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「人間」の商売 (床屋政談)
2007-06-26 06:28:17
山崎さん、おはようございます
(お久しぶりです。PCが壊れてしまい…ずっと携帯と会社のPCで拝見してました。ちなみに壊れたのはSONY製です…)

文中(1)の、保険における「相互扶助(公共)」と「商売」の《都合のよい使い分け》、とても共感しました。
それこそ、
メディアにおける、記者クラブや公共の電波論や再販制、
教育における、特待生制度や、教員の身分保障や、
公務員における、(政治的中立や労働環境維持と)身分保障や天下り、
金融機関における、公的資金、
などなどなど…
ほとんどすべてに共通している気がしますね。

私は、以前に話題になっていた、人材派遣業におけるピンハネ率の明示は、ゼヒともと思いますが、

文中(B)の部分、クルマ(それこそ家でも)の販売に利益率を明示するのが難しいように、みんな商売なんだからと考えれば、理屈の上では明示しなくてもいいような気もします。

自由な競争が許されない分野にのみ、明示を義務化するべきでしょうか。

個人的には加えて、人材派遣や生命保険など、{「人間」の売り買いという要素が色濃い分野}には、明示が求められる、というのがいちばんスッキリします。

(すこし強引ですが、食品の成分表示や年金問題も同じ文脈で言えないでしょうか)


 
 
 
健康保険は関係ないのでしょうか (hamachan)
2007-06-26 09:43:06
山崎さんの考えには賛成です。これからの保健法の改正で気を付けておくことは医療保険でないかと考えています。

山崎さんのご意見は参考になりました。保険制度の改正のなかで医療保険の改悪があるか否か存じませんがこれだけは譲れない制度です(保険料を含めて。)。

米国の要求を飲んで第三分野の保険が解放され外資が多く参入してきました。ついで健康保険を狙っているとの話もあります。

日本の健康保険制度が崩壊すると米国のように貧しい一般市民は医療を受けられない状況が来るかも知れません。米国の医療制度の状況をあのマイケルムーアが映画を作成して問題を提起しておるとのことです。6月29日に公開されるそうです。

詳しくは、下記のブログをご覧ください。
 
 
 
健康保険は関係ないのでしょうか (hamachan)
2007-06-26 09:48:48
確認画面があると思いましたがいきなり投稿となりました。書き忘れたブログのアドレスを追加します。前の原稿の見直しをしていません。失礼しました。

http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2007/06/post_e874.html
 
 
 
生命保険は、どの程度金融商品か (山崎元)
2007-06-26 10:04:28
床屋政談さま

お久しぶりです。

生命保険が、付加保険料を明示して売るべきかという問題については、これをどの程度「金融商品」と考えるか、という問題があります。

金融商品は、言わば「お金でお金を買う」商品であり、損得が明確な商品ですが、商品について判断できる情報・判断力強者と弱者では、判断結果に大きな差が付き、しかも、傾向として、購入金額が大きい。

預金は元本保証で金利が明示されていますし、投信も手数料は細かく開示されています。最近は、個人向けのEBのような、半ば詐欺と言える商品が売られるようになっていますが、損得の判断が難しい商品は、原則としてプロと認定される人向けです。

生命保険の場合、使うお金の額が大きいし、確率の判断は難しいし、期間も長いし、しかも、手数料に相当する付加保険料は、投資信託などのざっと10倍の大きさです。これを、契約が取れたらそれに応じた報酬を貰い、ノルマというか目標を持ったセールスマン(セールスレディ)が売るのですから、消費者の保護のためには、せめて投信並みの情報開示は必要だと思います。

また、商売だから儲けは自由、といっても、特に相互会社の生保は、保険自体は契約者=社員の相互扶助という建前で成り立っているわけですが、内勤の社員は、保険が売れた際の経費から給料・ボーナス(結構厚遇ですね)を貰う仕組みになっていて、いわば、相互扶助のおこぼれをかすめ取るような構造になっています(トヨタの車のような商売とは少々異なります)。商品の周知が必要で、宣伝などにお金がかかることも確かなのですが、保険会社の側では、何はともあれ、保険の販売額を膨らませようとする強いインセンティブが働いているので、強制的に付加保険料を下げさせないまでも、商品毎の、正確な情報提供は必要でしょう。
 
 
 
