成長する希望がないこと以外は、それはそれは楽しい国だったそうです。
かつてあれだけ機能した10人委員会が何もできないままナポレオンに屈したのは、その後の話。
 
 
 
企業内部での革新 (tomtomclub)
2010-09-19 10:18:47
 かくせいⅢ様
うーん、少し私の考えがうまく伝わらなかったようなので補足します。
 何かをマネージメントする立場にあるとき、その対象を熟知していないと難しい、自分が主導権を握れない、ということが言いたかったのです。実は自分の失敗をふまえての痛い意見なのですが。木村氏は日銀出身でなまの融資現場(しかも海千山千がうろうろしている中小企業相手)には触れていないはずです。トップがしろうとのときは、かなりな性善説に立たない限り、主導権は常に玄人の側にあるのです。
 話は変わりますが、たとえば、餅やの社員が「激辛餅」を開発する、あるいはケーキ屋さんがお店に「ケーキ餅」を出してみる、というのが一番いいんじゃないでしょうか。 
 以前日本には受け皿がある、と言いましたのは、日立等の企業群をイメージしていました。むろん、起業しやすい、風通しのいい社会は誰よりも好む私ですが、サラリーマンが企業内で革新的なモノを作り出す、そのほうが日本には適しているのではないでしょうか。ベンチャーキャピタルの質も量も充実しているアメリカと異なり、日本では、新興企業には金も(商品になりお金になるまで待てる)時間もありません。すぐには役に立たない研究も長い目でできるのが、日本のオールド企業の強みでもあるでしょう。
 ただ、タロ様の指摘のように、海外に何かを布教させる力はもう少し強化してもいいかもしれませんね。

 
 
 
 
 
融資の制度の違い (田舎のおばちゃん)
2010-09-19 12:44:36
素人が何度もすみません。面白くなってきたもので、ご迷惑も顧みず、、、。

小倉摯門様には、論旨が理解できていないとお叱りを受けてしまいましたが、そこは素人、笑ってお許しください。

それにしても小倉摯門様のような専門家の方に、私のような者が、お叱りとはいえコメントをいただけけるとは、いい世の中になりました。
以前、山崎様が、日本人全体として知的レベルが下がったのではないか、とコメントされていましたが、私のような素人の文章が山崎様レベルの方の目に触れる機会が増えたのが、一番の原因かも知れませんね。

tomtomclub様の企業内部での革新のご意見、大変現実的だと思います。
ただ、バブル崩壊がきっかけと思いますが、輸出に重きを置く大企業の台所が厳しくなり、真っ先に切り捨てたのが、将来の金ヅル(失礼)を作り出すはずの研究部門であったのは、残念でなりません。
やはり日本では理工系の地位は低いのでしょう。

さて、小倉摯門様のそもそものお考えであった、信金信組にも融資を受けられない企業の救済を再考してみました。ご本人はすでにここを見限られて、おられないかも知れませんが。

信金信組と消費者金融の間に、ワンクッションおこうとしたのが振興銀や新銀行東京の試みであったことは、私レベルでも理解できました。
ただ、信金信組が融資できないと判断した企業に、今までより高い(消費者金融よりは安いですが)金利で融資をしたとして、その企業は生き残れるか、という疑問がわきます。

そういう意味で、小倉摯門様のような大手都市銀行の方が、自分たちも含めて、金融業界全体で新たな仕組みを作れないか、と考えて下さるのは、大変有意義なことです。
例えば、経営の苦しい企業に、逆に「より低利で融資」することも可能な、一種のシンジケートを作るわけですよね。
それだけの体力のある金融機関は、多分大手以外にはないと思いますので。

私には、その成否の判断が全くつきませんので、「起業大国」であるらしい米国の金融事情を参考にして考えてみました。

サブプライムローンの件で大きく報道されたので初めて知ったのですが、米国の住宅ローンは、返済できなくなった時、担保の家を引き渡せば借金はゼロになるそうですね。
住宅の評価額だけを差し引かれて残債の残る、日本の制度とは大違いです。

当然、その分の大きなリスクは貸す側が負うわけですが、その代償なのか、米国には法定上限金利に相当するものがないそうです。

それでも、踏み倒されたら文字通り「元も子もない」わけですから、債権をデリバティブとかいうもので商品化してばらまいて、ついには誰がどれだけのリスクを負ってるのか、やりだしっぺの会社すら把握不可能になったわけですが。

夫に聞きましたら、住宅ローンに限らず、企業に対する融資も、似たようなシステムらしいです。(夫も素人ですが)

この制度が米国の起業を後押ししているのだとしたら、日本も似たような制度に法自体を変える、という方法も一案といえますよね。
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる、で、大成功する企業も出るかも知れませんし。

一番の難題はモラルハザードですが、これは米国も対処しきれなかったようで、それが現在の米国版バブル崩壊を招いたわけでしょうが。
実際に、今回のバブル崩壊前から、米国の自己破産件数は、日本の比ではありませんでした。
良く言えば「やり直しのききやすい国」なんですね。
日本では、一度自己破産して免責決定が下ると、10年くらいは次の破産ができなかったと思います。ブラックリストに載るのも、同じくらいの期間ではなかったか、と。20歳成人なので、平均寿命まで生きたとして、「成人」である期間は約60年。そのうちの10年は長いですね。

ちょっと夢物語を描いてみましたが、金融業界に根幹から革命を起こそうという小倉摯門様のお考えは、少なくとも「強者」の立場にある都市銀行員さんからお聞きするとは思いませんでしたので、答えを出せないことは分かっていましたが、素人なりに悩んでみました。やはり「休むに似たり」でしたが。
 
 
 
多様性の時代到来? (小倉摯門)
2010-09-19 12:59:41
かくせいⅢさん2010-09-19 00:25:13
タロさん2010-09-19 06:24:25
tomtomclubさん2010-09-19 10:18:47
(今更ですが、私は様さま殿は基本的に使いませんので、悪しからず。この断りもそろそろ目障りですので今回限り。)

  『多様性の時代到来?』

出戻りですが、非常に興味深い上等なお話に一枚噛ませて下さい。
明後日の方向から:日本の大きな人口規模と大きな経済規模を支えて成長を継続して行くには、成長要因を多様に抱えていることが重要だと思っています。政府の経済成長戦略では消滅して仕舞っていますが、経産省が今年6月に発表した産業構造ビジョン2010の中の戦略五分野の「八ヶ岳構造」がこの観点では非常に素晴らしい視点だと。戦略的に造る多様性。
http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g100601a03j.pdf

今でも流行っている「選択と集中」は「安定も然ることながら、成長がなければ存続もない」という観点で企業経営にも国家経営にも重要であり、特に短期的浮沈と長期的衰退が不可避である企業経営には大切な戦略思考になる。一方で、国家戦略の視点は企業との比較では余裕というか遊びがあった方が良いと。特に二つの「大規模」を抱えている国家は、余程に下手を打たない限り存続の問題は可能性の問題に留まるので、これを逆転させて「経済成長(※注1)も然ることながら、社会的経済的安定も重要だ。浮沈を繰り返しながら長期的に着実な成長をすれば良い」が良いのではないかと。安定のために、戦略的に造る多様性。
  (※注1)此処での「日本の経済成長」は、人口減少が確定している現状では、GrossGDPでは無意味であり「一人当たり(PerCapita)GDP」の成長を想定しています。

其処で、お三方の議論に戻れば、企業内イノベーションか、ベンチャーによるイノベーションかの二者択一というよりは、両方を併存させて推進するのが良いのではと。前者モデルには日本(人)の保守的な持ち味にフィットする部分もあり、後者モデルには挑戦を奨励する部分もある、いずれ協働しりモデルも生まれて来るだろう。戦略的に造る多様性。
日本が喪った過去20年間にはこの両方がなかった。この基本の最重要の課題は残したままですが・・。

更に時間軸を長く取ると、2年前以降西欧流の成功モデルが失敗して漂流を続けている、日本もより深刻に然り。方々、モデルが成功している訳では決してないし、日本が其のモデルをそのまま採用するべきではないと確信しつつも、中国が西欧流の間隙を縫って後続組の利点を十二分に享受して台頭してきている。中国の政治も文化も基本は「多様性」とするならば(仮説です(※注2)、今は何とも曰く言い難い)、今は沈んで観えなくなった日本(人)古来の特質に近い。
   (※注2)正確には未確認ですが、上海大学で講演をしたオバマ大統領に対して学生が発した次の質問趣旨が私の頭に強く残っています:May we do it differently(from you=America)?
また、胡錦濤主席が屡々繰り返す言葉も然り:Harmony

