2012年9月1日(土)、南アルプスの北沢峠から仙丈ヶ岳、間ノ岳、農鳥岳を経て奈良田までの縦走コースで日帰りトレイルランニングを楽しんできました。途中からは雲の中に入り、雷注意報も出て冷や冷やの縦走ランでした。大門沢沿いのルートは不明瞭な箇所が多く注意が必要です。
前夜23:50 奈良田の駐車場到着。車中泊。翌朝、バスで広河原乗り換えで北沢峠へ。
行程:
北沢峠出発7:12~仙丈ヶ岳9:06~野呂川越11:36~間ノ岳13:43~農鳥小屋14:20~農鳥岳15:23~大門沢川下降点15:46~大門沢小屋17:01~奈良田駐車場18:51
奈良田の温泉街の少し先にこの駐車場があります。トイレのほかに滔々と水の流れる水汲み場も完備されてます。 ここにバス停はなく、温泉街のバス停から乗るのが正しいようです。それがわからなくて朝ここでウロウロしていたら、バスが来て、停まってくれました(これ、正しくない乗り方です。すみません)。この500メートルくらい先にももっと広い駐車場があります。そこにはバス停もありました。(バス乗車5:32)(注:2013年に上の画像の駐車場を再訪すると、登山者の長時間駐車は禁止になっておりました)
広河原。ここでバスを乗り換えます。夜叉神峠方面からの人たちもいて賑やかです。
北沢峠行きの始発バスは6:45発です(2012年のデータ)。
バスは乗車人数に合わせて複数台出るようです。
北沢峠バス到着7:08 このトイレの左側から登り始めます。
幅の広い歩きやすい道です。
何合目という表示があり、励みになります。
4合目はまだ樹林帯です。
6合目でハイマツ帯に入りました。
雲の動きが早いです。今日の天気が心配。
小仙丈ヶ岳の頂きが見えてきました。
小仙丈ヶ岳(8:31) おしゃれな標識。
甲斐駒ケ岳は雲の中。ちょっと不安を抱かせる雲の隆起。
これから進む仙丈ヶ岳方面の尾根。穏やかなアップダウンである程度走れます。
一番奥のピークが仙丈ヶ岳のようです。
仙丈ヶ岳の直下より。
仙丈ヶ岳(3033M)山頂到着(9:06) 雲がなければ眺望は良さそう。
仙丈ヶ岳の北側にはカール地形(藪沢カール)が広がっています。
これから進む仙塩尾根方向。雲低く、不安を抱きながらの南下になりそう。
大仙丈ヶ岳(2975M) あまりピーク感のない山です。(9:25)
大仙丈ヶ岳を過ぎるとしばらくは下りです。
陽もときどき射します。尾根はゆっくり走れます。
これから進む尾根が一望でき、その長さに身が引き締まります。
すれ違う人は全くいません。マイナーコースなのかな?それとも天候のせい?
苳ノ平の小さな標識がありました。
伊那荒倉岳2519M 展望は利きません。(10:40)
高望池とありますが、水は全くありませんでした。
雨が降れば、ここに池ができるのかな。
独標2499M ここだけ突然、空が開けます(11:03)
横川岳2478M
野呂川越(11:36) 。今回のコースにエスケイプルートを見つけるとしたら、ここから両俣小屋を経て南アルプス林道に下るくらいでしょうね。
野呂川越からの登りは倒木が多いです。
三峰岳の肩までもう少しです。三峰岳そのものはルートから少し西(この画像では右)に逸れます。天候が悪化してきたので、頂上には行きませんでした(頂上までルートがあるのかもか確認しませんでした)。(13:13) ここが塩見岳方面との分岐になります。
結構、険しい岩場を通過します。
ルートのマーキングもあります。
間ノ岳頂上(13:43) 雲の中でなにも見えません。
視界は悪いものの、雷鳴は聞こえません。
農鳥小屋到着(14:20)
売店発見。小屋からご主人を呼んでジュースを1本売って頂きました。
短パン、ノースリーブシャツのバリバリのトレランスタイルでご主人に怒られるかと思いドキドキしていましたが、主人、「どこへ行くんだ」私、「奈良田までです」主人、「そうか」で無事、認めていただけたようです。よかった!