生保業界の革命 (トージ)
2007-06-26 17:48:15
 はじめましてこんにちわ、トージといいます。
私も生保業界(損保も)の現状を憂いている一人で、生保の商品は高額すぎて購入しようとまで思い至りません。
 



 保険商品が高額である要因は、固定費、運用パフォーマンスが2大要因であると考えています。
 固定費に関しては、これからはネット生保の躍進によって、契約者の負担が小さくなり、結果、生保商品の価格も下がるでしょうから、リアルの顧客がネットに流出していくと思います。
 

 


 後は、運用パフォーマンス次第になるわけで、日系生保の低運用利回りを見ていると本当にプロがやっているのか?と疑いたくなってしまいます。確かに、保険料の運用では運用対象がある程度限られてくるわけですがそれでもあまりに酷い。生保で扱う資金は長期的運用を前提としていることを考えれば、山崎さん、あるいは、さわかみさんに運用を委託すればよいのではとまで考えてしまいます・・・



 

 ネットで商品を売り、かつ、高パフォーマンスの運用部隊を持ち合わせた生保会社。。。そういった企業が現れば、相当の価格破壊がおこるのではないでしょうか?
 
 
 
生命保険は、この程度金融商品だ (作業員)
2007-06-26 19:21:00
男の土下座
先日、わしはファミレスで、ブラック・ショールズ式を用いてもノックアウト・オプションのプレミアムは計算できないらしいことを知り、その理論値はモンテカルロな方法で算出され、そこには乱数の問題がなお残ったりするから、金融工学において先行するのこともまた、はかなき夢か幻か、などとつれづれなるままに考えながら、次に山さんに質問するのは、「全員が同じポートフォリオをくんでしまって、ヘッジが効かない状況は現実に起こるのか?」ということにしようと決めたりした。
ファミレスの隣の席に、年の頃三十代半ばの男が二人座り、高校を出て以来だなあ、などとテンションの高い挨拶をかわした後、しばし、昔話に花を咲かせた。それから、近く同窓会を開くのだと言う男が、本題を切り出す。今日久しぶりに君に声をかけたのは、自分の仕事に関することだ。自分は今、外資の保険屋に勤めている。しばらく、自分の保険の話に付き合ってくれ。
なにせ隣でしゃべるので、しかたなくわしも保険の話に付き合った。保険は家の次に高い買い物であること。外資は運用実績が格段にいいこと。君に合ったものを我が社は独自に用意できること。などなど、を説明し、生涯賃金、老後に必要な資金、などの数字もあげて、相手の不安をつのらせる。保険の説明が一渡り終わって、今日はここまででいい、もう一度、後日会ってくれ、そのときに具体的な返事が聞きたい。なかなか余裕のやり手外資保険屋だ。
それから二人は、同級生で不安定な生活をしている共通の友人の心配を始めた。なんだか二人して、わしの心配をしてくれているようで、ケツがむずがゆくなるのをこらえた。が、よくよく話を聞いてみると。保険を勧められている男は某公僕で、確かに生活は安定しているようだが、子供のためにこの地方でもっとも地価が高い文教の地区に土地を買い、家まで建てているらしいから、一つしかない命は、すでに担保にとられてしまっている。保険を勧める方の男も、元(破綻した)信金マンで、日頃ファミレスで目にする三十代半ばのプロの詐欺師(某ネットワークビジネス組織の数少ない成功者)の勧誘手口と比べれば、まったく洗練されていない。なんとなく、他人の心配をしながら保険の話をするほどの余裕は実はないんでないか君たち、と口を挟みたくもなるのであった。
ひょっとして同窓会も保険の勧誘が目的か、と旧友に言われた保険屋は、あったりめーだろ、と答え、もはや用事は済んだと少しほっとした顔の保険を勧められた某公僕が席を立とうとする。すると保険屋は、某公僕の腕をつかんで、こう言った。
「頼む。俺も必死なんだ。生活かかってるんだよ。後輩でも先輩でもいいから、二人、紹介してくれ。頼む」
椅子を降りて土下座をするようなそぶりの保険屋の旧友をぶら下げるようにして、保険を勧められていた某公僕が言う。
「毎日、職場の入り口には、保険のおばちゃんが来てるよ。うんざりだ。俺、毎日、カーちゃんに五百円もらって、家出るんだ。保険に入るかどうかは、カーちゃんしか、決められない。俺には紹介できる後輩も、先輩もいない。俺はあと三十五年、家のローンを払うだけだ」
元信金マンのやり手だったはずの保険屋が、地べたに座り込んだ。某公僕はポケットの小銭を全部テーブルに置いて、ファミレスを出る。おもしろいものを見せてもらったお礼に、わしも土下座するほど保険屋の男に頭を下げて、会計に立つ。ファミレスを出ようとすると、また、プロの詐欺師どもとすれ違った。
 
