浮世風呂

日本の垢を落としたい。浮き世の憂さを晴らしたい。そんな大袈裟なものじゃないけれど・・・

シリアの現実は日本の報道とは全く逆

2012-03-29 08:00:42 | 資料

●イギリス人ジャーナリスト:シリアの情況はメディア報道と真逆

http://www.sana.sy/eng/21/2012/01/15/394292.htm
【1月15日 SANA】

 イギリス人ジャーナリストのリジー・フェラン女史は、シリアで起きている出来事の情況はいくつかのメディアが報じようとしてきた内容と完璧に異なるものだ、と語った。

 シリア訪問中のフェラン女史は、現地の情況を見るためシリアのダマスカスに6日前ジャーナリストとして到着してみて驚いたと語った。シリアは安全な場所ではなく混乱が支配している、また軍が道路上に配置され、反政府デモが毎日のようにあらゆる場所で行われている、というメディアによって知らされていたイメージを持っていたのだ。

 彼女はシリアのテレビ番組で、この訪問で見聞したことを語り、生活が普段どおりに行われ、人々は多少の問題はあれども、いつもどおり仕事や学校に出かけている、ことを強調した。

 ダマスカス市は自分が一人で夜遅く移動する際も非常に安全で、何らの問題にも遭うことはないし、大きな反政府デモも見ることは無かったと語った。 

 フェラン女史は、ウマヤド広場で大規模な政府支持デモを見てシリアの情況の現実に触れて驚いた、と指摘した。これは彼女にとっては、欧米その他の国々で知らされている情況と完全に異なるものだったと語った。

 イギリス人ジャーナリストは、バシャール・アル・アサド大統領がウマヤド広場に来て人々に直接語るということは、「非常に興味深いこと」だという。それはBBCやアル・ジャジーラなどのテレビ局は、シリア人はアサド大統領を支持していない、としていたから、何万もの人々が広場に来て大統領を見て喜び彼に対する親愛の情と支持を表明しているのを目撃したからだ。

●シリア国民:外国の干渉を拒否しアサド政権を支持

http://www.sana.sy/eng/337/2012/01/16/394678.htm
【1月16日 SWEIDA/DEIR EZZOR, (SANA)】

 

大規模な政府支持デモ

 スウェダ地区で南部のシャフバ市で武装勢力によりなされたテロ活動を非難し、シリアは人々が覚醒し指導部と一体となることでより強い国として興隆するだろうと叫ぶ政府支持デモが行われた。

 デモの参加者はシリア国旗と横断幕を掲げ、軍を称える歌を歌い、シリアの安全保障を脅かし、シリア人の血を流した者たちを打倒するよう要請する歌を歌った。

 参加者らは、誠実なシリア人は皆、一つになってシリアに対する陰謀と対決しており、彼らが集まったのはあらゆる陰謀に反対するためであり、シリアの強固な一体性を揺るがそうとする勢力に対する明確なメッセージを送るためだとしている。

 彼らはまた、政府の改革プログラムを支持しており、国家の統一に対するコミットメントを表明し、シリア軍と犠牲となった一般市民に対する表敬、そしてシリアはいかなる犠牲もいとわない価値ある国家であることを表明した。

 参加者らはアラブ連盟監視団が、事実を客観的に専門的に把握し、シリアの表通りの本当の雰囲気を伝えるよう要請した。

 デイール・エゾールでは、シリアのブレードというグループが女性労働組合支部と共同で地区内の女性と母親たちの署名を集めるキャンペーンを実施している。

 このキャンペーンは「シリアの母の願い」と名づけられ、独立した国家の決定を支持し、アサド大統領が指導する改革プログラムを支持し、外国の干渉を拒否するための署名を集めることを目的としている。

 このキャンペーンのオーガナイザーは、この「意思」がシリア人に友好、保障、安全を維持しようとさせると語った。またこの活動は母親たちの間に、子供達が祖国を愛し対話の文化を彼らの中に植えつける必要性があるという覚醒を広めるためだ、としている。

シリア情勢について、これまで同様に西側諸国の報道は胡散臭さ満点である。
それは恣意的な報道であり、”市民を虐殺する非道な政府軍”という、あそこでもここでもよく使われている構図で悲劇を映し出す。

本当に市民か?
本当に虐殺と言えるような非道か?