以下は蛇足、非常に美しいお伽噺=今は非現実的に観える私の夢です(笑):
アメリカを離れる、中国に近付くという卑近な観方ではなく、日中が主エンジンとなって世界のオープン参加で「21世紀の新しいモデル」を造り上げる。

長文駄文、最後までお読み戴き有り難うございました。
 
 
 
日本人はアフォ (ぎんえもん)
2010-09-19 14:14:51
最近日本人は、隣国に比べて知能が劣っているんじゃないかという気がしてきました。
日本人のDNAを調べてると、日本人はかなり古い世代(旧石器?)から縄文、弥生など人種のるつぼだそうです。
言われているのと逆に、知能の分布もかなり広そうです。
日本人が囲碁なので冴えない理由は、競争環境とインセンティブ以外に2つ思いつきます。
それは、日本語とKYです。

本で読んだ知識ですが、日本人は日本語の処理にかなりの負担があるので、ディベートが苦手ということです。
また、最近はKYを非常に嫌う風潮が強まってきました。空気を読む為には、そこに神経を使わなくてはなりません。
おなじ効率の脳だとしても、ベースのOSが重たい(多機能)状態でソフトを動かさなければならないのですからハンデとなります。

いままでの日本人が頑張り過ぎていたのと、韓国、中国が内ゲバでそれどころじゃなかったのが、いままで優位であった理由でしょう。

囲碁でも将棋でも、最後はひとまねでない独創性です。
人が考えないことが考えられるには、人と違っていいという環境が重要です。

金融業界のことは素人ですが、最近話題のLLC(春秋航空)の社長の給料は250万程度でパイロットや整備士より安いそうです。
日本の銀行も給料が高いという弱点があるのだから、優秀な人(審査等)は高く採用し、普通の行員はローコストオペレーションでなんとかならないんでしょうか。
 
 
 
しかし俺も暇だなあ (tomtomclub)
2010-09-19 20:16:56
 小倉さん
 経済産業省のレポートとても面白かったですよ。ありがとうございます。みんなでがんばれ!内需はあてにするな!国内組も世界でチャレンジ!ですね。
 田舎のおばちゃんさん
ノンリコースローンのことですね。10年ぐらい前に新生銀行で旧長銀マンにレクを受けました。あれはあんましよくないですよ。アメリカの不動産でいうと、基本的に中短期融資だし、違約金条項がびっしりあるし、金利はリスクプレミアムばりばりで、借り暮らしのアリエッテイのほうがましですよ。あと、破産がすくないのは破産法を改正してわざと破産できなくしている面もあるそうです。日本の破産法は今わりかしぬるいし亀井先生のおかげでリスケジュールもしほうだい、もし借りられるなら日本の銀行のほうがいいですよ。
 
 
 
私も今のところ暇ですので、すみません (田舎のおばちゃん)
2010-09-19 22:55:23
tomtomclub 様

いつもいろいろお教えいただき、ありがとうございます。
育児休職が終わる前に、少しでも浦島太郎状態を解消しておきたいので、非常にありがたく思っております。

やっぱり素人が考えても、ロクな結論がでないですね。(笑)

ノンリコースローンって、私が考えていたよりも、はるかに複雑なものだったんですね。やっぱり一般紙を読んでいるだけではダメですね。もう少し勉強してみます。
恥ずかしながら、そのシステム自体を知ったのが、例の米国版バブル崩壊の記事からでしたので。

しかし山盛りの違約金条項ですか。何だか日本の消費者金融の、名目上の利率は低いが融資時の事務手数料がすさまじい、というパターンが頭に浮かびました。

我が家は幸い住宅ローンを抱えていないですし、夫の勤務先も海外子会社を設立できるような企業ではないので心配ないのですが。
実は夫の比較的仲の良い同僚に、すでに2回自己破産しているツワモノがいるもので、いざという時に何か役に立てれば、なんぞと思っています。生意気にも。

その方、2度目の破産から7,8年だそうで、そろそろカードを作れるかなあ、とかおっしゃってるそうですので。
個人的には、借金はもうやめた方がいいとは思うんですがね。
 
 
 
「多様性」と「程度の問題」 (小倉摯門)
2010-09-20 09:25:25
tomtomclubさん2010-09-19 20:16:56  
ご反応、有り難うございました。

網羅的包括的である政府全体や内閣ではなく、経産省が縦割り組織の枠内で造ったんでしょうね、ご指摘の通り、偏った側面は確かにある。

「多様性」と「程度の問題」

然し、ZoomOutして大きく観れば・・・:
【みんなでがんばれ!】(私の表現を当てれば、「頑張るを楽しめ!」ですが)は何日の世にも当り前のことです。「夫々の持ち場持ち場で、頑張るを楽しむ。」
【内需はあてにするな!】は、一寸単純化し過ぎでしょう、戦略5分野に「4.医療・介護・健康・子育てサービス」が入っている(存在感の弱さは確かにある)。此れらの分野は、先ず国内向けサービスを充実させて国内需要を満足させる、内需産業の振興を標榜している。その上で外需を取り込む機会を狙っている。極めて的確です。
【国内組も世界でチャレンジ!】も当り前だと。実物資源の乏しさが日本の与件なので、知恵を出して外需に依存せざるを得ない部分は残る。実際に海外ビジネスを遣らなくても、精神論的に世界にチャレンジすることも重要だと、この場合にはその【世界】は「21世紀世界の時代感覚」にチャレンジすることを指す。

一方でこのVisionの弱点は、Globalizationの世界で変革や進化を論じる場合に非常に重要になる「日本流にやること」が欠落しているないし薄弱な点だと。特に、文化や一般生活に近い分野であればある程に、「日本流にやること」が重要になると。そうでないと、上質な日本文化が壊れて日本人のIdentityが希薄になり精神が漂流しかねない。現在にもその弊害が観える。
この世の中の全ては「程度の問題」ですがね。そして、其れは「多様性」をいうその謳い文句の裏に常にくっ付いていると。
 
 
 
NonRecourseLoan (小倉摯門)
2010-09-20 13:20:27
田舎のおばちゃんさん2010-09-19 12:44:36 



出戻っています(笑)、【お叱り】なんてとんでもない、一寸ビックリしただけです(笑)、ご安心ください。

中段の件りは、tomtomclubさん2010-09-19 20:16:56が仰るようにノンリコースローンNonRecourseLoanだと思います。
私の認識では、一寸ややこしいですが、 NonRecourseLoanは元々は国際金融市場が国際シンジケート団を組んで、石油や鉱物の生産や精製事業など景気がどう引っ繰り返っても母体会社が潰れても「この事業だけは継続できるSustainability」と判断できる優良かつ巨大事業を対象にして、其の全ての経営要素を新会社(特別目的会社SPC)に移して、そのSPCが必要とする設備資金も運転資金も全てを数百億円規模でを融資して、その事業の上がりから融資回収も利息の支払いも得る、というのが単純化した基本形だったと思います。母体企業(例えば、Exxonや日鉱など)はSPCとの受託契約で日常的な操業を提供し保証して利益を得る。優良不動産物件のREITもこの手法を変形した信託版でしょう、多分。
金融団は、SPCの資金繰りCashFlowを担保にした感覚です。母体会社の業績の変動や、(悪く言えば)経営者の放漫や他事業の失敗の影響を免れるメリットがある。母体会社は、当該事業の殆どの偶発的な事故などのリスクを免れて、操業受託に依る利益を確保できるし市場での存在感も維持できるメリットがある。

アメリカの住宅ローンがNonRecourseLoanを使っているとは知りませんでした、有り難うございました。
米住宅ローン業界も競争に迫られて元々無理で無謀な商品を売っていたということですね。アメリカの住宅を何十軒何百軒束ねても、引用【景気がどう引っ繰り返っても「持ち主/借主」が潰れても「この事業だけは継続できるSustainability」】案件ではない。日本と同様に、貸し手は住宅神話に侵されていたのでしょう。そのREITも、最近日本では中小の物件を取り込み始めている。「足るを知る」ことを知らない意欲的な(強欲な?)経営者は、リスクをどんどん取り込むことになる。
「カネの総量」に対して「事業の総量」が小さい「カネ余りの世界」では、経営者はこの陥穽に嵌り易い環境にある。金融の経営者達も。金持達も。
 