 
 
外貨取引について (ケビン67)
2007-06-26 19:22:58
生命保険の話題でなくて、申し訳ございません。

外貨MMF、FXで少額ですが儲けているものです。
今週の週刊ダイヤモンド、読みました。

「外国為替取引は誰かが儲けるためには、誰かが損をしなければいけないゼロサム・ゲームの『投機』である」という主張自体は納得できますが、「誰か」の部分には、疑問があります。

私の理解は以下のようなものです。
外貨取引で損をする人:輸入業者や輸出業者のように、たとえ不利な相場であってもそのタイミングで外貨取引をせざるを得ない人。
外貨取引で得をする人:外貨を買うのに有利な相場の時に買うことが出来て、売るのに有利な相場になるまで待つことが出来る人。(私は、自分がこちらの人間だと思っています)

当然、プラザ合意後の円高のような事態が起こればお手上げですが・・・。

とりあえず、今までこの考え方で、利益を得てきましたが、間違っているのでしょうか?
 
 
 
怒りの保険 (サイレントじゃないマジョリティー)
2007-06-26 20:44:51
山崎様

>・・・・割合真面目な対応だと思った・・・・・・・・>>
私はニュースで各社トップの謝罪会見を見ていて全く違う感想を持ちまた怒りを感じました。

何と言うことだ!!どの社長も誰一人として、
●保険契約者を見てもっとオープンで判り易い商品構成とします
●判り易い説明の為に代理店向けにも(社内向けにも)正しい知識の啓蒙をします
●そして安価で安心・信頼のおけるサービスを提供する事に全力を尽くします
という点には一言も触れていないではないか、態度や目つきからは「何でこの俺がこんな馬鹿で損な役目をせにゃあならんのだ」と言う雰囲気しか感じられず、其れを何とか隠すべく全員共通して言葉だけは極めて形式的に「ご迷惑をお掛けしました社内委員会を作って原因を究明します」程度の無難な返答に終始しているではないか、と強い憤りを感じました。

経営上の重大な欠陥(保険詐欺とまでは言わないで置きます)に思いを馳せ、自社・業界の倫理立て直しの一翼を自ら担う志を見せた人は皆無ではなかったでしょうか。


本件に関して、経営哲学でもなく、消費者保護の観点でもなく単純に消費者の立場から考えを重ねていて、気が付いた(なかで最も重要と考えた)点は次の通りです:

ともに複雑な構造で金額も張り使用期間が長期にわたる金融商品(例えば投資信託や生命保険)と高額耐久消費財(例えば自動車や高級腕時計)を対比して考えた場合、最も大きな違いは保険契約者と消費者の満足度の表出・露出具合の差ではないでしょうか。

つまり買手・消費者がCS(顧客満足)度合いが高いと感じた(満足した)場合であっても
●金融商品については他の人に其れを積極的には伝えにくい・薦め難い。
(儲かった事や助かった事を直接的に広め難い、下手をすれば妬みを買うし受ける仕打ちが怖いし、元々金銭的事柄は内密にしたい。また極端な例を敢えて挙げれば、身内を失った家族が高額保険金で助かって良かったとは言えない。)よって契約者同士の情報交換が出来難い。
一方
●耐久消費財に就いては金融商品に比べると遥かに自慢したりひけらかし易いし、相手も褒めそやすことが社交上役立つ場合もある。需給両サイドで情報交換がされる。

上記の商品性質上の違いは、供給サイドにとって商品構造とコスト構造を開示するか極力ブラックボックス化すべきかどちらが得かの判断を間違わせる罠になっている、と言うよりも、其れを悪用出来る点にある。

難解な数理計算をベースに商品開発をする専門家集団が不相応に高額の報酬を手にする為の難解な商品に対する知識は恐らく売る側でも経営者・社員や代理店も殆ど判っていないのだろう。
見えにくい薄い色の極小フォントで印刷された約款で契約させられる消費者には益々わかり難い。

