最近、つらつらと思うのは、私は伝統行事を繋いでいないな、ということです。
実母も義母も、いろいろな行事について、セットアップの型を持っていましたが、結局どちらもきちんとは継いでいません。出自の地方が全く異なっていて、型がかなり違います。
一昔前でしたら、「嫁」なので、義母の伝統を継承するのだと思いますが、これが離れて暮らしていますと、殆ど不可能。
それにしても実母の方の慣れ親しんだ型は継承できるのでは?といっても、
1)あまりにも手間がかかって現状ではやり切れない。
2)特に料理関係では、あまり現代の家族には喜ばれない。
等の理由で結局現実には行っていないことが多いです。そして、その実母も既に他界して10年以上になります。記憶がどんどん薄れて行きます。
そうしているうちに、そろそろ自分の子どもにも伝えるべきことを伝えて行く必要のある時期にきています。若い方に、むやみやたらに過去のやり方を教えても仕方ないです。どうするべきなのか、考え込むことが多くなりました。
明治維新、先の大戦、それによって、日本の文化、特に家庭の文化は大きく変化しました。家族のあり方もいろいろですし、今や1人でお住まいの方がもの凄く多い。家の構造も変わった。生活形態も変わっている。思想もかなり変わった。
そんな中、日本の文化、とは一体どこにあるのでしょう?
ともかく、まずは日々の暮らしの中に、文化の根源はあります。ですから、私はまず子どもに家事を伝達します。今後家電も変化して行きますし、家の構造も変化します。
また日本と言っても広いので、子どもがどこに行っても大丈夫なように、家事における普遍的な原理を知ってもらうことに注意しています。
家事に続き、その他の行事について、何を守るべきなのか? これが難題。
土地の行事が根付いていて、地域の行事がある時はそれを引き継いで行けば良いわけですが、東京のような都市では、神田など下町の特別な地域を除き、そういうものはありません。
都市部では、日本の様々な土地からやって来た方が新興住宅地に住み着いて、生活しているのです。戦後も70年以上経っています。つまり戦後の世代がもう三世代目になってきているのです。
都市への移住者も三代目、四代目となってきて、我々の伝統はなんだろう、と思ったりします。
これはまさしくIdentityの問題です。思想的にあれこれして、頭でっかちなのもよくないですし、本当に悩ましいです。
これまでは何のかんの行って「故郷」が実際に機能し存在したのが20年くらい前まで。現在は地方が壊滅状態なので、「故郷」はもはや存在しなくなってきています。
それを端的に顕しているのがお墓の問題。でも、本当はお墓だけの問題ではないのです。地方が壊滅するということは、人々が「故郷」を無くすこと。それは伝統的な文化の存在が消滅することにつながって行きます。
この問題は根が深い。また、引き続き考えてみたいと思います。
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