 
 
なるほど (tomtomclub)
2010-09-20 16:35:30
 小倉さん
 ノンリコースローンの沿革、勉強になりました。確かに、貸し手側には出口を確保する必要があるので、spcに移し替えるにしても事業の継続性がmustなはず。
そう考えると収益不動産でもない住宅ローンに適用するのは不自然ですよね。うーん、そうするとアメリカでもリコースローンが基本になるはずですよね。私が聞いたときも収益不動産のスキームを念頭に置いていたので、正直、一般の住宅ローンはわかりません。違約条項がきつい、破産はブッシュ政権が改悪したというのは、マスコミの伝聞で知りました(サブプライム全般の論点と混同しているかもしれません)。
 むかしのはなしでうろ覚えなんですが、収益不動産のケースでは7年ぐらいで一度清算価値の査定もするんではなかったかな。当時の印象としては中身は銀行主導で借り手はほとんど名義貸し、という感じでした。 国内にリスクプレミアムにみあう利回りが期待できる物件はあるの、と聞くと、ラブホテルとか、との答えだったかな、妙に納得した覚えがあります。
 どのみち一般人に推奨してたとしたらroan sharkといわれてもしょうがない気はします。
 
 
 
再び、答えのない独り言 (小倉摯門)
2010-09-20 19:32:33
tomtomclubさん2010-09-20 16:35:30 
ご反応、有り難うございました。
又しても、長文、ご容赦下さい。

調子に乗って!(笑)、リコース/ノンリコースローン話に、論点を此の板の副題?(笑)である「振興銀行の失敗の原因」「中小企業金融の困難さ」を重ねますと・・・:
返済資金が何処から出て来るか?の視点で、貸出審査は大きく二つのアプローチに分かれる。一つ目(順不同です)はCorporate、二つ目はBusiness(アルファベットで済みません、まあ此のサイトでは問題ないだろうと)。
1.Corporateでは、「どの事業でも構わないどれかの事業が儲かってくれれば、健全債権でいてくれる。回収は可能だが、絶対に返して欲しくないね」、「全部の事業が駄目でも過去の利益の蓄積(※注1)で預金や有価証券など(※注1)が沢山あれば、回収は可能だ」、「最悪、社長の連帯保証を採っているので、自宅・投資株式からも、回収は可能だ」と考える。
従って、審査は財務諸表分析(過去どれだけ儲かっているか?財産はあるか?)が中心になり、担保主義になり、会社の現場(工場や営業事務所など)に足繁く通うことは少なく、会社の事業の将来性や強み弱みの分析は遣りはするが銀行の「目利き力の絶対的な不足」が原因で「通り一遍のもの」となり易い。究極の間違った融資審査が、機械的なマニュアル審査に行き着く。貸し手の人間の不完全さが、借り手社長の悪意を惧れ人間の過ちを怖れ、其れでも人間の善意と可能性を期待している金融形態という貴重で有機的な面がある。
以上のCorporateアプローチが、リコースローンを生む。
  (※注1)嘗て国会で話題になった「内部留保」であって「内部留保」ではない(笑)。

2.Businessアプローチは全く逆の視点で、ノンリコースローンを生む。会社(借入人、母体会社)の財務内容も社長の財産状況も貸金の回収には全く関係なし。事業の将来性と収益性だけ。財務内容は貸し手が造って行くのですから。社長はともすれば、貸し手が出すのですから。
此のアプローチでは、事業の収益性評価は非常に厳しく検証されることになる、大きな当該産業の将来性、その中の小さい部分である会社事業の将来性、会社の現場に足繁く通うことになる。銀行員がそして金融機関という組織が、事業を観る目を養うことになる、経営感覚を学ぶことになる。

3.Corporateが有機的なら、Businessは極力無機的で冷徹な判断に徹しようとする。
一般的に中小企業は(勿論、例外はある)、Corporate 、Businessの両方のアプローチに夫々に耐え難い特質(壁)を持つ。逆に、その特質(壁)をBreakThru出来ずにいる会社が中小企業でもある(※注2)。
金融機関にも(残念ながら、例外はない)、会社自体の強みや経営者の優れた資質を見抜く眼力(目利き力)を養う下地も経営意図にも欠けている。
両当事者が夫々に壁を持っており、双方が共にBreakThruする強い意志がない。この状態が続く限りは、中小企業金融の困難さも強い批判も解消されない。
螺旋階段の右半分と左半分が角を突き合わせて張り合っている・・・と以前の稿に戻ります(笑)。

(※注2)因みに、私の「ベンチャー企業」の定義は、売り上げも従業員など定量的なものは小さく少なくても無関係、【その特質(壁)をBreakThru】する強い意思も的確な事業理念も合理的な将来構想も持ち合わせている定性要因が強い会社。3年程度の事業計画は当然の経営課題とする会社です(笑)。
此処でも、世の中は多様であって、全て程度問題。

 
 
 
宦官のような経営者ばかりでは? (かくせいⅢ)
2010-09-21 00:06:23
≫話は変わりますが、たとえば、餅やの社員が「激辛餅」を開発する、あるいはケーキ屋さんがお店に「ケーキ餅」を出してみる、というのが一番いいんじゃないでしょうか。

3周遅れ位の返答で申し訳なし。

私の申し上げているのは、現状の賃金の高さを前提にして、日本がそれなりの地位を占めれる産業を如何に獲得するかの話です。

アメリカは、1970~1980年代を通じて、製造業を日本に奪われた。始めは、自動車を破壊したりして、正しく産業革命時代に於けるラッダイト運動と同類のメンタリティで対応したが、90年代に入りITと金融で立国しそれなりのポジションを獲得している。パーキャピタは、高い地位を保ちながらやれる産業を持ったわけだ。

「激辛餅」や「ケーキ餅」で、1億2千万人がやっていけるという解析を是非聞きたい。

現在の企業は、「激辛餅」や「ケーキ餅」さえ作ろうとしない、コンプライアンス病に罹った官僚・大企業病蔓延の病人ばかりの幹部で構成されていると思ってます。どこかでも言ったが、まともな日本人経営者は、日本電産の永守氏ぐらいなものではないのでしょうか。後は、宦官のような奴ばかり。宦官だから、女性に負けまする。
 
 
 
日本におけるノンリコース・ローン (田舎のおばちゃん)
2010-09-21 12:15:09
小倉摯門様 、tomtomclub様

いろいろレクチャーありがとうございます。勉強になります。

米国で住宅ローンにノンリコース・ローンが採用されているのは事実のようで、少し検索してみましたら、住宅ローンの相談を受けているFPの方も紹介をされていました。
不動産バブルが後押しして、数年後に大きく値上がりした住宅を売れば、貸主借主双方ハッピー、というのが筋書だったのでしょう。
住んだとたんに不条理なくらいに大きく評価額が落ちる日本の住宅では、これは採用されないでしょうね。

これまた別の不動産屋さんが紹介しておられましたが、日本にもこれを扱っている都市銀行が一部あるようですが、リーマンショック以後は、積極的には売っていないようです。

tomtomclub様のおっしゃるように5年程度の期限で全額返済が基本なようで、さらにSPCなるものを設立するには数百万必要であると、これを利用しようか迷っているアパート経営者に回答して、通常のローンを勧めていました。
やはり、5~7年以内に大きな収益が上がり始めると期待できる事業以外には不向きなようですね。

日本でこれを利用した有名な事業は、大阪のUSJの建設だそうです。だんだん中小企業とはかけ離れてしまいました。

ところで、小倉様のおっしゃる「有機的」「無機的」という分類に当てはめるなら、日本の中小企業融資はまさしく「有機的」なものですね。
企業側も金融機関側も、融資の完済など考えておらず、常に借り続けて共生している関係、と言えます。大企業はもっとそうなのでしょうが。

昨日、帰宅した夫に
「ねえ、信組にさえ融資を断られる企業の場合...」
と切り出すと、最後まで聞かずに
「すごいな、それ。本当に企業の体をなしているのか」
といきなり切り返されました。

多少の遅延があっても返済を一応続ける限り、めったな事では融資を切られないらしく、過去に完全に踏み倒した等のよほどのことがない限り、運転資金を借り続けて営業している、というのが真相のようです。

