後藤和弘のブログ

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藤城清治の影絵と宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」

2019年03月19日 | 日記・エッセイ・コラム
読売新聞の連載に私が愛読している「時代の証言者」という記事があります。
今月は影絵作家の藤城清治さんで、今日の連載は25回目で間もなく終わるようです。
そこで藤城清治さんの影絵を5枚ご紹介したいと思います。
この5枚の絵は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の絵本の挿絵として出版されたものです。
本来、影絵は絵の裏から電燈の光をあてて見るものですが絵本の中の挿絵は全て裏から光をあてて見ているような感動を覚えます。
この5枚の影絵のような挿し絵を鑑賞する前に「銀河鉄道の夜」の荒筋をご紹介いたします。
「銀河鉄道の夜」とは死んだ人があの世に行くために乗る鉄道の話なのです。
いつか貴方も私も乗る鉄道なのです。
このように考えてこの作品を読んでみると書いてあることがよく分かるのです。
さてこの作品のあらすじです。
・・・夏の夜空にかがやく天の川には銀河が流れていて、そこに鉄道があり列車が走っているという話です。人間は死んで天に登り、星になる。ですから銀河鉄道の汽車に乗っている人は死んだ人です。
主人公のジョバンニ少年が、星祭りの夜に水死した親友のカンパネルラを探しに行きます。カンパネルラは、水に落ちて溺れそうになっている友人のザネリを助けるために飛び込んで、水死したのです。そのお陰でザネリは助かるのです。
ジョバンニ少年がカンパネルラを探そうと暗い丘に登って行きます。そしてジョバンニは、いつの間にか銀河鉄道の汽車に乗っているのです。そして其処でカンパネルラを見つけ、一緒に汽車の旅をします。
その列車にはいろいろな人が乗ってきます。
ただ一つだけご紹介すれば、大きな氷山にぶつかった豪華客船の沈没の時、無理にボートに乗らずに死んでしまった少女と弟がぬれ鼠で乗って来るのです。大学生の家庭教師も一緒です。
3人は皆、沈没の衝撃で靴を失い、裸足です。それがいつの間にか温かい柔らかい靴を履いています。それがこの汽車の不思議なところです。
最後に、一緒に乗っていたカンパネルラもみんなも銀河鉄道の列車から消えて行きます。ジョバンニは降りて現世に帰る時が来ます。
親友のカンパネルラと永遠の別れです。ジョバンニは現世に戻り、病気の母親を助け、真の幸福を求めて元気よく生きて行きます。・・・

それでは藤城清治さんの影絵のような挿し絵を5枚お送りします。
出典は、https://blogs.yahoo.co.jp/lightandshadow7111/29013205.html です。

1番目の写真はケンタウロスの星祭りで子供達が楽しく遊んでいる様子を描いた絵です。
この後、ザネリが川遊びに行って、溺れそうになります。それを助けたカンパネルラが力尽きて水死してします。

2番目の写真はジョバンニとカンパネルラが銀河鉄道での再会する場面です。

3番目の写真は銀河鉄道はいろいろ幻想的な風景の中を通り、まもなく白鳥駅へ着く風景です。

4番目の写真は白鳥駅、すすきの原の風景です。

5番目の写真は近づく別れの時を前にしてジョバンニとカンパネルラが見つめ合っている場面です。
この後、カンパネルラはアッというまに母の方へ飛んで行ってしまいます。訣別がこうして起きるのです。
「ジョバン二はまるで鉄砲玉のようにたちあがりました。そして誰にも見えないように窓の外へからだを乗り出して、力いっぱいはげしく胸をうって叫び、それからもう咽喉いっぱいなきだしました。」
その後、ジョバンニはこの世に帰ってくるのです。そして母と一緒に住むのです。・・・

この悲しい、美しい物語の基調低音は「他人の幸福のための自己犠牲」です。宮沢賢治の多くの作品の基調低音と同じです。彼は法華経の精神をそのように理解し、実行しようとして苦しんだのです。38歳で亡くなるまでの短い人生を苦しんだのです。
しかし藤城清治の絵のある「銀河鉄道の夜」の絵本には上のようなことは書いてありません。
あくまでも子供が見て楽しいように挿し絵を描いています。
しかし影絵にような絵ですので深く見ると人間の悲しみが暗示さいているようです。宮沢賢治の基調低音を感じさせるのです。それが影絵の世界なのです。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)


尚、藤城清治さんのことは、https://ja.wikipedia.org/wiki/藤城清治 をご覧ください。
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