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猪熊隆之の観天望気講座163

2020-10-01 21:26:41 | 観天望気

木曽駒ヶ岳で見られた雲を徹底解説!partⅢ

~台風が南海上にあり、南東風が吹くときの雲~

今回は、ツアー2日目に見られた雲についての解説です。この日は、非常に強い台風が南海上にあり、等圧線の間隔が前日より狭くなってきました。つまり、風が少し強まる気圧配置です(図1)。

図1 ツアー2日目午前6時の地上天気図

台風や低気圧の周りでは、反時計周りに、等圧線にほぼ平行に風が吹きます。したがって、中央アルプス付近では南東の風になります。太平洋からの湿った空気が流れ込む風向ですが、中央アルプスの南東側には南アルプスがあるので、湿った空気は南アルプスで遮られます。そのため、中央アルプスの方が天気の崩れは小さくなります。中央アルプスの風下にある御嶽山は中央アルプスよりもよくなります(図2)。

図2 中部山岳の概念図

その辺りを雲の様子から確認しましょう。

写真1 中央アルプスから東側の空を見る

写真1は、八ヶ岳~南アルプス北部にかけての北東から東側の空です。東側(写真の奥)に行くほど雲が厚くなっており、一部で雨が降っている様子も分かります(左側の雲からレース状のものが垂れ下がっているところ)。ところが山を越えた中央アルプス上空は青空も広がっています。

写真2 青空が広がる御嶽山

中央アルプスより西側にある御嶽は、さらに良く晴れています。このような気圧配置のときは、北アルプスであれば、常念山脈より立山連峰や笠ヶ岳など飛騨(岐阜県)側の山岳、中部山岳では南アルプスや八ヶ岳より、中央アルプスや御嶽の方が天気の崩れが小さくなり、おすすめです。

写真3 東側から雲が侵入

ただ、この青空も長くは続かず、東側から湿った空気が入ってきて雲に覆われていきました。それでも中央アルプスの西側(木曽側)ではまだ青空が広がっていますね。この日は、御嶽の登山が正解でした。

文、写真:猪熊隆之(株式会社ヤマテン)

※図、写真、文章の無断転載、転用、複写は禁じる。

 


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