資金力のない中小企業とひとくくりにせず、救済すべきところと、残念ながらその必要のないところを見分けることが、金融機関側には求められるのは事実ですね。
その物差しとして使うものが何なのか、が今の論点ですが。経営者の資質や、変化の激しい時代での将来性、事業理念。いずれも「点数化」しにくいもので、やはり有機的金融に陥るのではないか、などと素人には見えます。

 
 
 
リバースモーゲージ (小倉摯門)
2010-09-21 12:53:10
田舎のおばちゃさん2010-09-21 12:15:09

無機質な融資の最たるものは、高齢者を対象にした金融ビジネスとしてのリバースモーゲージ(Reverse mortgage)ローンでしょうか。借入人本人からの返済利払いは一切期待しないで、貸し手は「その後」に住宅売却代金で全てを回収する。地方自治体がビジネスではなく住民サービスとして提供する分には、幾分の有機があるので暖ったか味がでますが。

このローンは、日常ののCashFlowから回収するノンリコースではなく、「完全な担保主義貸付」の基本形でしょうね。【日本にもこれを扱っている都市銀行が一部あるようです】は、このリバースモーゲージローンではないでしょうか。日本の小規模ローンで「ノンリコース」は非常に考え難い・・、契約条項でガチガチに縛り上げる無機質な遣り方は日本人は貸し手も借り手も馴染まない・・、私の雑駁な認識ですが。
 
 
 
しろやぎさんから、、、、 (tomtomclub)
2010-09-22 20:23:55
 かくせいⅢさん
 ヤギさん郵便的なやり取りにならねばいいとは思いますが、いつも貴重な映像や知識を提供くださっているかくせいⅢさんには、お返事しなくてはならないでしょうね。
 企業内部でのイノベーションを進めるだけで、1億2千万が現在のような高賃金でやれるのか、については正直厳しいと思います。だからといってナポレオン待望論ではあまり建設的とは思いません(日本の供給サイドはもう十分強いと思われるし、誰がでてきても500兆経済のなかで強烈な存在になることはそんなに期待できないのでは)。
 なお、「経済」そのものは個々人の色々な取引が多様に循環している状態をイメージしているので、「国民経済」を語ること自体私には「経済的」ではなくあまり好きではないのですが、あえて「日本」を憂えて考えてみましょう。
 ひとつの考えが、「日本人男性」の高賃金の実現にのためになんらかのバッファーを作り上げること。ドイツはEUを利用して旧共産国やラテン諸国をバッファーにすることに成功したのではないか(ギリシャ危機のときそう感じました)。低賃金で解雇が容易で(国外追放)コモディテイ商品の消費もしてくれる経済の緩衝材。日本で考えるなら、労働基本法を改正し最低賃金法も廃止、就労ビザはゆるゆるにして働き盛りの移民を利用する。「日本人男性」は日本語が上手いというだけで外国人労働者の管理職に、「日本人女性」は家事や育児をフィリピン人に丸投げして自分磨きやら買い物やら高収入職業にいそしむ。
 もうひとつ考えられるのが、金融バブルをおこす仕組み、信用を爆発的に増やすストーリーを誰かが考えだす。それで金融業不動産業の雇用を増やす。イギリス映画「トレインスポッテイング」でプーのパンク青年が不動産業をやるようになるのですが、高い収入には金融が一番近道でしょう。後で副作用が怖いのですが。
 つらつら書いてみると、もろシンガポールやん!そんな日本にはあんまり住みたくないような、、、。
 でも超過利潤はきれいごとでは手に入らないと思いますよ。労働のピンはねか借金の押しつけかしか考えつかないですね。高付加価値なんてもうからんと思いますよ。貧乏人には関係ないし。
 
 小倉さんご紹介の経済産業省のレポートを参照されるのもいいのではないでしょうか。分析的でとてもためになります。官僚の見立てのせいか、余計な御世話だよ、食いぶちさがしはみんな必死にやってますよ、ともいいたくはなりますけど。

 小倉さん
 リバースモーゲージの普及は民主党のマニュフェストの片隅にあった気がしますが、その後聞かないですねえ。持ち家ストック分のフロー化のためには大きく拡がってほしいです。
 
 


 
 
 
 
 
 
高い収入を得るためには... (田舎のおばちゃん)
2010-09-24 10:56:00
おばちゃんもあと少しで復職の「日本人女性」ですので、いろいろ考えてしまいました。特にリバースモーゲージの話題など出てくると、これはもうおばちゃんは自分自身の問題ですね。なにせ女性の方が男性より寿命が長いんですから。

さて、まず興味のあるリバースモーゲージの方から。
tomtomclub様のコメントにある、金融業不動産業の雇用を増やすにあたっては、仕事を増やすことが必要ですので、日本ではあまり普及していないリバースモーゲージを普及させる、という考えがふと浮かんでしまいました。

欧米発の考え方ですが、欧米と日本との大きな差は、住宅の寿命が短く、ウワモノの資産価値が、築後10年くらいの間に急激に下がるところだと思います。
ということは、私が老後、今の家でリバースモーゲージを利用しようとしても、地価の分しか価値がないわけです。田舎ですので、微々たるものです。この制度は都市部限定ですかね。

長期優良住宅、とか何とかの公約が出ていたと思うのですが、これを建てるにはお金がかかるんですよね。
知人の元棟梁に昔伺ったことがありますが
「家なんぞ、いくらでも安く建てられる。ただし、大工はカネの分しか仕事をしないので(誰でもそうですよね)、それなりの品質にしかならんよ」

つまり、価値の下がらない家を建てるには、やはりそれなりの資金が必要、そこでやはり可処分所得の増加や、ノンリコースローン等の「安心してカネを借りられる」仕組みがいるのではないか、と思います。

で、次に日本人男性の所得の増加のためのバッファですが。
これは久しく日本人女性が、パートタイマーという形で担ってきました。彼女たちには夫がいますので、それほど高所得でなくてもよかったのです。むしろ、しきい値を超えると、配偶者控除問題だの年金掛け金だのが必要なので、一定範囲内に抑える傾向がありました。

さて近年ですが、これが「非正規雇用」に置き換わって、子育てを終えた既婚女性の独壇場ではなくなりました。
若者(30代なら若者と認めましょうか)を中心に、男性も独身者もバッファとして扱われ始めました。

当然彼らは日々の生活に精一杯で、優良=高価な持ち家を取得することはできないわけです。
今すでに建っている家の大半が、数年で資産価値が激減するものですから、彼らの建てる家に期待するしかないのですが、現実は不可能です。
「スパイラル」という単語を経済専門家はよく使いますが、これも一種の「所得&資産下落スパイラル」なのではないか、などとつらつら考える次第です。

ところで、ちょっと脱線して、男性方にお伺いしたいのですが。
日本で、男性が「新たな職場に正規就職できる年齢」って、上限何歳だと思われますか。
上限がないはずはないと思います。雇ったからには仕事を覚えて長く働いてもらわないと、雇用主側も割に合わないですから。

もちろん、このブログの持ち主の山崎氏のように「転職のプロ」みたいな方も存在しますが、一般的な、強力なコネや人脈や特殊技能のない方で。

私の若い頃(あったんですよ)は、
就労経験のない新卒就職なら25歳(1浪して院卒または3浪が限度)
即戦力を期待できる転職なら35歳
と言われていましたが。
ですから、同僚で転職を希望する人は、軒並み30代前半で出ていきました。

今は履歴書の空欄期間(非正規雇用)のある人も多いですし。卒業後空欄期間が続いている場合も考えて、「日本人男性」の肩書が価値を持つ期間はどれくらいでしょうか。

追伸
小倉様。
やはり不動産屋さんの回答内容は、文脈から考えてノンリコースの方だと思います。
手広く賃貸業をしている方が、新しい棟を建てる時のローンの相談でしたから。
ただ、小口のノンリコースが「考え難い」のは私も同感ですから、地価暴騰時代の遺物ですかねえ。
 
 
 
「価値」と「基準」の見直しなど雑感 (小倉摯門)
2010-09-24 13:41:29
tomtomclubさん09-22 20:23:55の【持ち家ストック分のフロー化】には役立ちませんが、
田舎のおばちゃんさん09-24 10:56:00の【ウワモノの資産価値が、築後10年くらいの間に急激に下がる】の一考察


