前 京丹波町議会議員 山崎裕二 活動誌 ブログ版

主に、政治活動の日誌として、できる限り、つづけてみたいと考えています。改めて、よろしくお願いいたします。

消滅時効に係る民法改正が労働基準法に及ぼす影響

2018-02-27 07:23:43 | 調査研究分析その他

 『議会だより』第56号に、

とあります。遡及適用の考えは、労働基準法 第115条で定める

 この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)、災害補償その他の請求権は二年間、この法律の規定による退職手当の請求権は五年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。 

に依拠するものと推察します。

 ここで、イシューとして浮上する可能性がある点として、昨年5月に成立した民法の一部を改正する法律との兼ね合いです。なお、同法の施行期日は、およそ2年後の2020年4月と定めました。

 以下、「民法(債権関係)改正による消滅時効に関する見直しが与える労働法制への影響」にもとづき、整理してみます。

 改正民法によって、使用人の給料に係る債権等の短期消滅時効期間(現行民法 第174条1号)については、消滅時効の期間の統一化(改正民法 第166条1項)や短期消滅時効の廃止等(現行民法 第170条から174条までの削除)を行いました。

 同法の改正と並行して、現行の労働基準法においては、民法に定める消滅時効の特則として、賃金等請求権の消滅時効期間の特例を定めており、そのあり方を検討する必要が生じています。

 現行民法では、使用人の給料に係る債権(=賃金)については、短期消滅時効期間として、1年間と規定していますので、現在の労働基準法による消滅時効期間(2年間)に関する規律は、現行民法の規律よりも延長した特別の定めです。

 改正民法においては、現行民法で規定する短期消滅時効期間を廃止としたため、1年としていた賃金債権の消滅時効期間は改正民法に従うと、5年に伸びます。しかしながら、労働基準法 第115条は、民法の特則として制定したものであり、特別法は一般法に優先するという法律の原則からすれば、改正民法によっても、なお、賃金債権の消滅時効期間は2年のままということになります。

 現在の民法では、短期消滅時効で1年、これを労働者保護の見地から特別法で2年に延ばしているのだとすれば、原則、民法が5年に変わったときに、果たして労働基準法という基本的に労働者保護のための法体系において、特別法で短くするということができるのか、それは基本的にはできないという理解で検討を進めなければいけないジャンルではないか。

といった意見もあるようです。改正民法によって、5年という時効の統一ルールを立てた以上、特則である労働基準法 第115条について、当該特別ルールを維持するのであれば、相当の正当化が必要であると考えられ、時効期間の伸長がなされる可能性も否定できません。

 冒頭に起こしたように、先の12月議会において、時間外手当に関する条例改正を行いました。その支給については、昨年12月1日を基準として、2年間遡るとの答弁があります。

 つまり、平成27年12月1日~昨年11月30日の期間の未払いを支払う方針と読み取れます。しかし、およそ2年後の民法改正施行に合わせて、労働基準法 第115条の消滅時効期間が5年間に伸長となった場合、この時点で、遡及の起点は27年4月1日となる可能性があります。

 まずは、時間外手当支給に関する補正予算案の提出があった際、提案理由説明や質疑などで確認することが肝要と評価します。その方針に関して、構えと備えはした上での提案となっているでしょうが、未知数な部分もありますので、今後、長期的に着目していきます。

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