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猪熊隆之の観天望気講座164

2020-10-27 08:38:00 | 観天望気

奥越高原で見られた雲を解説

シルバーウィーク中に開催された奥越高原での研修会で見られた雲についてご紹介します。まずは、奥越高原に向かう途中で見られた雲から。

写真1 松本盆地から撮影した北アルプスにかかる雲

北アルプスを越えて吹き降ろす風によって、雲も山を駆け下っている様子が分かります。滝雲っぽい感じにも見えますね。北アルプスの反対側(日本海)から入ってきた湿った空気が山の斜面に沿って上昇し、雲を発生させます。それが山を越えると、下降して温められていくため蒸発していく様子です。その上に広がっているのは、山よりずっと高い所にある高層雲(こうそううん、別名おぼろ雲)です。

写真2 ひるがの高原上空に広がるうろこ雲

秋の雲の定番、うろこ雲(巻積雲)ですね。これは味噌汁のまだら模様と同じ原理でできます。詳しくは103回 https://blog.goo.ne.jp/yamatenwcn/e/bde8b7d9880a9c60757451375a388ef3 をご参照ください。

写真3 奥越高原上空に浮かぶわた雲(積雲)

青空にポッカリと浮かぶわた雲は、見た目も動きも可愛らしいです。こちらは日射によって温められた地面付近の空気が上昇してできる雲です。空気は温められると軽くなるので自然と上昇していきます。単体でポッカリと浮かんでいる雲は、その下の空気が周囲より温められているときにできます。組織的に連なっている場合には、地面付近と上空の空気との温度差が大きくなるときにできます。

写真4 おぼろ雲(高層雲)

翌朝はどんよりとした曇り空。でも雲の高度が高く、展望は良く効きます。この雲は高度約4~7km位に浮かんでいる雲で、おぼろ雲(高層雲)と呼ばれます。

写真5 太陽が透けてみえるおぼろ雲

このように太陽がおぼろげに見えることから名づけられました。

写真6 西の空から青空が広がる

しばらくすると、西の空から青空が広がってきました。春や秋は、西から天気が変化してくることが多いので、西の空が明るくなってきたり、青空が出てくると天気は回復していきます。

写真7 奥越高原上空に広がるひつじ雲

次に出てきたのはひつじ雲。今回のようにおぼろ雲がひつじ雲に変わっていくようなときは、天気が回復することが多くなります。逆にひつじ雲がおぼろ雲に変わるときは、天気が悪化することが多いですね。ひつじ雲もうろこ雲と同じ原理で発生します。うろこ雲より高度が低いので、塊が大きく見えます。人差し指を雲の方向にかざしたときに、雲が指に隠れる大きさがうろこ雲、隠れない大きさがひつじ雲、という見分け方があります。

写真8 波状雲(はじょううん)

ひつじ雲の形が変わり、雲が一列に並んでいる形となってきました。これを波状雲(はじょううん)と呼びます。重力波によってできる雲です。重力波によってできる雲については、104回 https://blog.goo.ne.jp/yamatenwcn/e/aacf74d5655eb3aa18757eaae0cc8f00 をご参照ください。

写真9 日本海に連なる危ないヤツ

日本海側の山では、天候が急変することがあり、気象遭難が多く発生しています。天候が急変するとき、日本海の方角にその前兆が現れますので、日本海の方向の空を時々見るようにしましょう。上の写真のように、モコモコした雲が連なっているときは、要注意です。この後、雷雨になったり、天候が急変する恐れがあります。

文、写真:猪熊隆之(株式会社ヤマテン)

※図、写真、文章の無断転載、転用、複写は禁じる。

 


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