私の認識では、一般住宅の建物の評価額は10年でゼロになる、其処には何ら科学的な合理性はなくて、単なる日本の不動産業界の「慣行」だ(と聞いています)。確かに、一つには会計的税務的基準を採ると、木造モルタル住宅でも耐用年数(減価償却期間)は20年であり、二つには余程の粗雑物件や乱暴な住人の物以外は、現実にも築後20年以上の建物が立派に用を供している事例はザラに存在している訳で、「簡易建物や掘立小屋」ならいざ知らず、一般住宅の建物の売買価格が10年でゼロなどという状況は不合理を超えて不条理なことだという結論になりますね。日本の「慣行」にはこういう「不合理を超えて不条理」なものが多いとも。因みに、【住宅の寿命が短く】という要素は実態だとしても、其の要素は実際の利用状況にも耐用年数決定にも反映されている筈、此れらは単なる「慣行」ではないので(笑)。
(因みに、簡易建物10年、鉄筋コンクリート造47年。
 耐用年数表http://nzeiri.sppd.ne.jp/syokyak/19/taiyo_tatemono.htm

其処で、何故、こんな不条理な慣行が日本で永く罷り通って来たのか?
単なる類推ですが、日本人は趣味が高尚で中古住宅なんかには住みたがらないから!?一部に例外はあるでしょうが、まさかね!(笑)
冗談は兎も角として、住宅の転売価格を安くすれば、買い易くなり流動性が高まり、市場の取引量が増え総体としての取引額が増えて、「不動産仲介斡旋業者の手数料が膨れ上がる」かなと。
もっと類推を逞しくすれば、自宅所有者には「生活保護を受ける資格がない(らしい、未確認ですが)」ので、政府も持ち家奨励のためにこの慣行に加担した!?有るようで無いようなお話(笑)。
まあ、何れにせよ過去は過去として、合理的な世の中にするためには、「中古建物の市場評価も売買価格も合理的な価格にするに越したことはない」と。

・・すると、当然ながら中古物件の価格はその分高くなる。
AA.売買の当事者達には、軽微な好い影響と言えるかもしれない。
1. 新築した持ち家を売って別に買った中古に移り住む人は、合理的な価格で売れるし買える(買値は過去の慣行ベースよりは高いが損はしていない)。
2. 過去に中古で買った物件を売って別に買った中古に移り住む人は、チャラ。売り価格が過去の旧買い価格より、合理化部分が固くなって儲かったと錯覚するかもしれないが今回の買い価格も上がっているので、本当は「行って来い」のチャラ。
3. 過去に中古で買った物件を売って新築した物件に移り住む人は、儲かる。好かったね!
(あああ、頭が痛くなってきた、ケーススタディはお仕舞い(笑)。)

BB.他方、売買しないで済み続ける人達には、一寸影響がある。何れも、大したことではないといえば、其れまでですが(笑)。
1. この価格の異動に依って市場ベースの資産価値が上がる。豊かになった気分にはなる。リバースモーゲージを使うなら、借入限度金額が増える。
2. 固定資産税は、詳しく知らないので何とも言えないが、元々市場価格は無縁の筈なので、仮に上がった場合でも、元々小規模住宅なら優遇措置があるので大したことではない(といえば、其れまでですが(笑))。
3. 人間は絶対に何日かは死ぬので冷徹に相続税を考えれば‥、死んだ後のことまで考えないことにしましょう!(笑)

CC.結局、私の雑駁な性格では、細かな損得計算は小さなことであって、社会が合理的になって、理解が容易な社会システムが増えることが何よりも善いことだと思います。

最後に、現在流布している「価値」には、その概念や定義に始まって価値計算方法に至るまで、見直されるべきものが一杯ある!と思っています。端的には、会社の「企業価値」。余りに算術的であり、生き物でありダイナミックに変動を繰り返す事業群(会社は単にそれら事業の集合体、「容器」に過ぎない)を、現時点の静態的状況から楽観的な予想の下に脚延ばしして計算する手法は根本的に間違いだと。現在は、「間違いでも構わない、暫くは市場関係者の全員が束の間の幸せを味わえるのだから」で成り立っている‥誰も言いませんがね(笑)。そして、市場はバブルに塗れて何日か破裂する??
最後の最後に、街並みや景観や日本庭園や・・・諸々の「文化的価値」。日本は、此れを今の牛丼のように安売りして来た。「安売り」は「儲かった!」と感じるが、もっと高い次元で「誇りの価値」を貶めている??と。

長文駄文、最後までお読み戴き有り難うございました。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2010-09-24 18:17:18
tomtomclub2010-09-17 15:34:45

上記でご照会戴いた件で、次の情報を目にしましたのでご高覧に供します。
大和総研レポートP12-18/18 http://www.dir.co.jp/release/2010092201.pdf

私も余り関心はないのですが、ご相伴して眺めました。
草々
 
 
 
訂正とお詫び (小倉摯門)
2010-09-25 11:13:35
Unknown2010-09-24 18:17:18の投稿者は、私小倉摯門でした。

また、tomtomclubさん2010-09-17 15:34:45の「さん」が洩れて仕舞いました。お詫びして訂正します。
草々
 
 
 
ありがとうございます (tomtomclub)
2010-09-25 16:50:12
 小倉さん
 レポートのご提示、ありがとうございます。これを見ると株式の持ち合い解消が進む以外は、あんまし影響ないみたいですね(やたら増資してましたもんね)。ダブルギアリング等知らない言葉がいろいろあるので、調べてまた読んでみます。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2010-09-27 14:44:05
仮にですが、日本振興銀行か法令・ルールその他コンプライアンスに触れる一切の行為をせず、四角四面ガチガチな経営をしていたとしたら、果たしてうまくいっていたのでしょうか?
 
 
 
無理でしょう (田舎のおばちゃん)
2010-09-28 14:36:53
Unknown様2010-09-27 14:44:05

無理だと思います。

おっしゃる経営に一番「近い」のは大手都市銀行だと思うのですが、彼らが中小企業への融資を積極的に行っていないところから見て、プロの目から見て、採算の取れない事業だと思います。多額の補助金でも得なければ。

都市銀行の預金金利と、振興銀行の預金金利を比較しても分かりますが、あれほど安い利率で資金調達している都市銀行でも厳しいと思います。

ネット銀行に絞って考えても、このモデルで成功しているところはなく、住宅ローンや為替手数料、通販の支払い等で稼いでいるところが大半です。

ただ少なくとも、逮捕者は出ずに、破綻だけで済んだでしょう。

ところで、武富士が会社更生法を申請しましたね。
 
 
 
不合理な慣習が消えて行く・・・ (小倉摯門)
2010-09-28 14:47:32
小倉摯門2010-09-24 13:41:29nの続編

私が長らく「この野郎!」と癪に障っていた日本の不動産取引の不合理な慣習が消えて行くという。
漸く!? 本当かなあ?(笑)

http://www.bloomberg.com/news/2010-09-27/tokyo-landlords-lose-century-old-gift-money-as-rents-fall-to-12-year-low.html

After viewing almost 100 Tokyo apartments, banker Damien Cambon was happy to discover that a Japanese tradition dating back more than a century is dying: the payment of up to two months’ rent extra as a gift to the landlord.
“Reikin,” or “gift money,” a non-refundable fee on top of a deposit and any broker fees that has helped boost landlords’ earnings since at least 1897, is the latest victim of a slump in the market in the world’s second-most expensive city. Rents in Tokyo’s five central wards fell to an average 4,165 yen per square meter in June, the lowest…
下手な訳文を付けることも考えないではなかったのですが、此処ではその必要はないだろうと・・。
 
 
 
行政(司法を含む)が「お目でたい」ことの結果 (小倉摯門)
2010-09-28 15:22:47
田舎のおばちゃんさん2010-09-28 14:36:53
【ところで、武富士が会社更生法を申請しましたね。】

まあ、何日ものことですが、田舎のおばちゃんさんは良い時事問題に光を当てますねえ。
武富士に限らず独立系(対立するのは「銀行系」)金融会社が激減している。
私が検察なら、其の犯人は「仕掛け人は最高裁、その仕掛けに追い打ちを掛けたのも最後の留めを刺したのも金融行政」だと確信しています。