法制審議会保険部会のWebSite に在った「諮問第78号」とその別紙「見直しのポイント」では一箇所だけ触れた点は(最後にその他として)あるものの議事録をザット見る限りでは一連の不払い事件に対する再発防止を目的とする処罰条項の検討は回避されて仕舞ったのだ(行政当局に依る助け舟)と思わざるを得ません。 こりゃあ~お目こぼしと言うのではないかな!!  論議の焦点が専ら明治時代の文語体で書かれたままに成っている商法第二編を現代口語体にどうやって直すかの細目に在り、今回の一連の不払いの再発防止策とは程遠い様に感じます、まあ法制審議会は法律作りの専門的な会合なのでしょうがないのかなあ? (第九回会議までの議事録をザット斜め読みした限りではありますが)

不正行為(不払い)に対する懲罰と古びた法の現代化とは別の論議だと言うならば、諮問別紙の第一の四を「その他」としてお題目程度に形だけ整える如き目くらましも不要な筈だ。

今少し腰を据えて行動ファイナンスの勉強を進め武装しようと気持を引き締めた次第です。

(これまでの生・損両保険料の払い捨て類型額を先だって計算して以来少し大変感情的な上に要領悪しき長文ですが、ついつい叫んで仕舞いました。)
 
 
 
Unknown (memo)
2007-06-26 21:02:57
http://www.moj.go.jp/
ここに保健法部会のメンバーがのっているようです。例のカタカナの会社の方はいらっしゃらないようですね。

昔入っていた養老保険が満期になり、払い込んだ額の割に大きく成長して帰って来たので喜んだものの、そういえばこれしか医療、入院保険がなかったのだと気づいて生協の掛け捨てに
 
 
 
つづきです (memoま)
2007-06-26 21:11:59
入ったところでした。こどもなどは骨折やらで生協の保険にはほんとにお世話になりました。割戻金もあって良心的なお値段でまさに「助け合い」です。
旦那は会社にいたころどんなに泣きが入っても「結構です」といわゆる保険勧誘を断り続けておったようです。

他のスレッドの作業員さまのご覧になった番組見ておりました。お気の毒な立場だった教授のお言葉を以下にJMMがらみで
(コピペ開始)
医療関係者が強く反発する営利企業の医療機関経営への参入。その目指すところは、患者本位の質の高い医療だ。
総合規制改革会議のメンバーでもある八代尚宏・日本経済研究センター理事長は、「最も重要なのは、医療の世界に適正な競争システムを組む込み、劣悪な医療機関が淘汰されるよう仕組むこと。その手段の一つが、株式会社の参入だ」と、プラス面を強調する。様々な形態の事業者が参入することで競争が激しくなり、情報開示や医療標準化への期待も高まって、患者がより良い医療機関を選べるようになる・・・というわけだ。
これに対して、学習院大経済学部の遠藤久夫教授は、「医師に比べて、患者が得られる情報は極めて限定されているので、競争原理を導入しても、医療機関の選別が有効に行われるとは思えない」と疑問を投げかける。
(コピペ終了)
 
 
 
テクニクカル分析について (pepe)
2007-06-27 01:10:07
はじめまして。いつも楽しくblogを読ませていただいています。

このエントリーの話題ではないのですが、
『お金を増やす本当の常識』を購入し、読みました。質問なのですが、P.168「テクニカル分析は役に立たない!」に書かれている

> 多くの人がテクニカル分析を使っているから有効ではないか、というのも根拠のない推論です。
> ある宗教に信者が多数いるから、その教義が正しい、ということにはならないはずです。

との部分ですが、後半部分には同意するのですが、多くの人がテクニカル分析を用い、投資行動を行った場合(ゴールデンクロスは買いのサイン等)に実際の株価にも影響を及ぼすとおもうのですが、
この効果についてどのようにおもわれますでしょうか?

