無知の知

ほたるぶくろの日記

どうやら自分で考えないとだめそうです

2019-11-03 18:35:55 | 日記
先日から日本の防災の現状、特に治水に関する状況に危機感を抱いています。

千葉の洪水については下記のような報道がありました。
----------------------------
2019年10月28日 夕刊(東京新聞)
「千葉大雨 水位観測所4カ所故障 大雨前から 県、自治体に伝えず」

二十五日の大雨で氾濫被害が発生した千葉県佐倉市の鹿島川で、県が設置した水位観測所一カ所が八月末から故障 したまま観測不能の状態だったことが分かった。県が二十八日に発表した。県によると、故障による避難の遅れなどはなかった。県河川環境課は「修理を進めて いた途中に大雨が降り間に合わなかった。(防災上の観点から)あってはならないこと」としている。 (中谷秀樹)

 県によると、故障していたのは鹿島川の馬渡(まわたし)観測所で、八月二十九日から観測不能だった。センサーで水位を観測する装置が、落雷で電気系統に異常が発生したとみられる。

 他にも千葉市や市川市、富津(ふっつ)市などの七河川、計八カ所の観測所で、落雷などによりデータや電源の異常が確認されている。このうち三カ所は馬渡観測所と同じく大雨以前から故障していたが、県はいずれの流域の自治体にも故障を連絡していなかったという。

 鹿島川では、大雨の前から氾濫を警戒していた佐倉市が二十五日から二十六日の間に故障に気付き、県に「観測データの数字がおかしい」と連絡。川は 二十五日夜、馬渡観測所から約五キロ下流の同市田町の鹿島橋付近で氾濫が発生したが、市職員や地元消防団が水があふれたことを確認し、住民に避難を促した。

 県の水防計画では、氾濫の危険を自治体や住民に知らせる「水位周知河川」が定められている。鹿島川は含まれていないが、佐倉市危機管理室の担当者は「水位のデータが活用できれば、より迅速で的確な避難指示ができたはずだ」と話している。
----------------------------
あちこちの観測所が機能していないにも関わらず、その情報が自治体に共有されていない、とは信じられない思いです。


東京国立博物館のユリノキ。台風でかなりダメージを受けた様子。写真右側の枝が大分少なくなっています。折れたので、整理されたようです。

これは根が深い、と思うのは伝統的な治水施策に対する自治体の理解の浅さ。千曲川の霞堤の問題です。
NHK報道では次のようなものでした。
----------------------------
千曲市は霞堤の閉鎖も検討すべきだとしている。市の訴えの背景には、霞堤周辺の土地の利用の変化がある。住宅が立ち並ぶ場所には、かつて田畑が広がっていた。しかしその後、区画整理が行われ、次々に住宅が建てられていった。市は霞堤を管理する国と閉鎖に向けて協議を始めたいとしている。

しかし河川工学を研究する埼玉大学の田中規夫教授は霞堤を閉鎖した場合、下流の堤防が決壊する危険性が高まるとして、慎重に検討すべきだと指摘する。
さらに田中教授は閉鎖せずに霞堤を生かした対策があると指摘。
----------------------------
千曲川の伝統的な治水工法「霞堤」について、市長は「霞堤」のために洪水が起こったといい、専門家は「霞堤」があったからこの被害で済んでいるのだ、という。そもそも「遊水領域」=「浸水可能領域」の設定が甘かっただけ?という気がします。
大体区画整理の際に住宅地として適しているのかどうか、の検討はなされなかったのでしょうか?
その検討を誰がどうやるのか、いわゆるデマケのつきにくい問題なんでしょう。大きな問題は関係各所が協力してやらないといけないのでうまくいかないんでしょう。

もう少し、真面目に治水や防災を考えないとダメかもしれません。
このような報道もありました。
----------------------------
茂原中央公民館はこれまでの25年間で3回浸水。知っている人は誰も避難しない。でも避難所に指定されている。
----------------------------

防災は365日、毎日のタスクではない。
おそらくは数十年に一回の頻度であるため、行政機関、そこにお住まいの方にしても、一生出会わずに済む方もいるかもしれません。
しかし、だからといって25年間放ったらかしというのはいかがなものか。

自治体は避難所を設定しなくてはならないので、なんとか設定した、ということのように見えます。本当に安全な避難所かどうかは保証の限りではない、ということです。

私の住む自治体の防災マップもありますが、地震の時の避難所がなんと海の出島のようなところの公園。
津波が来たらどうするんでしょう?
あの辺りの土壌は液状化するんじゃない?
など、疑問で一杯。

家の方針としては井戸のありかを確認して、その近くの避難所を目指すことにしています。自治体の設定は残念ながら信用できないものです。とりあえず人数と場所の面積を決められた数値に収めたというに過ぎないようです。