其れらの本人達は、「そんな積りではなかった!」と主張するのですが、その主張が「そうなんだろうねえ」と考えざるを得ない行政(司法を含む)の「お目でたい実態」が哀しい。
「金融会社が激減」の影響を直接的に受ける被害者は個人・零細事業者と中小企業という実態には、想いが及ばない。
 
 
 
おおむねその流れです (tomtomclub)
2010-09-28 21:02:48
 小倉さん
 ご引用の文章読みました。ところどころ疑問な点もありますが、大きくみて、ほぼ、本当のことです。
 もちろん、あちらの方のことですから、ばりばりのポジショントークでもあるのですが。
 更新料、礼金、に加えて、不動産仲介料のいわゆる「両手」(買い手と売り手双方より仲介料をもらうこと、欧米流では双方代理の禁止にあたるおそれあり)も問題化されています。民主党の松本某あたりが、だれにねじを巻かれたのか、これらの不動産慣讐にメスを入れようとしてますね(君のお父様はこの件をどう考えておられるのかね、と聞きたくはある)。
 不動産市況の低迷が、大家側の意識を変えつつあるし、欧米の圧力もあり、弁護士のあらたな食いぶちとしても狙われてるし、従来の不動産業界の超過利潤もなくなるでしょう。しかし、おいしい商売はどんどん無くなりますな。これが、グローバル社会のきつさ、なんでしょうね。
 
 
 
取引慣習よりも価格にびっくりしました (田舎のおばちゃん)
2010-09-29 12:24:33
小倉摯門様

私は英語がダメですし(専門用語は、自分の専門分野しか分かりません)、時間もないため引用文だけ読ませていただきました。辞書なしでしたので、簡単に意味を読んだだけですが。

敷金礼金の「不動産慣讐」(すばらしい造語です、tomtomclub様)が、都会への人口集中が始まった住宅難の頃にできたという話は聞いたことがありましたが、東京では礼金2か月分なんですね。
田舎は礼金1か月、敷金は基本的に全額返ってきます。敷引もありません。需要の差、なんでしょうね。
新築なのに未入居の部屋もたくさんあります。(特定の建設委託会社の建てたものばかりです)

不動産屋さんも、地元の老舗は信用できます。
「ここは湿気が多いですから、あまりお勧めできないですが」
という情報付での仲介です。これをするからこそ、評判が命の田舎で長く営業していけるのでしょう。

しかし、都心部5区は平均4,165円/㎡ですか。前に夫が一人で住んでいた40㎡の2DK(+駐車場)なら16万超。3倍以上の値段に驚きました。都会は車は要らないですけど。
私は東京勤務時代、会社の独身寮にいましたので、狭いですが月数千円でした。

富裕層は東京・大阪・名古屋の3都市圏に集中しているらしいですが、一般人の生活を考えると、果たして東京が豊かなのか、住んだことがあるだけに疑問に思えます。
新宿駅から2kmくらいのところに住んでいましたが、連日午前様でしたので、24時間スーパーが命綱でしたね。文字通り、職場と寮の往復の毎日です。

「若いうちに短期間で稼いで、さっと出ていく街」
これが私の得た東京観でした。

都会の方から見れば、基本的に100坪単位の田舎の分譲地は、驚異でしょうね。最近はそれでも、若い人の懐が厳しくなって、50坪くらいの家も増えましたが。
 
 
 
諸々・・合理的とか価値とか (小倉摯門)
2010-09-29 17:09:08
ご反応、有り難うございました。

tomtomclubさん2010-09-28 21:02:48
【これが、グローバル社会のきつさ、なんでしょうね。】
私なんかが偉そうに言えることではありませんが、そうなんでしょうねえ。合理的になるということに留まらず全ての変化の結果、失うモノがあれば他方で必ず得るモノも有る筈、今の礼金の例で言えば礼金部分が家賃本体に移動してテナント負担の全体が調整される筈ですね、そっくりそのまま付け替えられるかどうかは事例次第でしょうか。
ZoomOutして眺めれば、不動産取引に限らず不合理な慣讐(拝借!(笑))の全ては「既得権益」を構成するものと観れば、其れを享受して来て剥奪される人達は知恵を出して新しい利益機会を追い求めることになるのでしょう。「きつい社会」には違いはないですが、合理的になることは其れだけで善いことだと思います。
方々、批判が強い「日本の低い生産性(※注)」も打開の道筋が見えて来るのだろうと思います。
  (※注)仔細なことですが、大局的に観て生産性についての今の計算が正しいとは私には思えません。従って、其れらの結果を単純に国際比較することも間違いだろうと。例えば、計算の分子になる「生産価値」の定義でさえ違和感がある。「価値」なんていうものは、国際的にバチッと一律に決めて仕舞うことが間違いだろうと。行政や学者達には好都合なだけだと。

  追伸:tomtomclubさんはひょっとして不動産業を生業(なりわい)にしておられますか?其れならば、知らぬこととはいえ大変に失礼な物言いをしていました。誤解はないと期待しますが、他意は全くありませんのでご容赦くださいませ(笑)。



田舎のおばちゃんさん2010-09-29 12:24:33
【都会の方から見れば、基本的に100坪単位の田舎の分譲地は、驚異でしょうね。】
都会しか知らない私には、驚異というよりは「別世界」ですね、狭い日本の中で!?(笑)
上の(※注)に書きました「価値」にも関連しますが、【100坪単位の田舎の分譲地】も其処に立つ大きな家にも、私は大き過ぎて大変だ!という想いが先に立ちます。草取りでしょう、掃除でしょう、大体探し物をするにも探す場所が多過ぎて見付からないでしょう?
要は、「価値」なんてえものは様々なんだと、「豊かさ」も然りだと。肝心なのは自分に合った「価値観」ですね、分際を知るとか、足るを知るとか。
草々
 
 
 
たしかに(笑)ならびにお礼 (田舎のおばちゃん)
2010-09-29 19:21:03
小倉摯門様

不動産業界のことは知りませんが、価値は一元的に決まるものではない、というのは本当ですね。
最近、同じものなのに価格の差が大きいことに驚きまして、モノの値段って分からないなあ、と思っています。

ちなみに草刈、掃除、探し物は、広いと意外と楽なんですよ。(田舎豆知識)
草刈=電動草刈り機(特に200坪以上の広い敷地では必ず使っています)
掃除=ルンバが大活躍できます
探し物=収納が多いので、ギチギチにする必要がなく、最初に分類していれば心配いりません

まあ、私の価値観には都会暮らしは合わなかったわけです。同僚も何人も死亡退職しましたし。
一緒に働いている人が、30代40代で次々亡くなるのを見ると、精神的に参ってきますよ。
葬儀に出席しても、奥さまやお子様がお気の毒で。

70平米の都心のマンションを買っても、掃除の下手な私では維持できないでしょうね。恥ずかしながら。

とりあえず、先日話題になった「ウワモノ価値が急落の中古住宅」ですが、住宅ローンも組まずに買えたのは、一種の豊かさではあろうと思います。

仕事だけでなく、遊べる時間もあれば、きっと都会の印象も違ったのでしょうね。

復職までの残り日数が少ないので、そろそろ投稿からは失礼します。

いろいろ教えていただいたtomtomclub様、小倉様、他の皆様方、お世話になりました。
書けなくても読む時間くらいはあると思いますので、また面白い議論の展開を期待しています!
 
 
 
ほおたあるのお ひいかありい (小倉摯門)
2010-09-29 20:25:30
田舎のおばちゃんさん2010-09-29 19:21:03

【復職】
おめでとうございます!!
頑張るを楽しんで、明るい未来をお造り下さいませ。
(様子が解りませんので、頓珍漢かも知れませんが‥)

有り難うございました。
草々
 
 
 
お名残り惜しいですが (tomtomclub)
2010-09-29 21:14:24
 田舎のおばちゃんさん
 ここで遊んでいただいたことは、わが中年人生には貴重なうるおいになりました。お仕事復帰とのことですが、くれぐれもお体に気をつけて、無理せずに頑張ってください。
 私も東京で勤めた後で地方で独立したので、おばちゃんさんとは、似たような境遇だと思います。私もかつて知人を5人過労で亡くしています。
 東京で働いている方、またこれから働こうとしている方にお伝えしたいのは、日本は案外広い、ということです。そして家賃は3倍でも給料は3倍ではないんです。逆に給与水準最低の沖縄でも東京の給与の半分ではないんです。地価にみあう生産性を要求されることを考えてみてください。仕事は確かに東京のほうがはるかに面白いのですが、もし限界を感じたなら、地方での暮らしに目を向けてはどうでしょうか。死ぬほど根をつめないでください。
 
 つい力説してしまいました。お恥ずかしい。
 で、「不動産慣讐」ですが、単なる誤変換をほっといただけです。過大なご評価お恥ずかしい。ちなみにloan shark を roan shark と間違えたのもそのまま載せました。あし毛のサメ?と意味不明の言葉になりましたが、文章は基本だだもれでして、訂正せずに出しているので、これからも大いに間違えると思いますが、ご容赦ください。
 
 
 
 
 
 
今日(10/4)の日経電子版 (小倉摯門)
2010-10-04 15:01:02
山崎元さん

本題からは全く離れた話ですが・・・:
今日(10/4)の日経電子版【[FT]景気回復につながらない米企業の増益】の記事はどのように読み説かれますか?