各方面と体力別の所要時間一覧が売店前に吊るしてありました。(画像クリックで少し拡大します)
「農鳥岳」の名前で勝手に穏やかな山容をイメージしていましたが、実は結構荒々しいルートです。
農鳥岳山頂3026M(15:23)。 西農鳥岳は見つけることができず、いつの間にか通過してしまっていました。
動いているので体は寒くないものの、手は冷えるため、ボアの手袋着用です。
シューズは、下りで力を発揮するホカオネオネ(HOKA ONEONE)使用。
農鳥岳を過ぎれば、あとは基本的に下り基調です。霧の中、夕刻が迫っているので走れるところは走ります。
大間沢下降点の塔(15:46)。以前にここで遭難したかたの遺族が建てられたとのことです。
黙とう、そして感謝です。
急な下りが続きます。
所々に標高表示がありました。
まだあまり古くない木橋。土石流が多いエリアみたいです。
大門沢小屋。テント場もあり、賑やかです。(17:01)
水道もあります。
大門沢小屋の前の水道を使わせていただき、そのあと、こちらの道を進もうとしたら、テント場行きの道でした。実際は来た道を少し戻ってから右に折れます。この風景と小道をみて、「この先は、歩きやすい里山風の小道だろう。楽勝だ」と勝手に想像してしまいました。ところが、実はこの先が、今回のコースで一番迷い易いエリアだったのです・・・ この時点ではそんなこと知る由もありませんでした。(17:06出発)
こちらが下山ルートでした。沢は岩石が流れてそんなに時間がたってなさそうです。
こんな応急?の回廊もあります。
赤テープがあるものの、しっかり確認しないと見落とします。何度かルートを外しそうになりました。
土砂でルートが埋もれた様子です。 暗いと下山はかなり厳しいです。
橋も応急っぽいです。整備してくださる方に感謝。
しばらくすると渓谷を離れて山腹を巻いて行く道になります。今度こそ、あとは楽な道、と思ったのもつかの間、この後、道迷いしかけることになります。
ミニケルンの先、踏み跡が消えます。左下に進んでなんとか続きの道に出ましたが、本当にそのコース取りで良かったのか今も判りません。ゆっくり行ったり来たりしながらのルート選択で、もう少し暗かったらライトがあっても道迷い必発。ビバークになった可能性が高いです。
吊り橋登場。人工物にほっとします。
林道は近いと思いきや、ここからまだまだありました。
吊り橋のすぐ先の取水場
再び吊り橋。その先、山腹を登るようにルート変更されていました。
暗闇迫り、ライトがないと見えないです。
最後、一緒になった方々とダッシュして、やっと林道にでました(18:22)
広河原へのバス道は夜は18時に閉鎖します(私の到着は18:37)トンネルの奥から下りてきた登山者を想定して、右に見える人用の出入り口はオープンになっているそうです(後日の登山で監視のかたに確認済み)。
林道はひたすら走って駐車場に帰還(18:51)。
このコース、車中泊だと北沢峠出発は、どうしても朝7時過ぎになってしまいます。晴れていれば、大パノラマの楽しめるコースですが、エスケイプルートがないので、天候が確実に良い日を選んで入山しましょう。
給水できるのは、農鳥小屋(飲料購入)と大門沢(小屋より少し上流で汲み水可能)のみです。最後の大門沢コースは思った以上に時間がかかりました。ダッシュして飛ばせる下山道ではないですし、不明瞭箇所があります。蛇行しているせいか距離感がつかみにくく、とても長く感じます。
天候不良と道迷いの恐怖感があった分、ゴールしたときの安堵感はひとしおでした。19時頃には奈良田エリアの日帰り温泉は閉まってしまいまいます。奈良田温泉に入っていくのなら、17時半くらいの下山を目指しましょう。