もし日本国内で武装集団が暴れ始めたらどうする?
当然、鎮圧するだろう。
武装集団が武器を使用し地域を占領するようなことがあれば、治安維持部隊も武器による制圧を行うだろう。
これを”市民虐殺”と言うか?

アラブ連盟監視団長:シリアでは武装テロリストが公共施設を襲撃

http://www.sana.sy/eng/337/2012/01/23/396023.htm

【1月25日 SANA】

 アラブ連盟監視団長のモハマド・アル・ダビ中将は、シリアでは武装テロリストらが政府の施設を襲撃しており、そのため政府の保安部隊が応戦を余儀なくされている、と主張した。

 23日カイロで行われた記者会見で、アル・ダビ中将は多くのテロリストの爆弾襲撃がイドレブ市の政府の施設に対して行われているが、これは全く受け入れることのできないことであり、軍・民間のバス、石油・ガスパイプライン、燃料タンク、橋、発電所、高圧線用鉄塔、などが襲撃の標的にされている、またダマスカス郊外でも爆弾事件が起きていると語った。

 シリア政府は協力的であり、道路で我々監視団を保護してくれていることを強調し、更に政府は我々監視団への干渉はせず、また同伴もしていない、と語った。

 アル・ダビ中将は、シリア政府は都市から軍を撤退させ、戦車や航空機その他は出動していないこと、メディアの信頼性に疑問が出てきていること、いくつかのメディアは監視団の扱いに厳しいこと、公表されたことが監視団の業務に影響を与えることは全く無いこと、監視団は見たことを叙述し、目撃した事実を描写する、監視団は推測、分析、個人的考え・意見に頼ることはしなかった、と語った。

 彼は、暴力沙汰は監視団が到着してから徐々に減少している、また監視団は抗議運動の間、緊張を和らげる面で支援した、抗議運動に対する攻撃は起きなかった、と指摘した。

 アル・ダビ中将は、反対派の中のある者たちは、拘留されている者たちの数に関して異なる数字を監視団に与えていたと語った。監視団はこういった数字は一般的推測で、正確ではないことを知った、と語った。そして、シリア政府は監視団に対して、特赦の判決前に4035名の逮捕者らが釈放され、釈放された者たちの数が合計7614名になった、と語った。更に監視団は、2316名ほどの者たちが軍事裁判で釈放され、2239名が報告書が書かれた後に釈放されることになっている、と語った。

 中将は、シリア政府は147名の大手のマス・メディアのジャーナリストの入国を認め、監視団はシリア政府とジャーナリストのビザ期限の延長を話し合い、シリア政府はこれに同意し延長措置を取り、シリア入国を希望するメディアのエージェンシーに入国許可を与える姿勢を示した、と指摘した。

 アル・ダビ中将は、監視団は政治的な意見を発表するという使命は与えられていないことを強調しながら、その任務内容はプロトコルの実施をモニターし、監督することであり、調査をすることにあるのではないという事実にも拘らず、いくつかのマスメディアは監視団の事を厳しく批判し、監視団は失敗だと非難していたと語った。

 彼は、マスメディアは現地にいるのであるから、事実に依拠するよう要請した。
 報告書は彼が発行したものではなく、むしろそれは全ての監視団メンバーが提出した内容を基礎として作成されたものだ、と語った。

 「いくつかのアラブのテレビ局と機関は、彼らが望む内容を書かないと言って監視団に対する攻撃をしていた」と付け加えた。

 アル・ダビ中将は、監視団はシリアでの任務遂行期間中に、国民的対話を始めるよう督促する必要がある、と強調した。それは、監視団の存在が好ましい結果に導くだろうと考えられるからだ、と述べた。

 彼はまた監視団は多くの間違った報告を受け取ったが、監視団メンバーが安全であり彼らの任務遂行が妨害されていないことを確認しながら、立ち去る前に情報の出所を確認することを通してそれらを排除した、と語った。

 オブザーバーらの何人かの声明について、アル・ダビ中将はファヒム・アル・アトラシ・オブザーバーはまだ監視団と共にあり、彼は声明は発表しておらず、報道されたものは事実ではないこと、またアンワール・マレクにおいては、病気であったため、外出したのはたったの1回だけだったということで、彼はホテルに残留している。ただし残留は監視団の任務とは関係ない、個人的なものだと彼が言った、ということを指摘した。