雑駁な私には、日本のデフレ進昂と2年前までの日本の最長の景気回復が同時進行した図式と全く(殆ど?)同じ図式だと観えました。アメリカも大変ですね。社会的蓄積が分厚いヨーロッパは此処までの切迫感はないのでしょうが、今の世界的な需給ギャップが続く限りはいずれ巻き込まれざるを得なくなると。

いずれ、太平洋の向こう?の強欲で賢いが不健全な輩達が、戦争を仕掛けて困難な状況をBreakThruしようとするのではないか?と心配しています。未だ、頭のほんの片隅で、ですが(笑)。
 
 
 
欧米の日本化 (山崎元)
2010-10-05 03:25:42
小倉摯門さま

欧米の日本化は今後進むと思います。不動産の価値が毀損している上に、レバレッジを規制されて、経済の底流にある流れはデ・レバレッジでしょう。これに加えて、企業経営者は、当面のコストを抑えて必死に利益を作るので、勤労者にお金が回りません。

デフレ入りの可能性もありますし、低所得勤労層の不満が募るでしょう。

加えて、米国が最も得意とする公共事業は戦争です。巡り合わせが悪いと、嫌なことが起こるかも知れませんね。
 
 
 
サイレントマジョリティの恐怖 (tomtomclub)
2010-10-05 09:10:13
 小倉さん
 確かにデフレ日本に似てきましたね。不満のつのる大衆がやたら政権交代に燃えたり、国を憂いたりするのも同じ流れでしょう。こんなときのポピュリズムほど怖いものはありません。
 オバマのあとはティーパーティに支えられた(共和党自身も恐れる)ペイリンなのでしょうか、民主党(日本の)より恐ろしい素人集団がワシントンを席巻したりして。
 優先順位からしてイランあたりになるんでしょうが、せめて東アジアが戦場にならないようにと祈るのは(人道的に)いけないことでしょうか。
 
 
 
陰謀論 (小倉摯門)
2010-10-05 10:35:50
山崎元さん2010-10-05 03:25:42
tomtomclubさん2010-10-05 09:10:13

夫々に此の「好ましくない予想」に対して肯定的なご反応、有り難うございました。
(特に、山崎さんはこの時間帯に!ご自愛ください(笑))。

その上で、先般来私が余所の2-3か所に投げている「陰謀的VirtualWar論」をご参考までに下記にCopy&Pasteしてお届け致します。
ご感想などお聞かせ戴ければ、嬉しいことです。

-----記-----
1.人類は歴史的に、供給過剰/需要不足の状態(膨大な需給ギャップ※注)を戦争という手段でのBreakThruを繰り返して来た(と言われており、また私は理解しています)。
  (※注)一言で言えば、大不況または恐慌。

2.此処2年の世界的恐慌状態と其処からの脱出が捗捗しくない焦りと苛立ちから、世界の何処かに又しても「戦争によるBreakThru」を画策している輩、賢いが不健全で強欲で有力な輩が必ずいる(と私は想定しています)。

3.21世紀の今、今更、戦争なんて真っ平御免蒙りたい!!

4.其処で・・、世界特に苦境に有る先進国(勿論日本を含む)が、戦争をする積りになって膨大な戦費を支出する積りになって(VirtualWar)、地球救済戦略に一致して動く。対地球温暖化戦略にその戦費を支出する。
エネルギー源構造の大転換や既存産業構造の大転換が起こり既存の過剰供給能力が陳腐化する、同時並行でグリーンエネルギー関連の膨大な投資と設備需要と雇用機会が生まれる。大きな痛みは伴うが需給ギャップが解消される(逆に言えば、大きな痛みを伴わない需給ギャップ解消策はないだろう)。技術革命(革新ではない)が起こる。IT(ICT)革命が第2段階に入る。世の中は一変する。
真に「新たな産業革命!ParadigmShiftの時代!」(笑)
-----記(終わり)-----

要は、世界の政界や学会や産業界などが夫々に目先の細かな損得得失に拘って歩みを止め手を拱いていると、戦争になりますよ!と。
今の経済状況は、生半可な覚悟や戦略や戦術ではBreakThru出来ませんよ!此の事は日本人が痛い程解っている、BreakThruするための「高度の戦略」を打ちだした訳でもないので偉そうなことは言えませんがねと。
草々
 
 
 
法人税減税の課題 (小倉摯門)
2010-10-07 23:39:38
山崎元さん 

又しても、本題からは全く離れた話ですが・・・:
「法人税減税」についてどうお考えですか?

私は遣るべきだと強く思っていますが、その課題は重く多い。
AA.私が注目している平将明さん(自民/衆院)が税制抜本改革についてTweetされたので、先程以下をTweetBackしました。
≪@TAIRAMASAAKI 【経済三団体と税制抜本改革】FortuneFavorsTheBlodなる言葉がある。日本のデフレの一因は財界のBoldさの徹底的な欠如だと思っています。Bold欠如のままでは、法人税減税を遣っても挑戦せず投資せず眼先の利益確保だけ、減税の目的が潰える。≫

BB.此れを敷衍しますと‥;
『法人税引き下げの前に、遣るべきこと』
日本の「デフレ」と「失われた20年」の犯人は、政治だけか??・・・私見は否。
勿論、政治はその責任を免れない。メディアや評論家は専ら政治と日銀の責任だけを追及しているが、犯人は其れだけではない。
日本の大企業、その結果として彼らが率いる経済界も犯人の一角だ。挑戦心に欠けているからとされている。綺麗な言葉(?)では、起業家精神Entrepreneurshipの欠如だと。
この観点は、昨今頻繁に喧伝され菅首相も言及した「法人税の引き下げ」を実施する前に対策を施すには、不可欠な重要課題だと考えている。根拠なく相手を信用して飴だけを与えるのは愚策だと。飴は鞭とセットにして与えるのが常套手段だと。
1.日本企業(勿論、個社別には稀有な例外はある)は、バブル崩壊後20年来、経営効率化と経営合理化の名の下に、事業を整理し低レベルでの均衡を図ってきた。従業員を減らし雇用の機会を奪うだけで創造して来なかった。社会的存在たる企業なら、本来はリストラと並行して行うべき新規事業への進出や関連投資などの事業拡大行動を採らなかった。逃げた。
2.また、日銀がバブル崩壊から数年後から十数年に亘って続けている低金利・ゼロ金利政策は、企業の利息負担を画期的に軽減し、同時に家計が得るべき利息所得を奪ってきた。然るに有力な新産業は興らず産業構造の代謝も興らない。これら諸々の挙句に、2010年7/5付け日経電子版で【「実質無借金」の上場企業5割に迫る 前期末、最高に】と報じられている。日本企業がCashRichになるのは当然の帰結であった。
3.新規事業への挑戦心に欠けた日本企業が、AmongOthers、原因となって、日本経済はデフレから脱却できず強い閉塞感に覆われた。またGlobalizationが進昂する世界で、そのような日本の存在が希薄になっているのは当然の帰結だ。例えば、iPodやiPadが何故日本で生まれなかったのか?というWSJの報道が示唆的である。
4.挑戦心に欠けた日本企業の行動が今後も続くのなら、企業は暫くの間は益々CashRichになるだろうが、同時に既存の成熟事業にしがみついて海外への移転を進めることになるだろう!民主党政権が兎にも角にも折角描いた新成長戦略も、法人税引き下げ効果も共に真に画餅に帰す。その先にはこの国と日本国民の悲惨が待っていると思われる。