信じる人の多い少ないというより、金額を多く動かす人(機関)が信じているかどうかなのでしょうか。

たとえ正しい理論でなくても、信じるひとが増えることによって(短期的にであれ)結果がその信じられた理論の方向に作用するというのはありそうで、おもしろいところであり怖いところかなと思ったりします。
 
 
 
保険以外の話 (山崎元)
2007-06-27 10:18:22
保険に関係ない話を済ませてしまいましょうか。(コメント欄にに、エントリー以外の話題を投稿いただくことについては、これまで通りで結構です。今後も、お気兼ねなく)

>ケビン67さま

為替市場が概ねゼロサムゲームであることはご理解いただいているようで嬉しく思います(高金利通貨の預金・債券は、リスクはあっても期待リターンが高い、と誤解する人が多いのです)。

ただ、マーケットの参加者に固定的な有利不利があるのか、余裕のある人が必ず有利なのかについては、疑問があります。たとえば、輸出・輸入の業者もよほどのんびりした人でなければ、為替予約のタイミングを考えます。

私は、昔、商社の財務部で為替予約の仕事をしたことがありますが、25年以上前から、輸出も輸入も、どの部門も結構真剣に為替予想をしていましたよ。

確かに、何も材料の無いところで、二人の人が逆のポジションを持っていると、時間と財政的な余裕のある方が有利なレートで手仕舞うことが出来ますが、環境に変化があり、無数の人が参加していると、基本的には、何時、どのような形で参加する人にも、たいした差はないように思います。

為替市場は、時間制限もほぼないし、大きな金額がスムーズに動くし、参加者に対してフェアだし、「一流のバクチ」の条件を備えていると思います(私はバクチが悪いものだとは思っていません)。

為替市場はBISが円安の行きすぎをレポートで指摘するなど、ちょっと波乱含みですね。ご幸運を祈ります。

>pepeさま

「信じる人が増えたときに、短期的に・・・」ということは、大いにあり得ます。ただ、「短期」が何時始まって、どれくらいの期間なのか、が難しいところですね。以下のような理由で、「気にしなくて、いいんじゃないの」というのが、私の結論です。

チャートに限らず、「何らかのパターンの後に決まった行動をすると儲かる」という経験則がある場合、自分がそのパターンに先に反応したのか、後から反応したのか、が重要になります。しかし、現実には、自分が反応の前半に居るのか後半に居るのか、具体的には、自分の投資行動の後に、フォロワー(後に続く人)がいるのかどうかが重要になりますが、これを行動の「事前に」確かめる方法がありません。

特に、チャートは誰でも見ることが出来て、パターンがはっきりしているので、これに「乗る」として、先なのか後なのか、という判断を行うことが難しいと思います。

実際には、物体が動くように観察者と関係なく株価が動いているわけではなく、まさにその観察者(たち)が株価を動かしているので、「あるパターン」の次に「何らかのパターン」の出現確率が高いというような形での有効な予測に、チャートを結びつけることは難しいでしょう。

また、チャートについては、包括的なデータをもとに(せめて東証一部全銘柄を10年分程度は)して有効性を論じた検証が決定的に不足しています(だから、少なくとも、投資教育でチャートを教えることは不適切だと私は思っています。マニア同士が趣味でやるなら、良いのですが)。ただ、「有効だ」という結果が出ても、これが知れ渡ると、上記のような状況にすぐになってしまうので、やっぱり、ダメではないでしょうか。

それでも、一度見方を覚えてしまうと気になるのが人情ですし、特に、チャートの「勉強」に時間を使ってしまうと、それが有効だという仮説を捨てられなくなるのも、またよくある心理です。また、本人が、影響されていないつもりでも、投資判断に影響が出ることがあります。

本当は、「チャートはどうせ無益ですから、もっと別のことを考えましょう」という見切りからスタートするのがいいのだと思います。「チャートは、誰でも出来る暇つぶしであり、無知でも売り買いがしたくなるように証券会社が普及に努めている、手数料製造促進の宗教(占い?)だ」というのが、私の意見ですが、いったん拘ったものについては、それを捨てることが難しい、という人間心理もあるので、テクニカル分析が「好きだ」という方は、放っておくしかないですねぇ(年金運用などプロ同士がお金を任せ合う世界では、オフィシャルにはほぼ駆逐されている、といっていいでしょうが)。

その他の何が有望なのかは難しいところですが(いくつか、チャートよりは有望そうなものはあります)、他に有望な方法がなければ、現在のダメなものが捨てられない、というのも甘えた話です。
 
 
 