 アル・ダビ中将に対する何人かの疑念については、彼は、「私は自分を守らねばならないお尋ね者ではないので、メディアで言われた事柄について語ろうとは思わない」と語った。

 反対派の非難について、アル・ダビ中将は、反対派の主張や彼らの幻滅に回答することは、彼の義務の範疇にはないことであり、自分には全く関係ないことだ、と語った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 シリアのアラブ連盟監視団の団長が任務終了後の記者会見で、きちっとシリアでの現状を語ったようだ。

 ようするに武装勢力がかなりハデにシリア内で、特に政府施設、公共施設への襲撃を行ってきて、それに対して保安部隊や警察が応戦してきている、ということだ。

 バスやパイプライン、発電所や橋への襲撃、ということは、これはゲリラ活動ということであり、これに対し政府が鎮圧部隊を送って掃討作戦を遂行することは当然の政府としての責任であり、任務であるが、欧米側の大手メディアはこれを平和的抗議デモに対する血の弾圧である、と喧伝してきたのだ。

 このモハマド・アル・ダビ中将なる人物は、なかなかの人物のようだ。欧米側の誘惑や脅しや根回しのようなことはそれなりにあったのであろうが、この記者会見での発言内容を見る限り、真っ当なことを言っている。

 もっともこのシリア監視団は派遣される前は世界中で騒がれたが、いざシリアが受け入れを認め実際に監視団が来てからは、欧米側の主張は手のひらを返すように変化し、監視団は失敗だ、という論調が体勢を占めた。これは監視団の陣容、恐らくはこのアル・ダビ中将なる人物が欧米側の意向に沿った動きをしない、ということが分かったからであろう。

 「アラブ連盟の監視団は、シリアに入国していろいろな実態を見聞きしている。それを通して、シリアで何が起きているのか、実際に自分達の目で見て体験している。反政府デモが無いわけではないが、また同時にアサド政権支持のデモが大掛かりに何回も行われていることを目の当たりにしている。また武装勢力がテロ活動をしていることも分かってきた。だから、彼らが出す結論は欧米側の意図したものとかけ離れる可能性が出てきている」。

 今、大手のメディアはこのアル・ダビ団長の記者会見の内容を無視して報じていない。だから、大手メディアは駄目だ、と言うのだ。監視団がシリアに入るまでは大騒ぎしたくせに、監視団の報告内容が、彼らの目論見、推測、期待と異なっていると、途端にこの「無視」という汚いやり方だ。NHK もその他の大手メディアも猛省せよ、と言いたい。

●アラブ連盟のシリアに対する工作

http://www.atimes.com/atimes/Middle_East/NB04Ak01.html
【2月4日 Pepe Escobar Asia Times】

 GCC(湾岸協力委員会)というよりもアラブ連盟の”民主的”速成工作がこれだ。六カ国の湾岸諸国で構成されるこの汎アラブ組織が二つの湾岸君主国によって利用されたのだ。この二カ国は湾岸反革命クラブとも言われる、カタールとサウジアラビアである。

 GCCはアラブ連盟監視団を結成し、シリアに向かわした。NATOメンバー国であるフランスとトルコに拠点を持つシリア国民評議会は、熱狂的にこれを支持した。

 この160名に上る監視団メンバーが一ヶ月の調査をしてその報告書を発表したが、驚いた事にこの報告書の内容は公式のGCCの言ってきたこと、すなわち、悪辣なバシャール・アル・アサド政府は無差別に、一方的に自国民を殺戮しているので、政権交代は不可避である、という主張内容と矛盾するものだった。

 アラブ連盟の閣僚委員会はこの報告書内容を承認した。賛成票を投じたのは、アルジェリア、エジプト、スーダン、オマーンである。一票だけ反対票があった。想像してみてくれ、カタールである。このカタールはアラブ連盟を率いる椅子をパキスタンから買い取ったのだ。

