目指せ!ゼロウエイストな暮らし

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この本はすごい!小林よしのり「いわゆるA級戦犯」

2006年12月10日 | おすすめ本
鳥肌ができるよう本でした。
「こんなすごい本を書ける人は、日本中でこの人くらいではないかしら」と
思える本でした。
第2次世界大戦の「犯罪者」と位置づけられ、死刑に処せられた
7人の「A級戦犯」。(逮捕状がでたのは110人)

しかし実際のところ、私達はそのA級戦犯のことをどれくらい知っているだろう?
いや、そもそもA級戦犯ってどういうことをした人のことをいうの?

と単純な問いをかけられるところからこの漫画は始まります。

A級戦犯がいい、とか悪いという単純な二極化ではなく、
ましてA級戦犯がこの戦争を引き起こしたか否かでもなく、

その時代を彩っていた背景、その人達がどのような裁判の元に裁かれ
どのように自身の死を受け入れ、そしてどういう思いでもって
日本を、天皇をみていたのか、
それを知ることで、また靖国問題を鮮やかな視点でとらえることができました。

ここであえて、この問題を「鮮やかな」と形容したのは
それだけ、この問題(第二次世界大戦、東京裁判、A級戦犯、靖国問題)
に対して一般的なメディアが
「わかりにくく」「認識しにくい」ベールを覆っていたか、
ということを認識することができたから。
実は、この問題の芯を追求することはタブー視されていたんだ、
ということも
ようやく認識することができました。



逆にいえば、これまでの新聞の社説や論調こそ、少々乱暴な言い方を許してもらえるなら
同じ言葉の繰り返しのようで、
だから「平和」そのものがまるで、「退屈」なもののように感じられたのかもしれません。

本当に平和を望んでいる人の持つ言葉は、どんな単調な単語でも重みがあります。
そういう意味で現在の一般的なメディアの「平和を望む力」は薄いといわざるを得ないと
思います。


A級戦犯で死刑宣告を受けた人の中には
日中友好のために必死の思いで駆けずり回った人や
対戦中、軍事はおろか政治指揮には何一つ関与していなかった人もいた
という事実は、どきっとするものを感じました。

実際のところ私は日中友好に関して、まだ明確な自分の意見はもっていません。
仲良くできるならするほうがいいだろう、くらい。
平和を望む力が薄いのでしょう。

小林よしのりのこの本は平和を望む力を、逆の立場から描きました。
入念な資料の読み込みや取材の行い方も完全な現場主義。
1ページ1ページが血のにじむような思いで描いたんだろうな、と思えました。

すごいものを読んでしまった。

40万部突破しているらしい。
その事実もすごい。




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