エントリーに無関係な内容のコメントについて (山崎元)
2007-06-27 10:28:31
補足です。

ブログの管理者(あるいは読者)への問いかけの窓口は、管理者へのメール(yamazaki_hajime@mail.goo.ne.jp)もありますが、コメント欄に書き込むのが気楽でもあり、エントリーに関係ない内容のコメント書き込みを厳しく制限する、ということは、今のところ(無関係な内容の投稿がそう多いわけではないので)、厳しくは制限しません。

新しいエントリーは、新規出店したお店のようなものですから、必然的に見つけやすいし、ここに、コメントを書き込んでいただいて、構いません。

但し、コメントのご質問に全てお答えする訳でもありませんし、エントリーと全く関係ない議論が延々と続くような状況も困るので、話題の交通整理は(なるべきしませんが、無視や削除も含めてですが)ブログの管理者(=山崎)が勝手にやります。

そこでやりとりをすることもあれば、別のエントリーを立てて議論の引っ越しをお願いすることもあれば、議論のストップをお願いすることもあります。

以上、なじみのない読者に、このブログは、何でも書き込むことが「歓迎!」なのだ、と勘違いされて、過剰に期待されても困るので、補足しておきます。
 
 
 
Unknown (hiro)
2007-06-27 15:15:40
>高金利通貨の預金・債券は、リスクはあっても期待リターンが高い、と誤解する人が多いのです

理屈(金利平価)では、円で預金しようが、高金利通貨で預金しようが、リターンが同じになるように為替が動くので損得はないと予想できる、ということですが、実証研究では高金利通貨の勝ち、になっているようです。

ここに、サンフランシスコ連銀の論説が紹介されています。
http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070313

また、ちょっと古いですが「世界経済の謎」(竹森俊平著、1999年)という本でも、同様な海外の実証研究が紹介されています。

私も最近流行りのFXで金利差を稼いでいるので、自分に都合のいい情報は記憶によく残ります。
 
 
 
安全神話総崩れ (xtc4241)
2007-06-27 16:00:31
山崎さん
こんにちは(いま27日PM3:30頃、オフィスです)

床屋政談さんが例に挙げておられるますが、
僕には最近の社会問題化した社会保険庁、ミートホープ社、コムソン社なんていうのも、ここだけは安全・安心と思っていたことが、というか、そんなことも意識していなかったことが、ごとく崩れ落ちてきている。そうなんだ、空気のようなものまで、疑わなくてはならない時代になった?

安心のために相互扶助しましょう、という保険がじつは
アコギな商品としてしか存在していない。
情報の非対称性って経済学ではいうらしいが、情報強者は弱者から、知らない人から徹底的にむさぼりとろうとする。知らないからいいだろう。わかんないからいいだろう、っていう雰囲気が漂っている。でも、ある局面では儲けたと思っていた奴らが、別の局面では知らずのうちに、そのわなに陥ってる。「疑心暗鬼の時代に誰がした」ともいいたくなっちゃうね。
自分のことは自分で守ろう、というのは気休め。
山崎さんのように、どんな疑問があるのかってわかる人だけだろう・・・それができるのは。それすら、わからない僕ら凡人はどうすればいいのかな。

でも、あきらめちゃいけないのですよね。それぞれのテリトリーや局面でそうではないでしょうって小さい声をあげるってことが大切なような気がしているきょうこの頃です。
    

 
 
 
Unknown (のらひこ)
2007-06-27 17:11:16
保険業法の改正、是非みんなでウオッチしたいですね。
私を含め、壮年期に過剰に保険に入る傾向は、社会保険の性能に無知であることによる面が大きいように思います。私傷病で死んだ場合の厚生年金の遺族年金の出方、労災の遺族年金の出方、高額医療費の還付のされ方等々をあまり知らないものだから、おばさんの脅しに屈して過剰な保険に入るということであったと痛感します。生命保険も40年掛ければ2000万円ぐらいは払ってしまうことになりますものね。
満期金が500万あったって1500万円はおばさんと、劉としたセイホマンの背広に化けた訳です。
生保の販売時には、公的保険の死亡時等の機能の説明も義務付けるようにすべきと考えます。もっともその公的保険そのものが当てにならないことが暴露されてきてしまっていますが・・・
また、もうすぐアメリカが民主党の時代となりますが、アメリカの民主党時代は過去日本にいいことは何も無い時代のように思います。日本にがん保険と医療保険でのアメリカ保険会社の圧倒的シェアー確保を強要したのもおばさん弁護士とせむしの弁護士の民主党勢でした。橋本政権の無定見は言語道断でしたが。米民主党政権はその他でも日本経済に絶大なマイナス効果を与えた様に思います。
これから、日本実業界はアメリカ民主党政権とどう向き合うのか、真剣に策を練る必要があると思います。
 