 それで、この報告書は欧米メディアによって無視されるか、アラブ・メディアによって無慈悲に破壊されるかしたのである。このアラブ系メディアは殆どがサウジアラビアかカタールによってファイナンスされている。報告者の内容は議論さえされなかったという。それはGCCがこの報告書内容をアラビア語から英語に翻訳することを、またアラブ連盟ウェブサイトに掲載することを阻止したからである。それがリークされるまで。以下にその全文が見れる。

http://www.columbia.edu/~hauben/Report_of_Arab_League_Observer_Mission.pdf

 この報告書内容は断固としたものだ。シリア政府による組織された致死的な弾圧は無かったということだ。それに代わって、報告書は怪しげな武装ギャングが市民バス、ディーゼル運搬列車、警察バス、橋梁、パイプラインなどに対する爆弾攻撃を行うことで、数百人の一般市民と1000名以上のシリア軍兵士らの死にたいする責任を負っている、と指摘している。 
 
 公式のNATO・GCC版のシリアの情況は、民衆の反乱に対する弾丸と戦車による弾圧というものだ。しかしそれに代わって、BRICSメンバーのロシアと中国、それに発展途上国の多くの諸国は、シリア政府が重武装した外国人傭兵と交戦している、というように見ている。そして今回の監視団の報告書はそれを裏付ける内容となっているのである。・・・以下略


◆2月6日

 ロシアと中国が国連安保理におけるシリア問題で拒否権を行使したことで、アメリカなどが怒り、ロシアなどの行為で国連が機能しなくなっている、と非難をしている。

 そして日本のメスメディアと言われる存在も、それに同調する内容を発信している。しかし、それにしては、シリアで本当は何が起きているのか?ということを調査するためにアラブ連盟から派遣された監視団の報告書の内容を報道することがないのは、どうしたわけであろうか?

 この報告書の内容は、このROCKWAY EXPRESS でも1月25日号の「アラブ連盟監視団長:シリアでは武装テロリストが公共施設を襲撃」で示したが、以前はアラブ連盟のウェブサイトには掲載されていなかったこの報告書の内容が今は掲載され見る事ができるのである。以下にアドレスを示す ↓

http://www.columbia.edu/~hauben/Report_of_Arab_League_Observer_Mission.pdf

 欧米メディアとアラブ系メディアがユダヤとサウジ、カタールなどの資金などで運営されている限り、イスラエルに対抗しているシリアに不利な内容が発信されていること、不利というよりか真実から見て真逆な内容を発信していることを知るべきであり、シリアの真実の情況はこの報告書にしたためられているのである。

 大新聞、テレビ局、政府の中東関連部署で仕事している人々は、この報告書の内容を読みかつ報道すべきである。監視団がシリア入りするまでは大きく騒いだくせに、いざ、監視団が一月も見聞したシリアの実情を報告している報告書が出ているにも係わらず、それを無視し、代わって欧米メディアの論調をそのまま受け入れ、報道することは、犯罪的行為である。

 今回は、ロシアと中国が拒否権を行使したから、シリアをめぐってあからさまなNATOメンバー国による侵略行為は阻止されたが、これからもシリア国内のゲリラ活動は継続するのであろうから、今からでも真実を報道するべく、まずはこの160名の監視団メンバーがまとめた報告書を読むべきである。

 シリアの情況がチュニジアやエジプトのように全面的な、一般国民が総出で政権を批判するようなデモの動きにならないのは、単に秘密警察が強いとかいうレベルの問題ではない。

 本当に政権に対する強固な嫌悪感・拒否感が国民に充満していれば、あのチュニジアの一人の青年の死をきっかけに全土的な反政府デモに膨らんだようになったり、あるいはエジプトの例のようなことになるはずである。

 それが去年の3月から既に一年近くになろうとしても、このイギリス人女性ジャーナリストが体験しているような実態がシリアのダマスカスにある、ということは、シリアの情況はチュニジアとかエジプトの情況とは相当違う、ということを示していることになるのである。

 問題は、欧米メディアのもたらす嘘の報道であり、それを鵜呑みにする人々であり、欧米メディアの論調を真理として受け継ぐ日本のメディアの姿勢である。リビアでも内情は全く逆であった。バイアスの掛かった見方しか出来ない情けない日本のメディアの上層部の者たちが問題である。NHKもシリアの「政府支持デモ」を「反政府デモ」と偽って報道したことがあった。猛反省せよ。


最新の画像もっと見る