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赤岳

2012-01-04 23:35:22 | 山行

 赤岳から阿彌陀岳を望む/赤岳山頂


 2012年1月3日(火) 数年前からの目標だった赤岳の登頂を果たして2012年が明け、感無量!


 山頂から富士/頂上山荘


 前夜は美濃戸口の赤岳山荘Pに車を停めて車中泊。窮屈な軽トラの運転席でうつらうつらしながら寒い夜を過ごして3時半頃から準備開始。土方弁当をお茶で流し込み、はじめからアイゼンをつけて5:10出発。明け方に来た2人が先行。また車で送ってもらって来たばかりの若い人とほぼ同時に歩き始めるも、20年以上前に一度来たことがあるだけで道が分からず、あっちこっちと迷いながら美濃戸山荘に着き、5:19,南沢に入る。3人先行したが後続はない模様で1人歩きとなる。



 美濃戸口南沢を行く/空が白み始める


 頭上に北斗七星から牛飼い座のアルクツルスにつなガラ春の大曲線の一部と獅子座の逆?マークを見、好天を予感。6:00頃までは明るかった星の光が5分後には薄くなり、さらに5分で空が白み始めて6:20頃ランプを消す。


 岩峰が見えてきた/阿彌陀岳


 途中に治山工事でコース変更されたところがあり、大きく高播く漢字で沢から離れ、再び沢に戻ってしばらく後に樹林帯となり、やや開けた場所で前方に岩峰を見るも何という山か分からぬままに進む。



 行者小屋着/まるさん等2人と合流


 やがて目指す赤岳と思われる山が見え始めた所で後続の2人に道を譲り、後を追うように最後の樹林帯に入って5~6分後の7:43に行者小屋に着く。待つこと10分で赤岳鉱泉から来たmalmal氏ら2人と合流。



 阿彌陀岳が輝く/稜線(赤岳以北)を見上げる


 行者小屋の天候は晴れで気温-15℃,風無し。右手前方の阿彌陀岳に朝日が当たって銀色に輝く。
 8:20,文三郎尾根からの登頂をめざして出発。アイゼンが小気味よく効いて快調に樹林帯を抜け、30分で階段下に到達。



 階段下に到達/トラバース


 階段のステップは金網だが半分以上雪に覆われているので歩きにくさはなく、問題なく階段を登り終えて小屋から見えていた西稜へのトラバースに向かう。
 ここに来て初めて風が強くなった。とは言っても本来とは程遠いそよ風程度で、気温も刺し込むほどの寒さではない。それでも指先は冷えるのでオーバー手袋の中で手を握ったり開いたりして動かし続ける。



 阿彌陀岳・中岳/霧ヶ峰・鉢伏山・高ボッチ
 

 阿彌陀岳がますます輝きを増し、また中岳が競りあがって来る。トラバースの中間点で降りて来る人を交わしながら霧ヶ峰,美ヶ原と北ア方面の展望を楽しむ。
 元日に登った鉢伏山から高ボッチに続くラインの上に餓鬼岳から蝶ヶ岳に至る常念山脈の中でひときわ白い常念岳のとんがりが見えた。だが常念岳を望むことができたのはこれが最後で、その後,北アは2000m付近から上が雪雲に覆われて見えず終いとなる。
 


 西稜へ出ると太陽がまぶしい/頂上直下の鎖場


 9:44,阿彌陀岳への分岐点に到達。西尾根の岩稜帯に入ると太陽をまともに浴びて温かくなる。
 9:54,権現岳分岐に着き、ここから直下の鎖場の連続となる。権現岳とその向こうに南アの高峰が広がるのを見とれている余裕はなく、ここはひたすらに慎重に、一歩一歩の登りに専念する。降りてくる人も多く、真上に下降者がいるのは嫌なので早め早めに避ける等,すれ違いには気を遣かう。 



 登頂/権現岳


 10:21登頂。誰かが『あれぇ~,標識がハダカじゃん。エビの尻尾もないよぉ~』とおどけた声を上げたほど、この日の赤岳は好天,微風で雪質もよく、登山者数もそこそこの好条件に恵まれ、拍子抜けするほどだった。ラッキーと言うか物足りないと言えなくもない・・。



 富士と南アの山々/霧・鉢・高と北ア,蝶・常念岳方面(山頂から)


 前回は地蔵尾根から登って硫黄岳の方へ縦走したが、それは20年以上前のことでディティールはほとんど覚えておらず、それだけブランクがある山は初めての山と変わらないので、行者小屋に着いて山を見上げるまではかなり緊張していた。
 なので今回はこれでよかったし、早く降りて帰りたい気持ちもある・・,が、しかし今日の条件からすると硫黄岳方面に縦走できたなぁ・・,とちょっぴり欲も出るがかったるくもあり複雑だ!



 甲斐駒/両天狗岳・蓼科山


 鉢伏山では1眼のカメラのバッテリーがすぐに上がって肝心の遠景があまり撮れなかったので、今回はザックの中にしまって使う時だけ出したらうまく行った。
 南アや富士山の方向は存分に撮ることができたが、北アが雪雲に隠れていたのが残念。そして八ヶ岳周辺にもガスが湧き始めたのをしおに下山する。



 文三郎から見上げる赤岳



 硫黄岳・天狗岳/行者小屋へ
 
 10:43下山開始。まだまだ上がって来る人が多く岩場で時間を食う。待機中にカメラを出して硫黄岳,蓼科山,美ヶ原,霧ヶ峰,鉢伏山方面をもう一度撮り、階段をゆっくり下って11:51行者小屋着。
 今回の山行に当たって情報提供してくれた人に報告のメールを送って12:20発,出発点に向かう。


 岩峰を振り返る/遭難碑


 途中でアイゼンを外したら2~3回スリップして尻もちをつく・・,等して14:00に美濃戸山荘着。一服して14:20駐車場に戻り、malmalさんを八ヶ岳山荘まで送って散会する。
 八ヶ岳山荘から赤岳山荘までの路は車がアルペン踊りをするほどの酷い道で、普通の乗用車向きではない。



 下山/お疲れ様でした



 1月4日(水)
 雪に降り込められて一日中家の中で過ごす。昨日までの緊張の反動も手伝って、いつが昼でいつが夜か分からない穴蔵生活に逆戻りだ。
 こう言う緊張は久しぶりだがいいものだと思う。自分のひ弱さを自覚することは特に年をとると必要なことかも知れないし、緊張した分だけ得られるものもあり、逆に言えば緊張のない山行はつまらなくもあるような気がする。

 尤も今回の場合は見えない影に怯えていた面がなくもない。
 それと言うのも前回は風が強烈で、特に硫黄岳では烈風に煽られての匍匐前進で、また赤岳では今回より遥かに気温が低く刺すような寒さで、手も足も指先の痺れを解すのに必死だった記憶だけはハッキリ残っていて、体が覚えているのか登高中にそれが甦ったような気がした。
 その記憶に対して近年の空白から来る赤岳情報の不足が不安の元で、特に地蔵のコースの細かい部分の記憶がないことが気がかりだった。なので行者小屋に着いて赤岳を見上げるまでは強いプレッシャーに苛まれていた。
 それが好天に恵まれてトントンと登れてしまい拍子抜けしてしまった感もあるが赤岳はやはり侮れない山で、今回はツキに助けられた登頂だと思う一方で、縦走への欲も湧いてきている。











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