今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

小仏城山北東尾根を歩く

2022年05月22日 | 山歩き

久し振りに山歩きをしたい。
といっても運動不足がたたっているので、高尾山(599m)に毛の生えた程度の山しか望むべくもない。
ここ数年、高尾山ばかり通っていたので、山に行く目的を失いかけ、あえて”行としての登山(峰入り)”を志向したりした(曲がりなりにも高尾山は修験の山なので、それもあり)。

高尾山の奥に小仏(こぼとけ)城山(670m)というやや高い山があり、高尾山だけでは物足りない場合に足を伸ばす所なのだが、その山からの下山ルート(小仏峠、相模湖)も歩いたので、この山を目標にもしづらかった。

ところが、高尾山を越えた”もみじ台”あたりから行く手の小仏城山を見ると、右側に心惹かれる尾根が伸びている(2041年11月24日の記事の写真、中央右側の稜線がそれ)。

後日、この尾根には踏み跡があることを知った(通常の一般向けガイドには載っていなく、篤志家向きの詳細地図などに載っているだけ)。

すなわち”一般ルートではない”という意味での「バリエーションルート」だ。

一般ルートを歩いたら、次はバリエーションルートに挑戦するのが登山者たる者の歩むべき”道”。

久し振りに登山者としての血が騒ぐ。

こういうルートは、ガイド本などには一切情報がなく、山中に指導標もない。
自己の力で、ルートを判断するしかない。
地形図から現在位置と進むべき方向を判断できる読図力が必須。
さらに、こういう空間に単独行で入ると、他の登山者を期待できないため、道迷いや滑落などの事故は100%自分で対処しなくてはならない(捜索されるにしても発見が大幅に遅れる)。
すなわち100%自己責任の空間に1人で入り込むわけだ。

ということもあって、(危険と隣り合う)登山から離れていた身として躊躇していたのだが、高尾山に毛が生えた程度の山で、歩いていないルートはここしかないため、もはや選択の余地がない。

ということで、本日、8時に起きて、近所のコンビニでおにぎりを買い、駅まで歩きながら食べ、9時すぎの京王線に乗り、10時半頃に高尾山口に着き、今回は沢沿いの6号路で高尾山に向かう(山中ではマスクを外す)。
正午前に高尾山頂に達するも、混雑する山頂を素通りして、小仏城山に向かう。

13時前に小仏城山に着いた(写真:城山からの展望。中央奥が都心、左の平らな尾根が北東尾根、右が高尾山)。
山頂の茶屋で名物おでん(500円)を食べて鋭気を養う。
そもそも食物を現地購入するなんて”登山”ではありえないのだが、
半分観光地的なこのあたりなら、荷が軽くなる意味でも、こういうサービスにあやかってもいいのではないか、という気もする(持参といってもコンビニおにぎりやコンロ持参でカップ麺っていうのもつまらない)。
おでんだとタンパク質中心で糖質がほとんどないので、おにぎりという糖質を摂った後の食として丁度いいし。
ただ、私の周囲の客はどちらを見ても店で買った缶ビールを開けているが、「下山口に降り立つまでが登山」と心得、特に山の下りで滑落などの事故のリスクが高いので、山頂でのアルコールには手を出さないでおく。

さて今日はここからが本番。
山頂にいる大勢の人を尻目に、1人北東尾根を目指す。
北東尾根と高尾山の間(写真中央の谷)にある日影沢の林道方向に向かい、高尾山への巻き道分岐を過ぎた先に、林道から左に入る明瞭な踏み跡がある。
今までのルートのような道標はないが、林道は谷に下り、この踏み跡は尾根上を進むので、ここが北東尾根の分岐点と分かる。
道は意外にしっかりしており、道標こそないものの、行く手の木に目印のペンキがついている。
どうやら登山道でなくても公的な作業用道として使われているようだ。

道の周囲はきれいな桧の植林で、東京農大の記念植樹を記した鉄柱がある。
林業実習にも使われている道らしい。
ということなので、安心して道を進む。
山が浅いせいもあってドコモの圏内である(単独行で携帯が通じるのは心強い。アウトドアにはドコモ一択)。

右に分岐する踏み跡が2箇所あり、いずれも日影沢林道に降りると記された私設の小さな道標があった。
尾根筋を通して歩くのだから、これらに惑わさせることはないが、行く手がY字路になって左右に別れていた箇所には、道標がないので、立ち止まって地図で地形を確認し、左の支尾根ではなく右の主尾根の道を選ぶ。
かようにバリエーションルートには、こういう読図力が必要となる。
ただバリエーションルートといっても、危険箇所はなく、通行に問題はない。
実際、同方向に5人、すれ違い方向に3人と出合ったので、それなりに人は歩いている。

途中、道の真ん中に446mの御料局三角点標石があり(写真)、近くには周囲の木で作ったベンチがしつらえてあった。
※:宮内庁御料局管轄の三角点。旧陸軍管轄の三角点(映画『剣岳点の記』はその測量技師が主人公)とは別。考えてみると、三角点を管理をする人も、登山道を頼らずに三角点を点検しなくてはならない

実際この道は高尾から小仏に達するバス道から城山への直登ルートとして利用価値がある。
今後はもっと利用者が増えてもよさそう。
といっても終始樹林帯の道なので、展望はなく、強いて利点を挙げれば、直射日光は避けられるくらいか。

道はいつしか尾根から外れて右の谷の日影沢に降りていき、適当な所で石づたいに対岸に渡ると(こういうのも自己判断)、林道起点の駐車スペース(林道奥の観光施設利用の車が駐車)に達し、さらに進んで小仏川の橋を渡ると、「日影」のバス停に着いた。
城山の分岐入口からここまで60分。

以上、左脚の腸脛靱帯も痛まず、観光客のいない久し振りの”登山”を楽しめた。


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