企業の社会的意義とは何か?が厳しく問われるべきだろう。株主至上主義を放棄して、日本流の「多様なStake-Holders重視」に回帰することも肝心だと。
ことが起こってから追及するのは愚、ことが起こる前に対策を打つのが賢明さというものだ。
他者から促される前に、大企業自らがその本分を律し回復することが望ましい。
草々
 
 
 
経済界の問題‥日経記事2件 (小倉摯門)
2010-10-13 20:49:04

しつこくて申し訳ありませんが、前稿の経済界の問題を浮き彫りにする日経電子版の記事が2件並んでいましたので、カチン!と‥いや思い出したので(笑)‥‥連投ご容赦下さい。

下記に夫々に述べられていることは経済団体代表の言としてその適切さを含めて全く異存はない。
然し問題は、其処では頬かむりをして「述べられていない部分」にあるだろう。
政治に対して此れらの要望を出す立場として、政治と対等の関係にある経済界として、政治に「おんぶとだっこ」(その付けは最終的には国民が払うことになる)されて甘えるだけではなく、経済人として自ら新規分野を開拓し国家を経済的に背負うための強く厳しい志と覚悟を見せるべきだ。改めて、世界に覇を唱える気概を見せるべきだと思う。

―――――記(日経電子版の記事)―――――
1.経済同友会代表幹事「円高に危機感」2010/10/13 19:29
経済同友会の桜井正光代表幹事は13日の記者会見で、円高が進み1ドル=81円台になったことについて、「企業が期初にたてた計画レートとは相当な乖離があり、減収減益要素が大きい」との見解を示した。「円高が続くことへの危機感を持たざるを得ない」と…以下省略

2.経団連会長、法人税下げは実質負担減を2010/10/13 19:54
日本経団連の米倉弘昌会長は13日、札幌市内で開いた記者会見で、菅直人首相が法人税率の引き下げに合わせて課税ベースを拡大する方針を示していることについて、「実質的な企業負担が減らなければ意味がない」と…以下省略

草々
 
 
 
日本版SWFに反対! (小倉摯門)
2010-10-20 23:55:28
山崎元さん
(滅茶苦茶長文になって仕舞いました、ご容赦下さい。)

遅場瀬ながら、山崎さんの10/13付け現代ビジネス「ニュースの深層‥年金、日本郵政で失敗した「国家ファンド利権」第三の狙いは外為特会」を拝読しました。

先ず最初に、この論点の経緯を押さえる為に、私から山崎さん宛の10/9付けTweetBack(3分割)を以下に一纏めにして再録します(上手く届いていないことも是あり(笑))。
Quoteこんにちは。山崎元さんの「追っかけ」を遣ってます(笑)。
【SWFの話はどこかに書こうかと‥】待ってます! 私は【不公平、非効率】も然ることながら、その前に、日本版SWFは金融の根本ルールを逸脱した大間違いだと。
堅実な投資ならいざ知らず、ハイリターンを追う投機は産油国などの遊び金で遣るもの、借金して遣ってはならない。然も、「そのSWF失敗の数千億円数兆円規模の責任を、誰かが取る能力がある」とする想定自体が金融の根本を間違えている。
特に日本の政治家も役人も、「金融の恐さ」を全くご存知ない、今の国家債務状況や国会議論を見聞きしていて明白だと。日本版SWFは危険極まりない、止めるべきだと。投資銀行などは大歓迎し欣喜するでしょうがね。Unquote


扨て、此の「ニュースの深層」のご主張には、殆ど違和感なく拝読致しました。
P1【筆者(議事に参加している委員の一人である)】だったんですねえ、その山崎さんのこのご主張、大変に安心しました。引き続き今後のご尽力を強く期待して止みません。日本国はカネに関連して過去厭という程官製の大失敗を重ねて来た。此れ以上の失敗をする余裕はないのですから、尚更です。

AAA.以下は、私なりの補足。
P1【国家ファンドは、‥先進国のものではない】&【積立金運用で大きなリスク‥は馴染まない。】
P3【外為特会が運用する外貨準備は‥背後に負債が対応したもの】
全く同感です。ハイリスク運用は「投資」を超えて「投機」に踏み込むものであって、投機はVentureCapital的に最悪の場合には全額を失っても支障のないRiskMoneyでのみ遣るべきであって、国債、預かり積立金、預金など借金見合いのカネや生活資金で遣ること自体が金融常識の根本ルール違反である。また、預託者への重大な背信行為になる。

P1【ポートフォリオの一部に‥運用方針の改定は十分に考えられるし、運用の改善点は他にもある】
嘗ての「かんぽの宿」への馬鹿馬鹿しいカネの突っ込み方を観ると、官製金融に「ポートフォリオ」という表現に耐えられる確っりとした概念や分析・管理手法が存在しているんですかねえ?真面目に心配しています。舛添さんが主張された際にも、私はこの点を重大に懸念しました。

P2【大きな資金を見つけるたびに「とりあえず、10兆円!」‥、他人のカネだと思っていい気なものだ】そうだ!そうだ!(笑) 特に、胡散臭い者達だけではなく、未熟さを残した者達も「好い恰好をしたがる」傾向が強い、「どうだ!10兆円だぞ、参ったか!」と。然も【他人のカネ】で!

P2【日本郵政の経営者の立場に立つと、‥背任罪に問われかねないし、】
ふううむ~、この点では、日本郵政㈱の現斎●社長は大物で切れ者ですから、踏み込むかもしれませんよ。特に、官業回帰を確実にするという褒美が付くなら、尚更かも‥。

P3【官業による民業圧迫との批判】
全銀協などの代表者が屡々この台詞を吐いて郵政事業拡大反対の唯一の論拠としていますが、私はその度に其の「立派なお立場(皮肉ではない)」を真に蔑にする「小さくてお粗末な論理」だと思っています。
大国日本の経済の死活を決する血管業(=金融業)を代表する者なら、国家経済を背負う気迫を以って「今の日本新党版郵政改革が如何に不健全であるか!」を訴えてその撤回を迫るべきだと。今の彼らは、自らの会社と業界の平穏を心配しているだけだと。言葉は汚いが、「XXの穴」が小さ過ぎると(笑)。

P3【海江田万里経済財政担当相も、‥慎重な姿勢を見せているのは案外頼もしい】
このご指摘の脈絡では同感です。然し、何処まで腰の入った主張かは不明ですが(多分、腰が入る程には金融の見識はお持ちではないと、多分)、鳩山さんに近かったという経済学者某氏(私が昔籍を置いた銀行の先輩です)の主張を自分の意見として述べていた、国家債務(国債など)を外貨準備を含めた国家資産と相殺すれば、国債残高は略々半減する!900兆円の債務も不健全とは言えない! 未だ借金出来るんだ!という不見識な暴論を吐いていました。
海江田さんは、私には引き続き「要警戒」です。

P3借金で手に入れた【米国債を担保として借り入れを起こして】
金融手段としては、此れこそ安易極まりない「自転車操業」です。既に破綻(Default)の危機に瀕している此の国を、過重債務の谷に突き落とす如き愚策です。
然も、この外為特会は既に30-40兆円の為替差損を蒙っている。

BBB.違和感のある部分
P2【積立金の額を大幅に縮小して国民に積立金を返し、‥民間で行う資金運用を増やす‥方が効率的になる】
日本版401Kですね?老後の年金の原資となる貴重な資金を、金融リテラシーに欠け自己責任能力に欠けた国民の金融技量に委ねるというお考えですか? 効率性は高まるかもしれませんが、5年10年が経ったら、投資に失敗してその貴重な原資を全部失って、「老後は生活保護頼り」という人が続出という事態を恐れます。現在でも、将来の年金担保制度で借金をして破綻している人が少なくないと聞きますので。

P3【国家ファンドは市場原理の対極にある存在なのに】
私の勉強不足なのでしょうが、この脈絡は理解できませんでした。金融取引で利益を狙う国家ファンドが、金融が拠って立つべき【市場原理の対極にある存在】ですか?
草々
 
 
 
Unknown (引越し 料金)
2011-02-26 03:29:57
国の借金はひとつの家庭で夫が妻にお金を貸しているだけだと思っています。徳政令じゃダメなんですかね
 
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