 
 
高金利vs.低金利 (山崎元)
2007-06-28 22:51:08
hiroさま

高金利通貨の方が過去のデータ的に分がいいことは、私も知っております。ただ、この現象自体は、理屈の上で堅い基盤を持っているものではないので、いつ逆転してもおかしくないと思っています。

「経験則としては、こうだ」しかし、「それがずっと続くとすると、理論的にはかなり奇妙だ」という状況こそ、十分に警戒しなければならないのではないでしょうか。

たとえばかつての「土地神話」を考えてみて下さい。収益還元法的地価を超えた地価の上昇には無理があったのですが、かつては、日本人の心理や、土地が担保であることの特別性、それより何より、過去に一貫して地価が上昇してきたという事実が、それなりに賢いと思われている人も含めて、多くの人達の判断を狂わせましたね(バブルの頃に、家を買ったようなファンドマネジャーも少なくないわけで・・・)。

過去のデータも勿論大切なのですが、理屈の上でどうなのか?という思考がもっと大切な場合があると思いますし、厳しいゲームである相場は、まさにそういった世界だと思います。
 
 
 
ミートホープの「錬肉術」 (山崎元)
2007-06-28 22:51:54
xtc4241さま

ミートホープの錬金術ならぬ「錬肉術」のひどさには全く、呆れます。我が郷土、北海道の恥です。

こういう人が時々居ることを思うと、ルールを甘くしておいて、倫理観を求めるアプローチは、もう上手く行かないと思いますね。「ルール作りは性悪説で、ルールの運用は性善説でやるといい」とは、佐藤優氏に聞いた言葉ですが、方々で「性悪説によるルール作り」が必要だと思う今回の事件です。
 
 
 
為替:経験則vs.原則論 (ケビン67)
2007-06-29 14:49:06
最初に為替ネタを投稿したものです。
トピずれとは思いつつ、話が広がりそうなので、追加投稿します。

ここ数年、株取引と為替取引をしていますが、投資成績は圧倒的に為替取引の方がいいです(金利差と円安傾向のおかげでかなり確実に儲けられるという感覚すらあります)。その経験則と専門家が言う「為替取引はゼロサムゲーム」という話のギャップに疑問を感じている次第です。

そこに、hiro様が「統計的にも高金利通貨の方が過去のデータ的に分がいい」という投稿があって、「ああ、やっぱり」と思ったりもするのですが、山崎さんの『「経験則としては、こうだ」しかし、「それがずっと続くとすると、理論的にはかなり奇妙だ」という状況こそ、十分に警戒しなければならないのではないでしょうか。』という意見も「確かにそうだ」と思ったりもするわけです。

さて、以下に私の為替に関する素朴な疑問を書きます。
いずれかの機会に、こういう観点で為替ネタのトピックを立てていただくことを期待しております。

1)例えば、かつての日本の高度成長期のような状態にある国の通貨で外貨預金をして、数年寝かせた場合、そのお金はその国の高度成長のために使われることになる(?)。その結果、その国の通貨は強くなって、なおかつ、高い利回りで儲けることが出来る(?)。こういう場合も投機なのでしょうか?

2)そもそも為替取引が活発に行われているのはなぜなのでしょう?(実需の10倍のお金が動いている、とか言われている) 本当にゼロサムゲームなら、市場参加者の半分(?)は損失を被って市場から退出するはずなのに、そうではありません。そもそも、「為替市場はゼロサムゲーム」という原則を知っているプロが多く参加しているというのも不思議な感じがします。

以上、トピックがネタ切れしたときにでも、お願いします。

ちなみに、ここ数日、外貨一時下がって、また上がったので、少し儲けを出しました。
最近、以下のようなフレーズを聞きました。このフレーズを忘れないようにしたいと思っています。
「Enjoy the Party. But, Close to the Door.」
(パーティを楽しんでください。ただし、いつでも逃げられるように。)

 
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